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朽ちゆくナメクジと「キハ」(流山市総合運動公園の保存車)<前編> [保存車・廃線跡]

木曜日は、久々の公休日。「休日返上で仕事の遅れを取り戻すべき」という無言の
圧力を感じつつだったかどうかは別として、来週、火曜日からの出撃に備えて
スノーブーツを買いに新宿に向かうはずが...

なぜか、<変態鉄>は北千住駅からTX線に乗って。

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【2018年11月29日13時03分】 千葉県流山市・流山市総合運動公園

本当はここに来るつもりは無かったのだが...

“魔が差した”というのだろうか、駅の周辺案内図を見て。衝動的にそちらに
フラフラと向かってしまったのである。

でも、ココ。“ナメクジ”を撮りたい<鉄>な方にとっては、曇りの日の訪問を
お薦めしたいと思う次第。快晴の午後に訪れた<変態鉄>、ガッカリな結果に
終わったのだが...

……  ……

2018年11月29日(木)晴れ

13時、<変態鉄>は北千住駅から、つくばエクスプレス線に乗って。

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【2018年11月29日12時31分】 つくばエクスプレス線・三郷中央駅

全線が高架と地下トンネル、踏切も無く、撮影地...というよりも、列車の全景を
撮ることができる場所自体、ほとんど無い路線でもあり。

駅撮りしようにも高いホームドアが設置されていて。悪戦苦闘したのだった。

そして、やって来たのが流山セントラルパーク駅。

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【2018年11月29日12時56分】 千葉県流山市前平井付近

駅は新興住宅地の中といった感じ。駅近くには真新しい建物と、緑が残っていて...
大通りに出て横断歩道を渡ると、小さな立て看板。

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【2018年11月29日13時03分】 千葉県流山市前平井付近

何だか「公園」というよりは工事現場のような...

1人で入っていくのをちょっと躊躇ってしまいそうな、そんな雰囲気の所に入って
行くと、やがて公園内に出た。たぶん、公園の裏のような場所から入ってしまった
ようで。広い芝生の広場や、テニスコートや野球場など、運動公園らしい感じで。

かなり広大な公園のようだが...
その割に園内の案内図のようなものが一切無くて。園内をウロウロと歩き回ると...

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【2018年11月29日12時58分】 千葉県流山市・流山市総合運動公園

まもなく。アスレチックのような遊具の後ろに、そう、D51のテンダーの姿が
見えてきた。

いやいや、山口線に行けばD51型が「旧型客車の新車」を牽いて活躍中。
それ以前に、関東でも群馬県まで行けばD51 498号機の活躍を撮ることが可能。
動いている...生きている姿を撮れるのに、何をわざわざ保存機を!?

ということで、<鉄>として、テキトーな説明をば。

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【2016年12月11日11時38分】 真岡鐵道・真岡駅「キューロク館」

国鉄の蒸気機関車の代名詞とも言えるのが、D51形式、デコイチ。
貨物用機関車ではありながら幹線・亜幹線の主力機として、北海道から鹿児島まで
全国で活躍した。国鉄用だけでも1,000機以上が製造されており...

ただし、戦時中の複雑な事情もあって...

新製が始まった昭和初期、すでに国内メーカーでの蒸気機関車の製造技術は
世界的レベルに達していたとされる。そんな中、D51形式は、
1935年(昭和10年)から1944年(昭和19年)までの長きにわたって製造された。
もちろん、製造が長きにわたれば現場からの要望や新たな装備...、
少しずつ、仕様が変わっていくのは、いろいろな形式で見られる現象だが。

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【2017年2月25日16時38分】 真岡鐵道線・真岡駅

D51蒸気機関車の仕様の違い...特に、外観の違いとして目を引くのはドーム部分。
真岡駅構内に保存されている、146号機は標準的な姿のドーム。

除煙板(デフレクタ)は切り詰められた北海道仕様だが、ドームは煙突の後ろに
ボコッと丸い感じのが。この丸っこいのが標準仕様。大多数の個体はこの姿で
新製されている。

でも...

最後の方、4ケタの番号になってくると既に戦時体制、それも、かなり厳しい状況。
金属が足りず、工場も熟練工が召集されて戦地に送られ...
「簡易設計」に移っていったのである。

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【2016年7月2日14時57分】 神戸市中央区・神戸駅前付近

1072号機は神戸駅前に保存されている。こちらのドームは角張った形をしており。
戦時設計の姿を残している保存機もちょっと貴重な存在なのだが...。
ちなみに、この角張った形は、通称「かまぼこドーム」。

でも、変わり種のドームは、末期の戦時設計だけでは無かった。
最初の100番まで(一部に例外あり)は、昭和10年台の鉄道車両全般に大流行した
流線型を取り入れたデザインになっていた。

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【2018年11月29日13時03分】 千葉県流山市・流山市総合運動公園

そう、流山市総合運動公園の保存機は「D51 14号機」。
側面から見ると、その特徴がわかりやすいのである。
煙突と一体化されたドーム、こちらは「ナメクジ」と呼ばれている。

現在、動態で残っているD51の中に「ナメクジ」は含まれていないのである。
<変態鉄>としては、この何とも言えない造形が好きなのだが...
(ちなみに、「スーパーナメクジ」と呼ばれるタイプもあるのだが...)

このタイプは、つくば市内の交通公園にある個体と、あと、津山の保存機を
紹介したことがあるのだが...

どちらも保存場所の関係もあって、その特徴的な姿を十分に記録することは
難しかった。現役時代は知らなくても、大好きな「ナメクジ」の姿を撮りたくて。

高いフェンスの向こうに、確かに「ナメクジ」が居た。

保存機がフェンスで囲まれて近づけなくなっているのは全国的にも珍しくない。
レンズフードを外して、柵の隙間に押し込んで...、それでもダメな時はコンデジ。
これで何とかなるのだが...

でも...

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【2018年11月29日13時07分】 千葉県流山市・流山市総合運動公園

「逆光」という言葉は、この蒸機のためにあるのではないか...と思わせるほど。
こういうときは“ハンドフード”、レンズの上に手をかざすことで、何とか
フレアの発生を抑える...という方法があるのだが。

そんな、やさしいものでは無かったのである。
ここは曇天の日に訪れないと、デコイチの姿を撮ることは無理そうな...う~ん。

でも、もうちょっとだけ悪戦苦闘してみたのだった。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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