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夏の、広島、倉敷へ(6)百“撮”は一“乗”にしかず!? [イマドキのTRAMたち(路面電車)]

この撮影記、実際に撮ってきたのは6月24日のこと。いまから3週間ほど前である。
その後、いろいろなことがあって...

仕事が忙しい時期を迎えるのは“織込み済み”だったのだが、それにしても...
まさか。このとき訪れた地域を襲った、あの豪雨。拙ブログでも記事中に出てきていた
ような地名をニュースの中で聞くことになって...。
それと自分が体調を崩すとは思わなかった。
(幸い、いまのところ痛みも出ず、金曜から通常通りの勤務をしております)

この日も良く晴れて、ホントに暑かった。

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【2018年6月24日11時25分】 広島電鉄横川線・別院前電停

猛烈な陽射しを浴びながら、「広電101号車」を追った話題、久々に。

……  ……

久しぶりなので、簡単に“おさらい”。
鉄道黎明期の客車は「2軸車」だった。いわゆる“マッチ箱”などと呼ばれたのが、それ。
やがて、車体の前後に台車を付けた「4軸ボギー車」に移っていく。

でも、路面電車は昭和に入っても“2軸単車”の新製も続けられていた。
(もちろん、大型ボギー車の投入も全国の各事業者で行われていたが...)

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でも、路面電車の“単車”たちも路線廃止が続くと、各地でもっと新しいボギー車が
余剰となり、それらが“移籍”してくることで急速に置換えが進んだ。古い車両が多く
保安度も低かった旧型の2軸単車を淘汰する...というのは各地の軌道事業者にとって
当たり前のことだったのかも知れない。

ちなみに、新世代の連接車たちが主力となった「広電」では、ボギー車が“1両で走る”
という意味で“連接車”に対する呼称として“単車”と案内されているから、
ちょっと不思議な...。そんな広電の“正真正銘の単車”が「大正型電車101号車」。

でも、「単車らしさ」を表現する...というのは、なかなか難しいわけで。
サイドがちに写真を撮るのも1つの方法だが、やはり、<変態鉄>としては...

……  ……

2018年6月24日(日)晴れ

この日の2往復目、正午前の江波ゆきが“最終便”となる。それを別院前電停で撮ろうと
決めたのは...

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【2018年6月24日11時24分】 広島電鉄横川線・別院前電停(後追い)

横川駅へと向かっていく“LEX”の左側にも標識がでているが...
別院前電停のすぐ北側には「横川新橋」がある。太田川から枝分かれした流れの1つ、
天満川を渡る橋が架かっている。

さぁ、まもなくやってくる、101号車をこの電停ホーム端で。

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【2018年6月24日11時25分】 広島電鉄横川線・別院前電停

吊り掛け音も力強く、橋梁部分のアーチ状のアップダウン。
望遠レンズで引き寄せて撮れば、電車の屋根の方から少しずつ、その姿が見えてくる...
動画で撮っても面白そうかも...。

ちなみに、写真左隅に見えている灰色の建物はJR横川駅、その上を通っている高架は
新幹線である。残念ながら新幹線との“並びシーン”は撮れなかったが...

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【2018年6月24日11時25分】 広島電鉄横川線・別院前電停

ここで連写していた中の1枚を思いっきりトリミングしたのが、<速報版>のトップ
で使った1枚。電車の床下から向こう側が見えている、これを撮れるのはアップダウンの
あるところだけ。意外と撮れない1枚なのである。

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【2018年6月24日11時25分】 広島電鉄横川線・別院前電停

「停まるまでお待ちくださいっ!!」、オープンデッキの後部運転台に乗務する車掌さん
の声がして...。電車がホームに停車すると車掌さんがデッキ部のチェーンを
外してくれて。運転台がオープンデッキである分、デッキ部と客室の仕切りには
両開きのドアが付いていて。停車すると運転士さんと車掌さんが前後のドアを。



101号車の到着直前、<変態鉄>はICレコーダのスイッチを入れていたのだった。
江波まで録音したうちの、寺町電停から十日市町停車までを貼っておきたい。

「2軸単車」であることが、十日市町到着前に本線と横川線の分岐のポイントを通過する
時のサウンドに現れているのだが...

さすがは大都市の中心部、その大通りの真ん中だけあって、電車の音を掻き消す
ばかりのクルマの音、さらには上空にはヘリまでいるようで。

何とも賑やかなサウンドだが...

余談ながら、放送装置が付いていないのもこの時代の電車の特徴。
仕切り扉を開けて車掌さんが肉声で次の停留所名をアナウンスするのである。

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【2018年6月24日11時34分】 広島電鉄江波線(101号車内)

冷房のない車両だけあって、両側の窓は全開。信号待ちなどで停車すると辛いが、
走っているときは吹き込んでくる風が快適で、なかなか気持ちよいのである。
1段下降窓というのも、レトロ感満載。

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【2018年6月24日11時27分】 広島電鉄江波線(101号車内)

現在...というか、この車両が復元された時から、デッキ部への乗車は認められておらず
両開きの仕切り扉は、走行中は開けることができない。
ちょうど信号待ちのタイミング。仕切り扉越しにカメラを向けると、運転士さんは
ブレーキハンドルに手を置いていて。見ようによっては「ハンドブレーキ常用」。

左隅に見えている吊革だってレトロな仕様、でも、見逃せないのはその左側。
白い紐のようなものが仕切り壁の穴の中に消えている。

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【2018年6月24日11時34分】 広島電鉄江波線(101号車内)

そう、これがベルの引き紐。後部運転台に居る車掌さん、客扱いが終われば引き紐を
引いて前部運転台の運転士さんに発車合図を送る。それが路面電車を指す
「チンチン電車」の由来になったのは有名、でも、この電車のベルの音は「チンチン」
より「ゴンッゴンッ」の方が近いかも...

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【2018年6月24日11時33分】 広島電鉄江波線(101号車内)

そして室内灯は、この裸電球。三つ叉のソケットというのも何とも懐かしい感じ。
いまや蛍光灯を経てLED照明へ。そんな時代の車両としては(夜間の走行はないが)
ちょっと薄暗いという印象になりそう。

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【2018年6月24日11時28分】 広島電鉄江波線(101号車内)

「明治四十一年七月十四日付 廣島縣令第四十七號」と書かれた乗客の心得を
解いた注意書きは、開業当時のものだろうか。いまにも通じそうな注意事項も
書かれている。

……  ……

この“大正型電車”、普通運賃だけで誰でも利用できるはずだが...
車内は自分ともう1~2名しか居なかった。

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【2018年6月24日11時39分】 広島電鉄江波線(101号車内)

冷房がないため...だけではなく、PASPYなど自社のものを含めたICカード乗車券が
利用できないことも一因であるのかと。終始、ゆったりした車内。
あっという間に江波終点が近づいていたのである。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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