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北陸のディープ<鉄>を巡る旅(3)土居原ボンネット広場にて <前編> [保存車・廃線跡]

相変わらず蒸し暑い東京の街。夜もよく眠れないし、そんな時期にいろいろあって...
明日か明後日、というか日付変わって今日?? 水曜日(か木曜日)は、とうとう
生まれて初めて「紹介状」なるものを携えて“大学病院”なるところに行かないと。

「予約は受けておりません」ということは...
「ほぼ1日中、待合室のイスで過ごすことを覚悟して来い」というメッセージだろうか。
40歳になって医療費だけが、うなぎ登りの<変態鉄>である。

さて、富山に行ってきたのでしばらく間隔が空いてしまったこの話題。
8月10日のお昼前、<変態鉄>は石川県小松市にいた。

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【2018年8月10日10時13分】 石川県小松市土居原・土居原ボンネット広場

一度、訪れてみたいと気になっていた“土居原ボンネット広場”は、小松駅から
高架の線路沿いに3分ほど進んだところにあった。

……  ……

2018年8月10日(金)くもり

午前中とはいえ、もう全身に覆い被さって襲いかかってくるような猛烈な暑さ。
汗を拭うタオルは、すでに絞れそうな位にべちゃべちゃになっていて。

北陸本線の線路沿いに歩いて行った先で<変態鉄>を出迎えてくれたのは...

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【2018年8月10日10時13分】 石川県小松市土居原・土居原ボンネット広場

メカに疎い<変態鉄>、485系の電動車で使われていた輪軸だろうか!?

車輪の部分には「ボンネット特急型電車 クハ489-501」の文字。

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【2018年8月10日10時14分】 石川県小松市土居原・土居原ボンネット広場

線路に面したちょっとした公園のような場所に、クハ489-501号車が鎮座していた。
ボランティア団体が中心となって車両の管理を行っており、フェンス等はないものの
良好な保存状態を保っている。

...とはいえ、塗装は補修してあるものの露天での保存では傷みも出るようで、
近づいてよく見てみると外板はデコボコになっているのがちょっと気がかり。

まずは外観を見学してみることに。前面には特急「白鳥」のヘッドマークが
掲げられていて、まさに<変態鉄>も見てきた北陸本線の全盛期の姿である。

低い柵があって車体に触れることはできないが、まずは周囲を1周してみると...

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【2018年8月10日10時14分】 石川県小松市土居原・土居原ボンネット広場

デッキ部には、これまた懐かしい車販ワゴンが置かれており。
側面方向幕は「快速 糸魚川-富山」、80年台から90年台にかけて普通列車よりも
485系特急の方がはるかに多く設定されていた北陸本線。

朝晩を中心に特急型電車が快速運用に入っているのは何度か見ている。
当時は、運用を調べてわざわざ乗りに行くような<鉄>活動はしていなかったので
乗った思い出はないが、これまた、何度も北陸本線を利用してきた者として
懐かしのシーンである。

背後に回ってみれば...

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【2018年8月10日10時14分】 石川県小松市土居原・土居原ボンネット広場

貫通扉はJR化後の改修工事でガラスが大きいステンレス製扉に更新されている。
末期の急行「能登」で見たときの姿そのものである。

でも、この写真をよく見てみると...

やはり、保存会が中心になって<鉄>な皆さんが保存活動に中心的に関わっている
だけあって、非常に芸が細かくて。それは左隅に書かれた所属と検査標記。

こういう部分、大抵の保存車なら塗り消してあるか、最後の検査標記、つまり、廃車時
の標記が残っていることが多いのだが、このクハ489-501号車は...

「大ムコ」は国鉄時代の、大阪鉄道管理局向日町運転所に所属する車両を表す標記。
JR化後には社内の組織改編のたびに少しずつ変わっており、いまは「京キト」に
なっているはず。「大ムコ」というのは、このクハ489-501号車の新製配置が「大ムコ」
2年ほどで「金サワ」(金沢運転所)に転属になっている。

検査標記も「46-7 東急車輌」、全般検査を受けた年月と担当した工場名を標記するが
新車が最初の検査を迎えるまでの間だけはメーカー名が標記されている。

つまり、このクハ489-501号車の新製時の標記に戻されていると言うこと。
特に説明もなく、実にさりげなく芸が細かいのである。

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【2018年8月10日10時15分】 石川県小松市土居原・土居原ボンネット広場

これだけ、エラソーに書いている割に訪問前にはあまりマジメにチェックしておらず。
車内公開は土日だけだと思っていたのだが、夏休み期間中とあって平日も公開され。

これはちょっとした“サプライズ”でもあった。

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【2018年8月10日10時15分】 石川県小松市土居原・土居原ボンネット広場

運転室内の見学は有料、でも、懐かしい特急型の客室内に入るだけなら無料である。
もちろん、<鉄>として保存活動へのささやかな協力の意も込めて運転台も後ほど
見学するつもりだが...

この表示、「はくたか」というのは記憶に新しい越後湯沢-金沢間の特急ではない。
国鉄時代、上野-長岡-金沢を結んでいた上越線特急のことである。
自分が幼稚園から小学校低学年の頃、夏休みと暮れ、富山の祖父母宅に向かうときは
いつも信越特急「白山」だった。上野-富山は6時間少々、「はくたか」号の方が
距離は長くても少し速かったのだそうで、<変態鉄>も乗っているらしいのだが、
まったく記憶が無いのである。(物心つく前に...ということ)

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【2018年8月10日10時15分】 石川県小松市土居原・土居原ボンネット広場

車歴についても非常に丁寧にまとめられており。本の中で知っていたことと
自分が実際に見て乗って撮って...直接、体験してきたことが半々ずつ書かれている。

さぁ、いよいよ。

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【2018年8月10日10時38分】 石川県小松市土居原・土居原ボンネット広場

客ドア部分に立てかけられた梯子を登れば、いよいよ車内へ。
デッキ部では、「でーーん」と車販ワゴンが鎮座していて。駅弁の広告類も懐かしい。
“駅ナカ”の充実で「車内販売」自体が“絶滅危惧種”になりつつあるが...

洗面台部分は資材置き場とパンフや記念スタンプのスペースになっていて。
いよいよ、仕切り扉を開けると...

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【2018年8月10日10時22分】 石川県小松市土居原・土居原ボンネット広場

「涼しいっ!!」が第一印象だった。ゴォーーッという冷房機の音。こういう静態保存車
では、車内は電源が使えず灼熱地獄と化していることが多い。でも、この車両は冷房が
効いていて。家庭用エアコンを設置している場合もあって、大宮の鉄道博物館も
フリースペースにいる189系特急型電車なども網棚の所に家庭用エアコンが設置されて
いたと記憶しているが...

どういう仕組みかは聞けなかったのだが、ぬぁんと...、天井のクーラーがちゃんと
稼働しているようで。もしかしたら、“現役最後のキノコ型クーラー”かも。

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【2018年8月10日10時21分】 石川県小松市土居原・土居原ボンネット広場

車内は一部、座席の配置などが変えられているものの、急行「能登」で使われていた
末期の頃の雰囲気が良く残されており。

その車内は北陸地方を中心にした<鉄>関連のアイテムがいろいろと展示されていた。

前方の座席にスタッフの方がいらっしゃって。声をかけて運転台見学の300円を
払えば...(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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