8月の富山に「ちてつ」を追って(8)常願寺川鉄橋にて <前編> [雷鳥色の電車たち[富山地鉄]]
その知らせは、あまりにも急だった。「いつか、撮りに行こう」という候補に
入っていた中の1つでもあって...
夏の運休期間に入る前に「大正型電車101号」の方は撮りに行ってくることができた。
そう、6月の広島に撮りに訪れた広島電鉄の“レトロ電車”。
【2018年6月24日10時58分】 広島電鉄江波線・江波-舟入南町
冬のシーズンには「ハノーバー電車」が走っていたはずだが...
数日前、ひろでんの公式サイトに“運行終了”が発表されていた。
ICカード非対応のためというのが理由に挙げられてはいたものの、「お別れ運転」
なども特に行われないようで、発表済みの今期の運転も打ち切るとのこと。
<変態鉄>が“レトロ電車”を撮ることができたのは夏期の運休期間に入る前の
最後の日曜日。「撮っておいて良かった」ということかも知れないが、でも...
「いつまでも、あると思うな~」というのは、<変態鉄>にも当てはまること。
“いつか撮りたい”は<鉄>として絶対にダメ。撮りたいものがあったら、すぐに
駆けつけないと、いつ撮れなくなるかわからないということ。
それは地鉄電車も代わらないのかも知れない。“深読み”が過ぎるかも知れないが
東京でのオリンピック開催に伴い、関東の某私鉄で大規模な車両の世代交代が
行われるのだとか。その際に廃車となる電車たちは、各地方私鉄への譲渡が
有力視されているのだが、地鉄はその私鉄の電車を先般譲受しており...
何だか、その“第2陣”を迎えるべく準備が進んでいるとかいないとか。
地鉄の在来型電車では鉄道線唯一の非ワンマン編成、10025-10026編成を“主役”
にしたイベントが開催されるということは...、やはり気がかりなのである。
そんな中、モハ10026号車を先頭に走るシーンは絶対に撮り逃したくないわけで...
…… ……
2018年8月26日(日)晴れ
2両編成の連結面側にパンタグラフがある10020形編成...
【2018年8月26日8時18分】 富山地鉄本線・越中三郷-越中荏原(後追い)
“串パン”を回避したら、ちょっと遠めになってしまって何だか迫力に欠ける
中途半端な1枚になってしまった。撮影機会はあと3回、普段なら気持ちばかりが
焦ってしまうものだが、なぜか、この日の<変態鉄>は、自分でも不思議なくらい
落ち着いていた。いま撮った画像を見直して、ファインダーの中で架線柱の位置を
調整して次の撮影機会に備えて。
【2018年8月26日8時31分】 富山地鉄本線・越中三郷-越中荏原(後追い)
宇奈月温泉駅を7時に出発した第118列車だろうか、轟音とともに常願寺川を渡って
富山市街地へと向かっていくのは“60かぼちゃ”。降雪期を除けば、編成端の
パンタグラフ1基を上げており、下り電車の時に、いわゆる“前パン”になる。
ちなみに、フツーの<鉄>の間では“前パン”は迫力があるとして
喜ぶ人が多いのだが、<変態鉄>はパンタが連結面にある方が好き。
そういうところも、フツーの<鉄>な皆さんと合わないのである。
(撮影地で、ご一緒した<鉄>の皆さんとの会話が噛み合わなくて困ってしまうタイプ(笑))
そして...
【2018年8月26日8時34分】 富山地鉄本線・越中荏原-越中三郷
この間、鉄橋の向こう側にある越中荏原駅で待っていたわけで。
第118列車が通り過ぎると、今度はモハ10025-モハ10026編成が。今度は前面に
ヘッドマーク...というか、懐かしの方向板が掲出されており。
ちなみに、いまでも電鉄富山駅などに常備されていて、電車の方向幕が故障した
場合だけ前面に方向板が掲げられる。地鉄電車のイベントでは「方向板掲出」は
毎回恒例。実際に、この区間を走る下り列車として「寺田経由岩峅寺ゆき」は
十分あり得る行き先で。昭和の頃には毎日のように見られた光景だったのだろうか。
ちなみに、後ろ側、モハ10025号車の後ろに見えている背の高いビルはインテック
本社ビル(のはず)。富山駅北にできた大きなビルの存在が、この写真が21世紀に
撮られたものであることを主張しているが、それがなければ...
自分にとっては、ほぼ思い通りの1枚となって。これでちょっとホッとした。
【2018年8月26日8時34分】 富山地鉄本線・越中荏原-越中三郷
もちろん、そんなことを思う前に。三脚からEOSくんを下ろしてサイドがちに。
この整った窓配置、昭和30年台、日本車輌製造でつくられた私鉄「ロマンスカー」
シリーズの最後の生き残り。正面2枚窓の“湘南顔”、2扉でユニットサッシの
客窓がズラッと並んだ側面、古き良き時代の私鉄特急である。
そして...
【2018年8月26日8時37分】 富山地鉄本線・越中三郷-越中荏原(後追い)
何だか空はスカッとした、まさに“スカイブルー”。
ただ、適度に白い雲が沸いており、そんな情景と常願寺川の広い河川敷を入れて
広々とした風景を表現してみようと...
お目当てのモハ10026-モハ10025編成が、思い通りに撮れたことに気をよくして、
撮りながら、だんだん気持ちに余裕ができてきたのである。
折しも通過していくのは、もとレッドアローの普通電車。立山からの第310列車
である。
と...
あの音がして、空を見上げれば...
【2018年8月26日8時39分】 富山県富山市水橋開発付近
富山市街地の東側を流れているのが常願寺川、そして、かつては富山市と婦負郡を
隔てて富山市の西端でもあったのが神通川。その神通川の河川敷にあるのが
富山空港なのである。羽田からの富山ゆきANA便は、長野県の松本付近を北上、
糸魚川付近からだろうか、富山湾に出て旋回、ぐるっと回り込むように南に進路を
変えて、神通川の真上を飛んで富山駅のすぐ近くの上空を通過、北陸自動車道を
跨いだら河川敷にある滑走路に着陸である。
ということで、富山市街地の真上には、朝一番に羽田を発ったNH313便だろうか。
トリトンブルーの機体、垂直尾翼のANAのロゴが確認できる程度の近さである。
画像を拡大してみると、すでにランディングギア(というか車輪)が顔を出して
いることも確認できる。
撮影しているときに上空にヒコーキが来ると気になってしまう<変態鉄>、
でも、望遠300 mmではヒコーキを撮るには物足りないのである。
…… ……
先ほどの写真、インテック本社など富山市中心部の高層ビルが電車の後ろに
見えるのがちょっと気になって。あと、せっかく常願寺川の川岸で撮りながら
川の流れが見えないというのも...
【2018年8月26日8時46分】 富山地鉄本線・越中荏原-越中三郷
「あれ、もう通過しちゃったの!?」
周囲で撮っていた人たちから、そんな声が上がった。予定よりも数分早く
下り撮影会列車が通過!?
否、こちらは「20形」のもう1本。モハ14722-クハ172編成の方だった。
宇奈月温泉ゆき第121列車。ビルが見えないように少しローアングルに。
堤防から河川敷へと入っていく道路を少し進んだあたりに移動して。
試し撮りの状態だったが、思いのほか、構図もバッチリで。
油断せずに待っていたのが奏功した...といった感じだろうか。
【2018年8月26日8時46分】 富山地鉄本線・越中荏原-越中三郷
もちろん、通り過ぎていく姿、あわててカメラを三脚から下ろしてサイドがちに。
思わぬ形で意外な“収穫”だった。
さぁ、越中舟橋駅で待機していたモハ10025-モハ10026編成が再び越中荏原駅まで。
この鉄橋に戻ってくる時刻。不意に14722編成が出てきて...、でも、それと同じ
構図でカメラをセットして、そのときを待ったのだった。(つづく)
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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入っていた中の1つでもあって...
夏の運休期間に入る前に「大正型電車101号」の方は撮りに行ってくることができた。
そう、6月の広島に撮りに訪れた広島電鉄の“レトロ電車”。
【2018年6月24日10時58分】 広島電鉄江波線・江波-舟入南町
冬のシーズンには「ハノーバー電車」が走っていたはずだが...
数日前、ひろでんの公式サイトに“運行終了”が発表されていた。
ICカード非対応のためというのが理由に挙げられてはいたものの、「お別れ運転」
なども特に行われないようで、発表済みの今期の運転も打ち切るとのこと。
<変態鉄>が“レトロ電車”を撮ることができたのは夏期の運休期間に入る前の
最後の日曜日。「撮っておいて良かった」ということかも知れないが、でも...
「いつまでも、あると思うな~」というのは、<変態鉄>にも当てはまること。
“いつか撮りたい”は<鉄>として絶対にダメ。撮りたいものがあったら、すぐに
駆けつけないと、いつ撮れなくなるかわからないということ。
それは地鉄電車も代わらないのかも知れない。“深読み”が過ぎるかも知れないが
東京でのオリンピック開催に伴い、関東の某私鉄で大規模な車両の世代交代が
行われるのだとか。その際に廃車となる電車たちは、各地方私鉄への譲渡が
有力視されているのだが、地鉄はその私鉄の電車を先般譲受しており...
何だか、その“第2陣”を迎えるべく準備が進んでいるとかいないとか。
地鉄の在来型電車では鉄道線唯一の非ワンマン編成、10025-10026編成を“主役”
にしたイベントが開催されるということは...、やはり気がかりなのである。
そんな中、モハ10026号車を先頭に走るシーンは絶対に撮り逃したくないわけで...
…… ……
2018年8月26日(日)晴れ
2両編成の連結面側にパンタグラフがある10020形編成...
【2018年8月26日8時18分】 富山地鉄本線・越中三郷-越中荏原(後追い)
“串パン”を回避したら、ちょっと遠めになってしまって何だか迫力に欠ける
中途半端な1枚になってしまった。撮影機会はあと3回、普段なら気持ちばかりが
焦ってしまうものだが、なぜか、この日の<変態鉄>は、自分でも不思議なくらい
落ち着いていた。いま撮った画像を見直して、ファインダーの中で架線柱の位置を
調整して次の撮影機会に備えて。
【2018年8月26日8時31分】 富山地鉄本線・越中三郷-越中荏原(後追い)
宇奈月温泉駅を7時に出発した第118列車だろうか、轟音とともに常願寺川を渡って
富山市街地へと向かっていくのは“60かぼちゃ”。降雪期を除けば、編成端の
パンタグラフ1基を上げており、下り電車の時に、いわゆる“前パン”になる。
ちなみに、フツーの<鉄>の間では“前パン”は迫力があるとして
喜ぶ人が多いのだが、<変態鉄>はパンタが連結面にある方が好き。
そういうところも、フツーの<鉄>な皆さんと合わないのである。
(撮影地で、ご一緒した<鉄>の皆さんとの会話が噛み合わなくて困ってしまうタイプ(笑))
そして...
【2018年8月26日8時34分】 富山地鉄本線・越中荏原-越中三郷
この間、鉄橋の向こう側にある越中荏原駅で待っていたわけで。
第118列車が通り過ぎると、今度はモハ10025-モハ10026編成が。今度は前面に
ヘッドマーク...というか、懐かしの方向板が掲出されており。
ちなみに、いまでも電鉄富山駅などに常備されていて、電車の方向幕が故障した
場合だけ前面に方向板が掲げられる。地鉄電車のイベントでは「方向板掲出」は
毎回恒例。実際に、この区間を走る下り列車として「寺田経由岩峅寺ゆき」は
十分あり得る行き先で。昭和の頃には毎日のように見られた光景だったのだろうか。
ちなみに、後ろ側、モハ10025号車の後ろに見えている背の高いビルはインテック
本社ビル(のはず)。富山駅北にできた大きなビルの存在が、この写真が21世紀に
撮られたものであることを主張しているが、それがなければ...
自分にとっては、ほぼ思い通りの1枚となって。これでちょっとホッとした。
【2018年8月26日8時34分】 富山地鉄本線・越中荏原-越中三郷
もちろん、そんなことを思う前に。三脚からEOSくんを下ろしてサイドがちに。
この整った窓配置、昭和30年台、日本車輌製造でつくられた私鉄「ロマンスカー」
シリーズの最後の生き残り。正面2枚窓の“湘南顔”、2扉でユニットサッシの
客窓がズラッと並んだ側面、古き良き時代の私鉄特急である。
そして...
【2018年8月26日8時37分】 富山地鉄本線・越中三郷-越中荏原(後追い)
何だか空はスカッとした、まさに“スカイブルー”。
ただ、適度に白い雲が沸いており、そんな情景と常願寺川の広い河川敷を入れて
広々とした風景を表現してみようと...
お目当てのモハ10026-モハ10025編成が、思い通りに撮れたことに気をよくして、
撮りながら、だんだん気持ちに余裕ができてきたのである。
折しも通過していくのは、もとレッドアローの普通電車。立山からの第310列車
である。
と...
あの音がして、空を見上げれば...
【2018年8月26日8時39分】 富山県富山市水橋開発付近
富山市街地の東側を流れているのが常願寺川、そして、かつては富山市と婦負郡を
隔てて富山市の西端でもあったのが神通川。その神通川の河川敷にあるのが
富山空港なのである。羽田からの富山ゆきANA便は、長野県の松本付近を北上、
糸魚川付近からだろうか、富山湾に出て旋回、ぐるっと回り込むように南に進路を
変えて、神通川の真上を飛んで富山駅のすぐ近くの上空を通過、北陸自動車道を
跨いだら河川敷にある滑走路に着陸である。
ということで、富山市街地の真上には、朝一番に羽田を発ったNH313便だろうか。
トリトンブルーの機体、垂直尾翼のANAのロゴが確認できる程度の近さである。
画像を拡大してみると、すでにランディングギア(というか車輪)が顔を出して
いることも確認できる。
撮影しているときに上空にヒコーキが来ると気になってしまう<変態鉄>、
でも、望遠300 mmではヒコーキを撮るには物足りないのである。
…… ……
先ほどの写真、インテック本社など富山市中心部の高層ビルが電車の後ろに
見えるのがちょっと気になって。あと、せっかく常願寺川の川岸で撮りながら
川の流れが見えないというのも...
【2018年8月26日8時46分】 富山地鉄本線・越中荏原-越中三郷
「あれ、もう通過しちゃったの!?」
周囲で撮っていた人たちから、そんな声が上がった。予定よりも数分早く
下り撮影会列車が通過!?
否、こちらは「20形」のもう1本。モハ14722-クハ172編成の方だった。
宇奈月温泉ゆき第121列車。ビルが見えないように少しローアングルに。
堤防から河川敷へと入っていく道路を少し進んだあたりに移動して。
試し撮りの状態だったが、思いのほか、構図もバッチリで。
油断せずに待っていたのが奏功した...といった感じだろうか。
【2018年8月26日8時46分】 富山地鉄本線・越中荏原-越中三郷
もちろん、通り過ぎていく姿、あわててカメラを三脚から下ろしてサイドがちに。
思わぬ形で意外な“収穫”だった。
さぁ、越中舟橋駅で待機していたモハ10025-モハ10026編成が再び越中荏原駅まで。
この鉄橋に戻ってくる時刻。不意に14722編成が出てきて...、でも、それと同じ
構図でカメラをセットして、そのときを待ったのだった。(つづく)
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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