冷たい雨降る小湊鐵道へ(3=最終回)遠くで汽笛を聴きながら!? [小湊鐵道キハ200と鉄道情景]
♪ さらばぁ~~ 昴よぉーーー
と歌っていたヒゲのオジサンの歌ではない。次の列車が来るまで1時間ほど。
天気はドン曇り、先ほどまで降っていた雨のせいで地面は泥でグチョグチョ。
列車が来る直前まで、近くの駅のベンチでゆっくりと...

【2019年2月26日13時36分】 小湊鐵道線・上総大久保駅
遠くの方から、かすかに汽笛の音が聞こえてきたような...
疲れている...というか、眠いことも手伝って、
「どうぜ、空耳だろう」と、特に気にすることも無く、誰もいない無人駅のベンチで
ウトウトしていたのだった。
ピィーーー-ーっ!!
イマドキの列車にはない、まるで古典蒸機のような甲高い汽笛...
そして、ハッキリと聞こえてくる踏切機の音。
「あっ!!」、すべてを悟った<変態鉄>だったのである。
「もう少し早く、大カーブの築堤に向かっていたら...」、でも、もう間に合わない。
とりあえず、カメラを構えないと。
…… ……
2019年2月26日(火)雨時々止む
上総大久保駅に移動してきたのは正午過ぎのこと。
“春の訪れを感じさせる穏やかな天気”だったら、楽しい<撮り鉄>なのだが
すっかり“雨男”が定着しつつある<変態鉄>

【2019年2月26日12時13分】 小湊鐵道線・上総大久保駅
こういう天気の日で無いと...、しかも木々が葉を落とす時期のキハ単行で無いと
スッキリ撮れないという撮影地がある。
上総大久保駅から少し坂を下ると県道に突き当たる。
「清澄養老ライン」と名付けられた県道81号線は小湊鐵道線と付かず離れず養老川に
沿って養老渓谷方面、さらには安房天津へと続いている。クルマの通行の多い
片側2車線の県道である。その県道に出て少し歩けば洞門が続いている。
その途中から第4養老川鉄橋がチラッと見える場所があって。
ただ、両岸の木々に遮られ、見渡せるのはキハ1両分が精一杯。「列車写真」的な
撮り方をするのなら、冬場の木々が葉を落とした時期、キハが単行だと分かっている
ときに限って有効な撮影地...といえる。でも、洞門の中から撮るので、
(排ガスと放置されたゴミに囲まれ、環境は良くないが)雨に濡れること無く
撮ることができるというのも、1つのメリットなのである。
と、カメラをセットして待っていると、何かが動いたのである。
急ぎ、EOSくんを三脚から外して、レンズを向けてみれば...

【2019年2月26日12時43分】 小湊鐵道線・養老渓谷ー上総大久保
そう、野生のサルたちが線路上を行ったり来たり。意外と自由に(?)、動き回って。
紅葉の時期など、もっと美しい時期だったら、例えば「里山トロッコ」の機関車だけ
切り取るようなカットで情景重視で撮っても面白そうなのだが、でも、この時期は...

【2019年2月26日12時58分】 小湊鐵道線・養老渓谷ー上総大久保
光風台からここまで乗ってきたキハが、上総中野駅までいって折り返してきたのが
13時の第32列車。川の水面を入れられるような構図で。次の列車は2時間後。
もともと、上総牛久-上総中野間は途中の里見駅だけが上下列車の交換が可能。
列車の設定は日中、だいたい1時間程度の間隔になるのだが...
そこに「里山トロッコ」が予定臨のような形でダイヤが設定されており。
だから、「里山トロッコ」の走らない日は、日中の列車間隔が2時間近く空いて
しまうことになり。次の撮影地を考えるよりも、ちょっと休憩したいと思って
いったん上総大久保駅に引き返したのだった。
上総大久保駅のベンチでゆっくりしていたら、遠くの方から汽笛の音がして...
というのが冒頭の話。山間部のローカル線を撮っていると、思った以上に遠くから
列車の音は聞こえてくるのである。でも、まさか。空耳か大型トラックの警笛の音を
聞き間違えたものだろう...、それくらいに思っていた。

【2019年2月26日13時36分】 小湊鐵道線・上総大久保駅
だんだん近づいてくる音、そして踏切機が作動し始めて。そう、この段階で確信
したのである。時刻は13時半を回り。ちょうど、第503列車「里山トロッコ3号」の
スジに一致するのである。
3月16日から今シーズンの運転も始まっているようで。それを3週間後に控えて
今シーズンの運転に先立つ試運転が行われていたようで。
車掌さんだけ、客室には誰も居ないトロッコ列車は上総大久保駅のホームで
いったん停車し、また再び動き出すのだった。いくら試運転列車とはいえ、
交換可能駅が限られる単線のローカル線では、そう自由にダイヤを設定することは
そもそも不可能である訳で。
いまの「試運転トロッコ」は、第504列車のスジで戻ってくるであろう...というのは
容易に想像できたのだった。

【2019年2月26日14時04分】 小湊鐵道線・上総大久保-月崎(後追い)
急ぎ、大カーブの築堤へ。畦道から撮るのだが、撮影の自由度はかなり高いわけで。
とにかく編成全景が入る撮り方...ということを意識して。
構図の撮り方については、若干、心残りな部分もあるが、とりあえず試運転の記録。
この「試運転トロッコ」は、里見駅でキハと交換するはず。40分ほどで次のキハが。
第29列車である。少しだけ移動して、線路に近づける場所で。

【2019年2月26日14時38分】 小湊鐵道線・月崎-上総大久保
こんどは、この雄大なカーブを広がりが出るように切り取ってみて。
もちろん、列車を思いっきり引きつけても。

【2019年2月26日14時38分】 小湊鐵道線・月崎-上総大久保
そろそろ夕方の下校ラッシュにかかる時間帯。それに対応するためにキハも2両編成。
よく見れば、前側の車輌にはヘッドマークが掲出されており。
でも、最後部は...

【2019年2月26日14時38分】 小湊鐵道線・月崎-上総大久保(後追い)
茂みを抜けて上総大久保駅に進入していくところを後追いで。
こちら側にはヘッドマークが掲出されていないのである。
ここからしばらく、キハは1時間間隔でやってくるのだが、寒いのと、この天気。
もう1本、粘って撮って帰るより、1本早い高速バスで帰った方が...

【2019年2月26日15時12分】 小湊鐵道線・上総大久保駅
いま撮った、ヘッドマーク付き編成の折返しで五井駅へと戻ることに。
でも、何とも皮肉なもので。帰ると決めて列車に乗り込んだ途端に天候は回復して。
何とも良い感じに周囲を茜色に染めていったのである。
そう、エロエロ光線の下でキハを撮るチャンスだったのである。う~ん。

【2019年2月26日16時12分】 小湊鐵道線・五井駅
上総牛久駅で下校の高校生が大挙して乗り込んできて一気に満員になったキハ。
車窓には夕焼けがキレイだった。16:20着、五井駅にはほぼ定刻での到着となた。

【2019年2月26日16時12分】 小湊鐵道線・五井駅
朝とは一転、五井機関区のキハたちは夕陽に照らし出されて車体を輝かせている
のだった。
16:50発のバスタ新宿ゆき高速バスは、浦安を過ぎたあたりから首都高の渋滞に
巻き込まれ。18時半過ぎ、新宿に戻ったのだった。(おわり)
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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と歌っていたヒゲのオジサンの歌ではない。次の列車が来るまで1時間ほど。
天気はドン曇り、先ほどまで降っていた雨のせいで地面は泥でグチョグチョ。
列車が来る直前まで、近くの駅のベンチでゆっくりと...
【2019年2月26日13時36分】 小湊鐵道線・上総大久保駅
遠くの方から、かすかに汽笛の音が聞こえてきたような...
疲れている...というか、眠いことも手伝って、
「どうぜ、空耳だろう」と、特に気にすることも無く、誰もいない無人駅のベンチで
ウトウトしていたのだった。
ピィーーー-ーっ!!
イマドキの列車にはない、まるで古典蒸機のような甲高い汽笛...
そして、ハッキリと聞こえてくる踏切機の音。
「あっ!!」、すべてを悟った<変態鉄>だったのである。
「もう少し早く、大カーブの築堤に向かっていたら...」、でも、もう間に合わない。
とりあえず、カメラを構えないと。
…… ……
2019年2月26日(火)雨時々止む
上総大久保駅に移動してきたのは正午過ぎのこと。
“春の訪れを感じさせる穏やかな天気”だったら、楽しい<撮り鉄>なのだが
すっかり“雨男”が定着しつつある<変態鉄>
【2019年2月26日12時13分】 小湊鐵道線・上総大久保駅
こういう天気の日で無いと...、しかも木々が葉を落とす時期のキハ単行で無いと
スッキリ撮れないという撮影地がある。
上総大久保駅から少し坂を下ると県道に突き当たる。
「清澄養老ライン」と名付けられた県道81号線は小湊鐵道線と付かず離れず養老川に
沿って養老渓谷方面、さらには安房天津へと続いている。クルマの通行の多い
片側2車線の県道である。その県道に出て少し歩けば洞門が続いている。
その途中から第4養老川鉄橋がチラッと見える場所があって。
ただ、両岸の木々に遮られ、見渡せるのはキハ1両分が精一杯。「列車写真」的な
撮り方をするのなら、冬場の木々が葉を落とした時期、キハが単行だと分かっている
ときに限って有効な撮影地...といえる。でも、洞門の中から撮るので、
(排ガスと放置されたゴミに囲まれ、環境は良くないが)雨に濡れること無く
撮ることができるというのも、1つのメリットなのである。
と、カメラをセットして待っていると、何かが動いたのである。
急ぎ、EOSくんを三脚から外して、レンズを向けてみれば...
【2019年2月26日12時43分】 小湊鐵道線・養老渓谷ー上総大久保
そう、野生のサルたちが線路上を行ったり来たり。意外と自由に(?)、動き回って。
紅葉の時期など、もっと美しい時期だったら、例えば「里山トロッコ」の機関車だけ
切り取るようなカットで情景重視で撮っても面白そうなのだが、でも、この時期は...
【2019年2月26日12時58分】 小湊鐵道線・養老渓谷ー上総大久保
光風台からここまで乗ってきたキハが、上総中野駅までいって折り返してきたのが
13時の第32列車。川の水面を入れられるような構図で。次の列車は2時間後。
もともと、上総牛久-上総中野間は途中の里見駅だけが上下列車の交換が可能。
列車の設定は日中、だいたい1時間程度の間隔になるのだが...
そこに「里山トロッコ」が予定臨のような形でダイヤが設定されており。
だから、「里山トロッコ」の走らない日は、日中の列車間隔が2時間近く空いて
しまうことになり。次の撮影地を考えるよりも、ちょっと休憩したいと思って
いったん上総大久保駅に引き返したのだった。
上総大久保駅のベンチでゆっくりしていたら、遠くの方から汽笛の音がして...
というのが冒頭の話。山間部のローカル線を撮っていると、思った以上に遠くから
列車の音は聞こえてくるのである。でも、まさか。空耳か大型トラックの警笛の音を
聞き間違えたものだろう...、それくらいに思っていた。
【2019年2月26日13時36分】 小湊鐵道線・上総大久保駅
だんだん近づいてくる音、そして踏切機が作動し始めて。そう、この段階で確信
したのである。時刻は13時半を回り。ちょうど、第503列車「里山トロッコ3号」の
スジに一致するのである。
3月16日から今シーズンの運転も始まっているようで。それを3週間後に控えて
今シーズンの運転に先立つ試運転が行われていたようで。
車掌さんだけ、客室には誰も居ないトロッコ列車は上総大久保駅のホームで
いったん停車し、また再び動き出すのだった。いくら試運転列車とはいえ、
交換可能駅が限られる単線のローカル線では、そう自由にダイヤを設定することは
そもそも不可能である訳で。
いまの「試運転トロッコ」は、第504列車のスジで戻ってくるであろう...というのは
容易に想像できたのだった。
【2019年2月26日14時04分】 小湊鐵道線・上総大久保-月崎(後追い)
急ぎ、大カーブの築堤へ。畦道から撮るのだが、撮影の自由度はかなり高いわけで。
とにかく編成全景が入る撮り方...ということを意識して。
構図の撮り方については、若干、心残りな部分もあるが、とりあえず試運転の記録。
この「試運転トロッコ」は、里見駅でキハと交換するはず。40分ほどで次のキハが。
第29列車である。少しだけ移動して、線路に近づける場所で。
【2019年2月26日14時38分】 小湊鐵道線・月崎-上総大久保
こんどは、この雄大なカーブを広がりが出るように切り取ってみて。
もちろん、列車を思いっきり引きつけても。
【2019年2月26日14時38分】 小湊鐵道線・月崎-上総大久保
そろそろ夕方の下校ラッシュにかかる時間帯。それに対応するためにキハも2両編成。
よく見れば、前側の車輌にはヘッドマークが掲出されており。
でも、最後部は...
【2019年2月26日14時38分】 小湊鐵道線・月崎-上総大久保(後追い)
茂みを抜けて上総大久保駅に進入していくところを後追いで。
こちら側にはヘッドマークが掲出されていないのである。
ここからしばらく、キハは1時間間隔でやってくるのだが、寒いのと、この天気。
もう1本、粘って撮って帰るより、1本早い高速バスで帰った方が...
【2019年2月26日15時12分】 小湊鐵道線・上総大久保駅
いま撮った、ヘッドマーク付き編成の折返しで五井駅へと戻ることに。
でも、何とも皮肉なもので。帰ると決めて列車に乗り込んだ途端に天候は回復して。
何とも良い感じに周囲を茜色に染めていったのである。
そう、エロエロ光線の下でキハを撮るチャンスだったのである。う~ん。
【2019年2月26日16時12分】 小湊鐵道線・五井駅
上総牛久駅で下校の高校生が大挙して乗り込んできて一気に満員になったキハ。
車窓には夕焼けがキレイだった。16:20着、五井駅にはほぼ定刻での到着となた。
【2019年2月26日16時12分】 小湊鐵道線・五井駅
朝とは一転、五井機関区のキハたちは夕陽に照らし出されて車体を輝かせている
のだった。
16:50発のバスタ新宿ゆき高速バスは、浦安を過ぎたあたりから首都高の渋滞に
巻き込まれ。18時半過ぎ、新宿に戻ったのだった。(おわり)
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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