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令和の「ことでんレトロ」(14)讃岐で情熱の赤。<長尾線 その2> [ことでん旧型たち [高松琴平電鉄]]

  ♪ 窓に西陽が~ 当たる部屋は~

2月1日に引っ越してきて早4ヶ月が過ぎようとしている。まぁ、最寄り駅が2駅だけ、
渋谷に近づいた...というだけで、生活環境などはほぼ変わっていないのだが...。

当初想定していたより安い家賃で、全体的には満足感が高いいまの部屋なのだが
唯一の悩みが、冒頭の詞。「あなたの匂い」はするはず無いのだが、それにしても
16~17時台は辛いのである。これから真夏になると、もっと大変かも...。

それにだけ怯えているのである(笑)。日付変わって昨日、日曜日は仕事がお休み。
溜まっている仕事を自宅で片付けよう...と勇んで原稿を持ち帰ってきたのだが、
まったくといって良いほど進まず。トランプ大統領が来て、大騒ぎ、一種、異様な
雰囲気に見えた大相撲千秋楽をTVで視て...。そのままゴロゴロしていたら
いつしか夜も更けて。相変わらずダメダメな生活なのである。

さて、ブログの方は引き続き、5月4日の「ことでん」、高松琴平電鉄撮影記。

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【2019年5月4日7時47分】 高松琴平電鉄長尾線・公文明-長尾

もともと路面電車に端を発する長尾線は、長らく18 m級車体をもつ電車の入線が
できなかったが、2001年の民事再生法適用をキッカケにして生まれ変わった
ことでん、長尾線に残った旧型電車の定期運用を廃止するべく、改修工事を行って
ようやく琴平線同様の18 m級車輌の運行が可能になった。
(同時に、それが「レトロ電車」の定期運用の終焉を意味していたのだが...)

冷房付き電車への置き換えとともに、路線別カラーへの統一が図られて...

長尾線は緑色の電車。琴平線所属の「還暦の赤い電車」が長尾線にやってくるのは
通常“あり得ないこと”なのである。
(車輌不足で、ごく稀に琴平線の電車が応援にいくことはあるそうなのだが...)

でも、悩ましかったのは...
……  ……

その“スジ”である。8時前に出発して、長尾駅が8時半、9時過ぎに瓦町に戻る
という1往復だった。

探してみると長尾線内に「午前中順光」という撮影地は意外と少なくて。
だから、ちょっと期待していた、公文明-長尾の中間付近の小さな鉄橋...

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【2019年5月4日6時52分】 高松琴平電鉄長尾線・長尾-公文明

でも、約20年ぶりに訪れたら、18 m級車体2両だとちょっと難しくて。

あまり時間の余裕もなく。とりあえず撮れる場所を探そうと。


2019年5月4日(土)晴れ

鉄橋を過ぎて線路沿いの生活道路を進んでいくと、ほどなく住宅街の中の踏切。
向かい側の通信用ケーブルがちょっと気になるのだが...

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【2019年5月4日7時23分】 高松琴平電鉄長尾線・公文明-長尾

あと30分くらいで少しは車体側面にも光が回ってくるだろうか!?
踏切カブリツキには自分と“先客”が1名。

光線状態も良い訳では無く。でも、<変態鉄>にはこの場所を選ぶことに、
ちょっとだけ“こだわり”があった。

長尾線は路面電車に起源をもつだけあって駅間距離が非常に短いことも特徴の1つ。
公文明駅から歩いてきたわけだが、この踏切で振り返れば、すぐ目の前に長尾駅。
そんなロケーションなのである。

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【2019年5月4日7時30分】 高松琴平電鉄長尾線・長尾-公文明(後追い)

先ほど、長尾駅に到着する下り電車を撮ったカットでは、その“こだわり”が
生きてこないのである。カメラを少し下げて。三脚を低めに変えて腰をかがめて
カメラのファインダーを覗くような感じで。

折返しの高松築港ゆきは、何とか、その“こだわり”も。

その“こだわり”とは...

右を広く開けていること。お椀型の、讃岐地方に特有の余りにも急傾斜の山容。
上の方が安山岩質、下の方が花崗岩質で両者の浸食され具合の違いでこういう
山容になるのだそうで。

“東讃富士”、白山である。公園のような感じで、山頂は展望台。息を切らしながら
山頂まで登って、「レトロ電車特別運行」を大俯瞰で撮影したのは2年前の
大型連休のことだった(→ こちら)。

ちなみに最寄り駅は長尾線の白山駅。山頂からは平木駅の先から長尾駅付近までを
見ることができる。そう、長尾線沿線を象徴するような存在なのである。

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【2019年5月4日7時47分】 高松琴平電鉄長尾線・公文明-長尾

試し撮りを重ねながら...

琴平線所属の電車が、この日だけ、しかも1往復だけ長尾線にやってくる...ならば
少しでも“長尾線らしい”シーンを撮りたくて。

思いっきりパンタグラフが“串っている”が、ここはその点は気にしないことにして。

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【2019年5月4日8時11分】 高松琴平電鉄長尾線・公文明-長尾

平木駅で交換して下ってきた後続電車は「お~い、お茶」のラッピング車。
これで長尾線の塗色パターンでは一通り撮れたわけだが...

電車が到着する度にどんどんカメラが増えてきて。別に有名な撮影地でもなく
それほどスゴいロケーションでもなく...

でも、皆さん、駅チカということに注目したようで...

この朝、訪れる<鉄>の皆さんが挨拶がてらに口々に言うのは...

「カシオペア、“37”だっていうので、スゴい事になっているみたいですよ~」
かつて上野と札幌を結んでいた豪華特急寝台「カシオペア」は現在はクルーズ列車
として不定期運行されている。それは知っていたが、中央線経由で信州方面に
運転されているのだとか...。それを青い本来の塗色に戻ったEF64 37号機が牽く
ということで“徹夜組”を含めて長野県方面の撮影地という撮影地には全国から
<鉄>が集結して、大変な事態が起こっている...と、SNSの画面を見せてくれたり...。
ちなみに、同じ<鉄>でありながら、“カシオペア”と聞いて、
一瞬「何のこと!?」となってしまうのが自分。趣味の方向性が極めて偏っている。

さて...

小さな踏切、最終的には10名超がカメラを構えて。

「あぁ、方向幕、白幕ですよ~~」、遠くから近づいてくる“還暦の赤”、
超望遠でいち早く覗き込んだ人から...

でも...

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【2019年5月4日8時24分】 高松琴平電鉄長尾線・公文明-長尾

ちょっと気の早い車掌さんだったのが幸いしたのである。そう、長尾駅のすぐ手前に
位置している踏切。終着駅に着く前に、フライング気味に“幕回し”を行って
くれたのだった。だからヘッドライトも点いていて、下り電車でありながら
「瓦町ゆき」を表示していて。ちょっと不思議なシーンが撮れたのだった。

ちなみに...

向こうに見える白山、その山頂には祝日になると日の丸が掲揚される。
残念ながら、それはほとんど見えなかった。

さて、そんな撮影成果を確認しているヒマなど無かった。
長尾駅に8:24着の“還暦の赤い電車”、すぐに8:30発の瓦町ゆきとして折返し。
単線ながら日中は20分サイクルのダイヤ設定になっている長尾線、琴平線と線路を
共有する瓦町-築港間のことを考えると、イベント列車のスジを設定するために
定期電車のダイヤを調整するのは困難で...。朝ラッシュ時に設定されている
「土休日運休」のスジに載せるしか長尾線で臨時電車を走らせる余地は無さそうで。

そんなことから、例年、5月の大型連休のイベント時、長尾線での「特別運行」は
現行ダイヤで言えば、

  第2211列車(瓦町 7:43発)→ 第2216列車(長尾 8:30発)

の1往復になるケースが多いみたいで...。

わずか6分間、大急ぎで戻ってきたのは先ほどの小さな鉄橋である。
後追いながら橋台のところから“カブリツキ”で。

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【2019年5月4日8時30分】 高松琴平電鉄長尾線・長尾-公文明(後追い)

でも、遠ざかっていく電車を確実におさえるのはなかなか難しく。
線路のすぐ近くで撮ることになるので、思った以上のスピードで。すっかり
シャッターチャンスを逃してしまって...、思いっきり“撃沈”だった。

ちなみに、平木駅近くの新川鉄橋が有名だが、この鉄橋も一部に“階段橋脚”が
残っているのである。それを入れたつもりだったのだが...

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【2019年5月4日8時43分】 高松琴平電鉄長尾線・公文明駅

兎にも角にも、これで長尾線の特別運行は終了。“還暦の赤い電車”はすぐに
琴平線での特別運行が行われる訳で。もちろん、自分も“転戦”。

公文明駅 8:44発の第2016列車で瓦町駅へと戻るのだった。

休日の朝の電車。車内は地元の方より、一目で分かる<鉄>の方が多くて。
瓦町駅に着くと皆さん、カメラ片手に...と思いきや、殺気だった感じで一気に
猛スピードでエスカレータを駆け上がって...

隣の琴平線ホームになだれ込むのだった。よく分からずに、ノンビリと一番後ろから
エスカレータに乗って...

そう、瓦町駅には9:19着、エスカレータでいったん改札階に上がって、再び下りて
向かい側の琴平線ホームから第215列車(滝宮ゆき)が9:20発。コレに乗らないと
仏生山へと戻っていく“還暦の赤”を沿線で撮るのは厳しくなるのだった。

ということに気づいたのは、多くの<鉄>を乗せて滝宮ゆきが出発した後。
事前に撮影計画も考えていない、何ともテキトーなヤツである。

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【2019年5月4日9時23分】 高松琴平電鉄長尾線・瓦町駅付近

無理をしても仕方ない。いったん駅を出て、瓦町FLAGのデッキ...というか2階部分
には線路に沿って人工地盤のようになっていて。その下の薄暗い一帯が、
長尾線電車の留置線になっていて。そこに“還暦の赤い電車”が停車中。

踏切からカメラを構える<鉄>へのサービスだろうか!?

ヘッドライトを点けておいてくれて。斜め前からの編成写真を撮ることができた。

でも、まもなく仏生山に向けて“還暦の赤”の発車時刻。もう撮影地を選ぶ
余地など無かったのである。

……  ……

近くの階段を駆け上がって。瓦町駅ビルが「瓦町FLAG」、改札階、2階の出口を
出るとペデストリアンデッキのようにもなっていて...

そのまま線路上の人工地盤のように100 mほど続いている。花壇とベンチと...
非常階段のような地上へと下りる階段はあるものの、あまり人が通る場所でも
無くて。二人きりの時間を楽しんでいるカップルのヨコを掠めて、カメラを担いだ
ヘンなオッサンが袋小路になっている、その広場の端っこへ向かって...

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【2019年5月4日9時44分】 高松琴平電鉄琴平線・瓦町-栗林公園(後追い)

どこからどう見ても怪しいオッサンだっただろうが、このとき<変態鉄>には
そんなことを気にしている余裕はなかった。

架線柱は気になるが、何とか俯瞰気味に「還暦の赤い電車」を撮ることができて。
ホッと一安心だったのである。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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