ひたちなか海浜鉄道開業記念祭 2019(5)「キハ222」と平磯駅 [鉄分の濃い旅行記録]
どんな仕事でも、ある意味、そうなのかも知れないのだが、外から見ていて
「忙しい時期」というところで忙しいのは現場の担当者。でも、表から見えない
部分では、その「忙しい時期」を迎える前の時期が忙しいところだって。
自分の担当もそう。「夏休みが一番、忙しいでしょう!!」と周囲から言われるが
その夏休みシーズンを迎える時には仕上がったものが納品されているはずで。
在庫管理とかそういうところで気をもむ場面はあるのだが、たぶん8月には秋以降の
ものの準備に追われているはず。
ということで、6月は忙しい<変態鉄>なのだが、公休日を調整して休みを捻出すべく
それまでに仕事を片付けようと頑張っている。今月末には、先月のリベンジ。
【2019年5月29日18時08分】 只見線・会津高田-根岸
(“ギラリ”させる予定だったのに...)
朝晩にしか見られないキハ40形だけの4連運行を。何とか、その走行写真を撮りたい
と思っているのである。
それまでに溜まっている撮影記を一挙、放出っ!! (← 「はなてん」では無い)
引き続き、5月12日の「ひたちなか海浜鉄道開業記念祭」。キハ205の運行区間とは
違う、終着・阿字ヶ浦駅に、わざわざやって来たのは...
…… ……
2019年5月12日(日)晴れ
現在の阿字ヶ浦駅はホームも短縮され、駅自体もホンのちょっとだけ移転したはず。
いまは1面1線の棒線式の終着駅...で十分な規模になってしまい、ホームにも
フェンスが目立つのだが...
【2019年5月12日13時13分】 ひたちなか海浜鉄道湊線・阿字ヶ浦駅
使われなくなった側線部分にキハ222号車が保存(というか、残念ながら実質、放置)
されているのである。
他の保存車でも問題になるわけだが、どうしても海沿いに展示されている鋼製車は
急速に腐食が進行し、数年でボロボロに朽ち果てるもの。確か、このキハ自体、
湊線の応援団が中心になっている“鉄道神社”の「ご神体」だったはず。
大がかりな整備を行うのにクラウドファンディングでもやってくれたら、喜んで
応じたいと思っているが...。何と言っても貴重な炭礦鉄道キハの生き残りである。
この“元ネタ”でもあった国鉄キハ22形は、JR北海道に承継され平成に入っても
活躍を続けていた。でも、“タッチの差”くらいで撮ることも乗ることも叶わず。
【2019年5月12日12時21分】 ひたちなか海浜鉄道湊線・那珂湊-殿山
この日、撮ったキハ205号車は、水島臨海鉄道に来るまでは国鉄キハ20形。
その国鉄「20形ディーゼル動車」の北海道耐寒耐雪バージョン(の量産仕様)が
キハ22形。それの“コピー”が羽幌炭礦鉄道のキハ222号車だったわけで。
【2019年5月12日13時15分】 ひたちなか海浜鉄道湊線・阿字ヶ浦駅(キハ222車内)
車内は茨城交通時代にワンマン化されて、デッキとの仕切り壁が撤去されている。
左隅に見える丸いものは車内放送のスピーカー。何だか懐かしいタイプである。
茨城に来てから半世紀近く活躍しただけに、後天的にいろいろと改造されているが
それでも、その“北海道らしさ”は残っている。
外観では客扉を車端部に寄せてデッキ付きとしたこと、小ぶりな窓はオリジナルでは
「二重窓」である。
【2019年5月12日13時15分】 ひたちなか海浜鉄道湊線・阿字ヶ浦駅(キハ222車内)
板張りの床は北海道仕様でだけ長らく残されていた。一般的なディーゼル動車では
昭和30年台の車輌ではリノリウム張りになっている。何でも厳冬期には板張りの
方が良いのだとか...
【2019年5月12日13時14分】 ひたちなか海浜鉄道湊線・阿字ヶ浦駅(キハ222車内)
多くの方が訪れるので、それほどゆっくり観察できる状況でもないのだが、
運転台回りは、キハ20系らしいというか、この世代のキハで標準的に見られるもの
だと感じた。でも、このキハの最大の特徴は...
【2019年5月12日13時16分】 ひたちなか海浜鉄道湊線・阿字ヶ浦駅(キハ222車内)
運転台窓にコレが残っていること。これは、国鉄キハ22形には見られなかった
特長でもある。そう「旋回窓」。船に見られるものだが、北海道では機関車などで
多くの採用例がある。円形の窓自体が回転し、その遠心力で雪や水滴を吹き飛ばす
というもの。ワイパーでは払拭した雪の塊が窓の端に徐々に溜まってしまい、
可動域が狭くなったり、その雪の塊がワイパーの動きに対して抵抗になったりと、
最悪、窓の雪が取り除けなる場合があるということで「旋回窓」が採用される
ケースが少なくない。本州以南では除雪用機関車や北海道から転属してきた機関車で
見かけることがあるが...。
それにしても、窓の回転する部分の桟がヨコに入るバージョンの旋回窓、
素人目には運転士さんにとって、さぞ目障りだったのではないかと思うのだが...
半世紀近く、降雪地でもない茨城県の路線で活躍していて、旋回窓を撤去して
フツーのワイパーに交換しようという話は出なかったのだろうか。
ちょっと謎。でも、その分、貴重なものを見ることができるのである。
【2019年5月12日13時14分】 ひたちなか海浜鉄道湊線・阿字ヶ浦駅
隣は、キハ2005号車。外観が似ている...ということだろうか、引退前に島原鉄道の
“3本ヒゲ”の出で立ちになって。
でも、タイプ的にはキハ22形の私鉄バージョンということでキハ222号車と同様。
こちらは留萌鉄道からの転属車。1966年の新製、69年に茨城交通に転属...と。
この時代の北海道、国のエネルギー政策の転換に翻弄されていたことがわかる。
こちらは僚車が引き取られ、遙か九州の平成筑豊鉄道の金田駅に保存されている。
会いに行きたいとは思っているが、見られるかどうか分からない保存車のために
九州まで往復というのも...
予定では“段落とし”的に次の列車に乗って折り返すつもりだったが、
2両のキハを見終えても、13:19発、キハ11形2連の折返しに間に合ったので...
【2019年5月12日13時25分】 ひたちなか海浜鉄道湊線・平磯駅(後追い)
この日の「感謝祭」、4会場のうち3つ目...つまり、3個目のスタンプ設置駅は
平磯だった。駅は海岸近くにある片面ホームの無人駅。
イベントに合わせて改札要員が配置されているが...
ぬぁんと、イベント会場。駅だとばかりに思っていたら海岸だと言うことで。
(パンフを見ていない証)
「もう、仕方ない!!」
【2019年5月12日13時30分】 茨城県ひたちなか市平磯町付近
5分ほど急な坂道を下っていくと正面には海が見えてきた。
その海岸沿いを少し歩けば...
【2019年5月12日13時36分】 茨城県ひたちなか市平磯町付近
イベント会場に到着である。地元の人たちが集まったテントでは「干し芋」の
無料試食。<変態鉄>も勧められるがままに。
【2019年5月12日13時37分】 茨城県ひたちなか市平磯町付近
夏場は海水浴場として賑わうのだろうか。午後の砂浜。風はあるものの晴れていて。
ノンビリしていたい気もするが、次の勝田ゆきに乗らないとこの日の“メイン”に
出遅れることになってしまう。
行きが下りだったと言うことは、帰りは海岸から駅に向かってずっと上り坂。
【2019年5月12日13時48分】 ひたちなか海浜鉄道湊線・平磯駅
そして、再びの平磯駅である。イチゴと三脚を抱えての坂の上り下り、意外と
疲れるものなのである。
【2019年5月12日14時03分】 ひたちなか海浜鉄道湊線・平磯駅
14:05発の勝田ゆきは3710形2両編成。この列車で向かったのは... (つづく)
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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「忙しい時期」というところで忙しいのは現場の担当者。でも、表から見えない
部分では、その「忙しい時期」を迎える前の時期が忙しいところだって。
自分の担当もそう。「夏休みが一番、忙しいでしょう!!」と周囲から言われるが
その夏休みシーズンを迎える時には仕上がったものが納品されているはずで。
在庫管理とかそういうところで気をもむ場面はあるのだが、たぶん8月には秋以降の
ものの準備に追われているはず。
ということで、6月は忙しい<変態鉄>なのだが、公休日を調整して休みを捻出すべく
それまでに仕事を片付けようと頑張っている。今月末には、先月のリベンジ。
【2019年5月29日18時08分】 只見線・会津高田-根岸
(“ギラリ”させる予定だったのに...)
朝晩にしか見られないキハ40形だけの4連運行を。何とか、その走行写真を撮りたい
と思っているのである。
それまでに溜まっている撮影記を一挙、放出っ!! (← 「はなてん」では無い)
引き続き、5月12日の「ひたちなか海浜鉄道開業記念祭」。キハ205の運行区間とは
違う、終着・阿字ヶ浦駅に、わざわざやって来たのは...
…… ……
2019年5月12日(日)晴れ
現在の阿字ヶ浦駅はホームも短縮され、駅自体もホンのちょっとだけ移転したはず。
いまは1面1線の棒線式の終着駅...で十分な規模になってしまい、ホームにも
フェンスが目立つのだが...
【2019年5月12日13時13分】 ひたちなか海浜鉄道湊線・阿字ヶ浦駅
使われなくなった側線部分にキハ222号車が保存(というか、残念ながら実質、放置)
されているのである。
他の保存車でも問題になるわけだが、どうしても海沿いに展示されている鋼製車は
急速に腐食が進行し、数年でボロボロに朽ち果てるもの。確か、このキハ自体、
湊線の応援団が中心になっている“鉄道神社”の「ご神体」だったはず。
大がかりな整備を行うのにクラウドファンディングでもやってくれたら、喜んで
応じたいと思っているが...。何と言っても貴重な炭礦鉄道キハの生き残りである。
この“元ネタ”でもあった国鉄キハ22形は、JR北海道に承継され平成に入っても
活躍を続けていた。でも、“タッチの差”くらいで撮ることも乗ることも叶わず。
【2019年5月12日12時21分】 ひたちなか海浜鉄道湊線・那珂湊-殿山
この日、撮ったキハ205号車は、水島臨海鉄道に来るまでは国鉄キハ20形。
その国鉄「20形ディーゼル動車」の北海道耐寒耐雪バージョン(の量産仕様)が
キハ22形。それの“コピー”が羽幌炭礦鉄道のキハ222号車だったわけで。
【2019年5月12日13時15分】 ひたちなか海浜鉄道湊線・阿字ヶ浦駅(キハ222車内)
車内は茨城交通時代にワンマン化されて、デッキとの仕切り壁が撤去されている。
左隅に見える丸いものは車内放送のスピーカー。何だか懐かしいタイプである。
茨城に来てから半世紀近く活躍しただけに、後天的にいろいろと改造されているが
それでも、その“北海道らしさ”は残っている。
外観では客扉を車端部に寄せてデッキ付きとしたこと、小ぶりな窓はオリジナルでは
「二重窓」である。
【2019年5月12日13時15分】 ひたちなか海浜鉄道湊線・阿字ヶ浦駅(キハ222車内)
板張りの床は北海道仕様でだけ長らく残されていた。一般的なディーゼル動車では
昭和30年台の車輌ではリノリウム張りになっている。何でも厳冬期には板張りの
方が良いのだとか...
【2019年5月12日13時14分】 ひたちなか海浜鉄道湊線・阿字ヶ浦駅(キハ222車内)
多くの方が訪れるので、それほどゆっくり観察できる状況でもないのだが、
運転台回りは、キハ20系らしいというか、この世代のキハで標準的に見られるもの
だと感じた。でも、このキハの最大の特徴は...
【2019年5月12日13時16分】 ひたちなか海浜鉄道湊線・阿字ヶ浦駅(キハ222車内)
運転台窓にコレが残っていること。これは、国鉄キハ22形には見られなかった
特長でもある。そう「旋回窓」。船に見られるものだが、北海道では機関車などで
多くの採用例がある。円形の窓自体が回転し、その遠心力で雪や水滴を吹き飛ばす
というもの。ワイパーでは払拭した雪の塊が窓の端に徐々に溜まってしまい、
可動域が狭くなったり、その雪の塊がワイパーの動きに対して抵抗になったりと、
最悪、窓の雪が取り除けなる場合があるということで「旋回窓」が採用される
ケースが少なくない。本州以南では除雪用機関車や北海道から転属してきた機関車で
見かけることがあるが...。
それにしても、窓の回転する部分の桟がヨコに入るバージョンの旋回窓、
素人目には運転士さんにとって、さぞ目障りだったのではないかと思うのだが...
半世紀近く、降雪地でもない茨城県の路線で活躍していて、旋回窓を撤去して
フツーのワイパーに交換しようという話は出なかったのだろうか。
ちょっと謎。でも、その分、貴重なものを見ることができるのである。
【2019年5月12日13時14分】 ひたちなか海浜鉄道湊線・阿字ヶ浦駅
隣は、キハ2005号車。外観が似ている...ということだろうか、引退前に島原鉄道の
“3本ヒゲ”の出で立ちになって。
でも、タイプ的にはキハ22形の私鉄バージョンということでキハ222号車と同様。
こちらは留萌鉄道からの転属車。1966年の新製、69年に茨城交通に転属...と。
この時代の北海道、国のエネルギー政策の転換に翻弄されていたことがわかる。
こちらは僚車が引き取られ、遙か九州の平成筑豊鉄道の金田駅に保存されている。
会いに行きたいとは思っているが、見られるかどうか分からない保存車のために
九州まで往復というのも...
予定では“段落とし”的に次の列車に乗って折り返すつもりだったが、
2両のキハを見終えても、13:19発、キハ11形2連の折返しに間に合ったので...
【2019年5月12日13時25分】 ひたちなか海浜鉄道湊線・平磯駅(後追い)
この日の「感謝祭」、4会場のうち3つ目...つまり、3個目のスタンプ設置駅は
平磯だった。駅は海岸近くにある片面ホームの無人駅。
イベントに合わせて改札要員が配置されているが...
ぬぁんと、イベント会場。駅だとばかりに思っていたら海岸だと言うことで。
(パンフを見ていない証)
「もう、仕方ない!!」
【2019年5月12日13時30分】 茨城県ひたちなか市平磯町付近
5分ほど急な坂道を下っていくと正面には海が見えてきた。
その海岸沿いを少し歩けば...
【2019年5月12日13時36分】 茨城県ひたちなか市平磯町付近
イベント会場に到着である。地元の人たちが集まったテントでは「干し芋」の
無料試食。<変態鉄>も勧められるがままに。
【2019年5月12日13時37分】 茨城県ひたちなか市平磯町付近
夏場は海水浴場として賑わうのだろうか。午後の砂浜。風はあるものの晴れていて。
ノンビリしていたい気もするが、次の勝田ゆきに乗らないとこの日の“メイン”に
出遅れることになってしまう。
行きが下りだったと言うことは、帰りは海岸から駅に向かってずっと上り坂。
【2019年5月12日13時48分】 ひたちなか海浜鉄道湊線・平磯駅
そして、再びの平磯駅である。イチゴと三脚を抱えての坂の上り下り、意外と
疲れるものなのである。
【2019年5月12日14時03分】 ひたちなか海浜鉄道湊線・平磯駅
14:05発の勝田ゆきは3710形2両編成。この列車で向かったのは... (つづく)
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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昔は休みを調整して時間をつくって遠征に出掛けてました。今は休みの日は家族サービスに追われて、4歳になった子どもと一緒に理由を作って出掛けてます。でも父親に似てチョロチョロ動き回りますので、気が休まりませんね。
by UZ (2019-06-13 09:54)
UZさん
コメントありがとうございます。
そこは、独りものの気楽さというか...とりあえず、仕事をやっつけてしまえば、あとは何でもアリ。UZさんのお嬢さんも、どんどん大きくなっていきますね。UZさんのブログ、楽しみにしております。
by ferrum_queserasera (2019-06-13 12:27)