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2週連続、こんどは雨の富山へ。地鉄電車を撮りに...(2)射水線の忘れ形見!? [富山で撮った]

4月も下旬に差し掛かってきて。1年は12ヶ月、そのうちの3分の1が過ぎようと。
今年は(も?)、仕事はいろいろとバタバタしているものの、なかなか
前進していると感じられる部分が無いまま、ただただ時間だけが過ぎていく感じ。

まもなく訪れる大型連休は、何とか休みが確保できそうな勢い。
そのときに出撃することを楽しみにしながら。でも、その前に今週は公休がちゃんと
とれそうになってきて。木曜日の晩...というか金曜の未明にアップする記事は
<速報版>になるかもしれない。

1ヶ月に一度はディーゼルの煙を感じに...と言っている<変態鉄>だが、
今年はそれすら“有言実行”にはほど遠い有様で。

でも、前に進むしか無い...と、そんなことを思いながら。

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【2018年4月7日12時41分】 富山県高岡市吉久付近

ブログの方は引き続き、4月はじめの週末、富山での撮影記を。

1両の保存車の話題を2夜にわたって。走っているシーンは見ることが無かったが、
でも、<変態鉄>として...、<富山鉄>として思い入れの強い1両なのである。

……  ……

「富山トヨペット本社前(五福末広町)」という何とも長ったらしい(← 失礼っ!!)
電停が地鉄富山市内軌道線にある。旧国道8号線、市内を貫く幹線道路沿いだが、
高い建物も少なく空が広く見える。ちょっと長閑な“郊外”の印象があるあたり。

少し東に戻れば神通川にかかる富山大橋、西へ進めば富山大学のキャンパスが広がり、
その先は呉羽丘陵を越えて、小杉、高岡へと道が続いている。

そんな「富山トヨペット本社前(五福末広町)」、新幹線開業の直前に電停とバス停の
名前が見直されたのが、それまでは「新富山」だった。

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【2012年3月1日15時04分】 富山地鉄市内軌道線・新富山電停(当時)

そのしばらく前に撮ったこの1枚、かろうじて右隅に見える電停標識に「新富山」の
文字が読み取れる。ちなみに、当時、ここは単線だった。
すれ違って大学前に向かっていく電車が、後ろに見えているのは鵯島(ひよどりじま)
信号所である。富山大橋の架け替えと複線化で風景も大きく変わった。

“新大阪”“新横浜”“新花巻”、そんな新幹線の駅を思い浮かべてしまうような
「新富山」電停、(最近では郊外型店舗が並んでいるが)神通川沿いの長閑な風景に
新幹線の駅名みたいな...、幼い頃に見た<鉄>本の中には「新富山駅前」と記載のある
ものまであって、「駅なんて無いのに、なぜ“駅前”!?」と疑問に思っていた。

でも、そんな「新富山駅」というのは...

かつて神通川の川縁に「新富山駅」というのが実在していたのである。
1980年(昭和55年)、<変態鉄>が2歳の時に全廃となった富山地鉄射水線の
ターミナル駅である。

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【2016年8月27日12時10分】 射水市・海王丸パーク付近

いまでは小杉とか新湊とか...市町村合併で富山と高岡に挟まれたエリアは「射水市」に
なっているが、そんなエリアも通って富山と高岡を結んでいたのが「富山地鉄射水線」。

新富山(現在の富山トヨペット本社前(五福末広町)電停付近)から神通川の西岸を
北に向かい、北陸本線と高山本線をオーバークロしたら神通川と分かれて四方(よかた)
の海岸沿いに出て、あとは富山湾に沿って西へ西へ。越の潟からいまの万葉線のルート、
新湊駅(現在の万葉線・六渡寺電停)に至っていた。

そもそも現在の高岡の路面電車・万葉線も、開業当時は「富山地鉄高岡市内線」。
これが加越能鉄道高岡軌道線になり、第3セクター化されて、いまの万葉線。

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【2016年8月27日11時59分】 射水市・新湊大橋付近(バス車内より撮影)

そんな射水線の廃止への直接のトリガーとなったのは、こちら。1971年(昭和46年)に
掘込式港湾の富山新港が建設されることになり、越の潟と新港東口の間の1駅間が
海の底になってしまって。いまでは、新湊大橋で歩いて渡ることもできるのだが、
東西に分断されてしまい。

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【2016年8月27日12時25分】 万葉線・越の潟電停付近

代替の県営渡船が両岸を結んでいるのだが...

射水線の西側区間は加越能鉄道に編入され、地鉄のまま残った射水線も中途半端な
存在になってしまって。新富山-新港東口間は数年で廃線となったのである。

現在では地鉄バスの14系統、富山駅前から布目経由新港東口ゆきというバスが代替バス
的な存在になって、ほぼ毎時1本運転されている。

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【2018年4月7日12時42分】 富山県高岡市吉久付近

その射水線の主力車だったのがデ5000系列。高床だが路面電車然としたスタイル。
新富山から市内軌道線に入って、富山駅前(当時)を経て西町まで直通していた。

国鉄(当時)の普通列車で20分ほどの区間を富山湾沿いに路面電車で...
当時、西町から新高岡(現在の高岡駅電停)まで乗り通していたのは<鉄>くらい
だろうが、自分もその時代に生きていたら、絶対...

両方の都市部、その市街地では路面上を走り、中間部分は海沿いの郊外私鉄然とした...
「もしも」は禁物だが、富山新港が建設されず、いまも線路が残っていたら、

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【2017年9月1日13時06分】 広島電鉄宮島線・商工センター入口-草津南

こんな路線とか...

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【2013年10月30日8時37分】 福鉄福武線・サンドーム西-家久(後追い)

こんな路線を凌駕するような、かなり面白い路線になっていたかも知れない。

さて、もちろん廃線から40年経とうとしていて、地鉄射水線を走ったデ5000系列、
もちろん残っていないのだが...

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【2012年3月1日12時34分】 万葉線・米島口車庫

富山新港建設に伴う射水線分断の際に高岡側の加越能に譲渡されたうちの1両、
デ5022号車だけは車籍が抹消された後も“除雪用機械”の扱いで米島口車庫に残り、
終電後の線路に融雪剤を散布する作業などに使われていた。

でも、新型除雪車(ディーゼル車)の導入で、2011~12年シーズンが最後の活躍。
引退後も長らく米島口車庫に残されており、アポ無し訪問だったが、お願いして
構内で撮らせてもらったこともあった。

それから数年、米島口車庫からとうとう搬出されたという情報は聞いていた。
しばらくの間「所在不明」のようになっていたデ5022号車、実は整備を受けていて。
現役さながらの美しい状態に復元され(スノープロウなど除雪機器を撤去)、
万葉線・新吉久電停の近くに保存されたという情報が、今年になって。

というわけで。

前置きが長くて、読みづらいことこの上ない記事なのだが...

……  ……

2018年4月7日(土)曇り一時雨

お昼前、富山きときと空港に到着してすぐに直行バスで富山駅前。

この日、富山は10℃を下回る気温。東京ではセーターすらいらない暖かさだったので、
念のためにセーターを持って、ダウンジャケットは宅配便で送っていて。
雨も降ってきて、かなり肌寒かった。

駅北のホテルに荷物を置いたら、再出発。久々に駅北口から富山駅の改札を...

でも、これが勝手が全然違っていて。跨線橋への階段はJR時代のまま。
ただそこからの通路は...、ぬぁんと...、高山本線と、金沢方面のホームは高架化され。
在来線ホームが高架化されたこと自体、知らなかった<ダメ鉄>である。

工事中の仮説通路を抜けてエスカレーターを上がって。

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【2018年4月7日11時57分】 あいの風とやま鉄道線・高岡駅

「あいの風とやま鉄道」になってから初めての乗車。石川県内の区間「IRいしかわ鉄道」
水色の521系電車4連だった。発車直前だったが何とか座れて。
11:42に富山を出た電車、新幹線の高架橋ができたことを除けば、北陸本線のまま。
ほぼ全ての座席が埋まった状態でお昼に高岡駅。新幹線のルートから外れてしまい、
駅は以前より閑散としている印象。かつては北陸本線の特急が全便停車だったが...。

高岡駅も橋上駅舎化されてしまって...

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【2018年4月7日11時59分】 万葉線・高岡駅電停

でも、それにより万葉線の路面電車は0.1 kmだけ延伸され、駅前広場ハズレの駐輪場の
裏のようなところにあった旧高岡駅前電停から駅出口のすぐ横の高岡駅電停に移って。

日中15分毎の万葉線、運悪く12時発の電車に乗り遅れてしまい...
それにしても殺風景な「高岡駅電停」。15分の待ち時間にいろいろ撮ろうと。

でも、あいの風線に乗った頃から、そんな気持ちを打ち砕くくらいの激しい雨。
万葉線も車両や設備の更新が進み、主力車は「アイトラム」と呼ばれる真っ赤な
超低床連接車。ただ、ラッキーなことに日中の全運用を賄うには1~2本足りず、
日中も一部運用に、加越能鉄道時代からのデ7070形が充当されることになっている。

自分が乗る12:15発には、最新の超低床車では無く、旧型の吊り掛け電車が...

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【2018年4月7日12時04分】 万葉線・末広町-高岡駅

とはいえ、外は激しい雨。高岡駅入口の大きな屋根の下、寒さに震えながら、
タクシー乗り場越しに望遠レンズで狙う...という手抜き撮影だが。

さぁ、電車が見えてきたが...、もしかして...

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【2018年4月7日12時05分】 万葉線・末広町-高岡駅

やはりっ!! 何ともラッキーな。
その吊り掛け電車の中の1両、しばらく前に映画のロケの関係で加越能カラーに
塗り戻された車両があった。その加越能色の電車、いきなりのお出ましである。

そんなことに<変態鉄>がコーフンする中、右から曲がり混んでくるのは地鉄バス。
旧8号線経由で富山駅前から高岡駅を経て新幹線の新高岡駅を結ぶ10系統である。

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【2018年4月7日12時05分】 万葉線・末広町-高岡駅

寒さに震えながら、何とか自動車と被らない一瞬の隙を狙って、この1枚。
でも、こんなに離れて撮っていたのには、「傘をさして撮るのが面倒だった」という
以外にも理由があった。

それは...

旧高岡駅前電停があったのは、上の写真の左側の位置。その関係で駅前広場の西側を
大回りして新しくなった「高岡駅」電停に進入してくるわけで。

“1粒で2度おいしい”、走らなくてもフツーに歩けば...

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【2018年4月7日12時07分】 万葉線・高岡駅電停

高岡駅電停のホーム端から進入してくる電車を撮ることができるのである。
つまり、“徒歩追っかけ”可能な線形。それにしても、「無駄を排した」と言えば
良いのだろうが、あまりにも殺風景な。薄暗い上に、何だかガラーンとした印象。

でも、<鉄>として気になるのは、この区間の架線。コレ、もしかして剛体架線!?
子どもの頃、営団地下鉄の“専売特許”だと思っていたのだが...

路面電車で剛体架線というのは、他の例を思いつかない。もしや貴重なシーン!?
日中でも意外と乗客が多いという印象だった。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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コメント 2

Cedar

地鉄射水線は1度だけ乗りました。新富山には市内線との連絡線も残っていて、往時富山西町から高岡まで直通していた時代を偲びました。
by Cedar (2018-04-25 09:25) 

あるまーき

Cedarさん

コメントありがとうございます。
自分が2歳のときに廃止になったことになるので、残念ながら自分は全く覚えて無くて。いまでは新富山駅周辺は変遷が激しく、駅跡だとわかるものは全く見つかりませんでした。
射水線、一度、見てみたかったです。
by あるまーき (2018-04-25 11:44) 

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