春色のキハを探しに(1)サクラの花は!? [小湊鐵道キハ200と鉄道情景]
今日の話題に入る前に。
ふとウェブサイトを覗いてみると、とうとう発表されていた。
2度にわたって、撮りに訪れた「吊り掛け赤電」のさよなら運行。
4月末の大型連休“前半戦”に、3日間にわたって申込制のお別れ運転が行われるそうで。
【2017年7月29日10時52分】 遠州鉄道線・さぎの宮-自動車学校前
2年間にわたって、自分も夏休み限定の「特別運行」に参戦した。
この、さぎの宮周辺には線路沿いに田んぼも残っていて。南北に走る路線は、日中の
光線状態がなかなか難しくて。撮影には苦労したが、乗って撮って楽しんだものだった。
自分と同い年、1978年製というのは、たぶん日本で最後の吊り掛け駆動の新造車。
電気ブレーキを常用するタイプ、駅間は短いので、高速走行は期待できないものの、
床下からはモーターの唸るようなサウンド。申込みメールを送るかどうか、迷い中。
ここ数年、撮りたかった列車たちの“勇退”が続いており。
どれだけ撮り慣れていても、引退の報を聞くと慌ててしまうもので。そうならないよう、
撮れるうちに撮っておくことが大切だと思っているのだが...
ということで、いまのところ、具体的な置換え計画は発表されていないが...
全国でも、これほど多くのDMH17系エンジンを装備したディーゼル動車を運用している
路線も全国でここだけになった。いまのうちに、撮って録って、しておかないと。
3月27日、今月最後の公休日、<変態鉄>は千葉県市原市、小湊鉄道線にキハを求めて。
…… ……
2018年3月27日(火)晴れのち曇り
6時半の井の頭線、まだ座席にも余裕があって。予定していたより早く京王線新宿へ。
新線新宿駅にあるカレー屋さんは京王の系列なのだが...、仕事が忙しいときにサッと
済ませられる食事として、よく利用するところで朝食を。
【2018年3月27日8時51分】 千葉県市原市・五井駅東口
朝7:40発の小湊鐵道高速バスは、初台交差点の左折で時間がかかったものの中央環状に
入れば、あとは非常に順調。やはり、寝不足でウトウトしていたら、気づけば羽田を
過ぎていて。多摩川のトンネルに入ったのは覚えているが、次に気づいたときには
姉ヶ崎付近を走っていた。時刻は8時半過ぎ、定刻より少し早くて。
【2018年3月27日8時51分】 小湊鉄道線・五井駅
東口からすぐ見えるところにあるのが小湊鐵道のホーム、西口側がJR線。
ホームに停車しているのは9:09発の第13列車。「里山トロッコ」号の設定以来、
上総牛久-上総中野間の運転は、朝9時のこの列車の後はお昼前まで間隔が空いて。
特に、この日は「里山トロッコ」の設定が無い日で、ということでサクラと菜の花...
多くの観光客で賑わっていた。
いったん跨線橋を渡って、JRの改札口から入ることになっている。
JRの有人改札口で「小湊です!!」と告げて...
通路の途中に小湊鐵道の改札口がある。その手前、小湊鐵道側に続く跨線橋のところで
弁当の販売があるのだが、これが、ワンコインはおろか、200~300円で1食分が。
この日は「焼きそば」(200円)を買って。1日フリーきっぷを買ってホームへ。
【2018年3月27日8時57分】 小湊鉄道線・五井駅
2両編成のキハの車内は、すでにほとんどの座席が埋まっていて。
前側のキハ202の排気管横に空席を確保したのだった。
接続するJR内房線電車からの乗り換え客でドア横に人が立つ程度で。<鉄>が2~3割、
リタイヤした年齢層のグループ客などが5~6割、あとわずかに地元客...といった
感じの車内だろうか。そんなこともあってか、五井駅を発車した直後の車内放送では
珍しくも「アルプスの牧場」のオルゴールも演奏されて。
そんな小湊キハ、一番観光客の多い時期にわざわざやって来たのは、やはり、それでも
撮りたかったのは「菜の花とサクラとキハ」という写真。
「定番」と言われる場所は、やはり、それだけキレイな写真が撮れる...という意味で。
まず、撮影地候補に考えていたのは...窓越しに目を凝らして確認。
・馬立駅 : サクラも菜の花も悪くは無いが、あと数日、遅く来ていたら...という感じ。
・上総久保駅 : ホーム後ろのサクラは悪く無さそうだが、菜の花は全然ダメ。
・里見駅・里見のS字カーブ : 花の状況は一番良さそうだった...人の多さが。
あとは高滝、飯給駅のホームも画になりそうだった。でも、この運転本数の少なさを
考慮すれば、「すぐに降りよう」と思えるほどの“決定打”は見つからず。
なぜか、「ここなら満開のはず」と妙な自信があった場所が...
【2016年11月5日15時20分】 小湊鐵道・上総大久保-月崎(後追い)
冬場によく“ギラリ”を狙いに来ていた上総大久保駅手前の築堤。雄大なカーブをゆく
キハを一面の菜の花の中で..と妄想していたものの、大久保隧道を抜けたキハの前に
広がった風景は...
見事なまでに完全な、もう、駅からそちらに向かおうとすら思えないほどの...
完全なまでの“空振り”だった。菜の花の「ナ」の字もどこにも見つからず。
線路からだいぶ離れたところには花畑のようになっているところがあるにはあったが...
う~ん。
【2018年3月27日10時06分】 小湊鉄道線・上総大久保駅
半ば、諦め気味に上総大久保駅で下車。自分の他に男女各1名くらい。皆さんカメラを。
でも、ホームでの撮影に夢中になっていると...
そう、無人駅では車掌さんがホームに降りて集札する。車掌さんは駅毎に出口に一番
近い乗務員室に移動してスタンバイしているのだが...
列車から降りた乗客がきっぷを渡さないまま、ホーム先端に行ってしまい...
しかも、その方がサイフから取り出したのがICカード乗車券で...
こうしたことで発車まで時間がかかるケースが少なくないのである。
さぁ、このキハが上総中野駅で折り返して30分後にこの駅に戻ってくる。
その次の撮影チャンスはお昼過ぎ、実は撮影機会は意外と少ないのである。
ということで何としても...
【2018年3月27日10時09分】 小湊鉄道線・上総大久保駅付近
旧白鳥小学校前の踏切を渡って駅の向かい側へ。
この上総大久保駅も、秋の銀杏と並んでサクラの時期の撮影地としても有名だが...
駅周辺のサクラの木は“悪くは無い”といった感じだが“万全の態勢”(?)とは
ほど遠く。しかも、駅至近でカメラを構えると、列車が来る、まさにそのタイミングで
意外な“闖入者”がやって来てしまい、写真が台無し...という展開が十分に予想される
のが、この時期に房総のキハを撮るときの「最大のリスク」なのである。
思ったよりちょっと早く踏切機の音が聞こえてきて。
【2018年3月27日10時36分】 小湊鉄道線・上総大久保駅付近
上総中野駅からキハが戻ってきた。この日の運転士さん、ちゃんとヘッドライトも
点けてくれていて。駅ホームに覆い被さるように枝を伸ばす、サクラの木、
あとホンの少しだけ勢いがあってくれたら嬉しかったのだが...
【2018年3月27日10時37分】 小湊鉄道線・上総大久保駅付近
<鉄>の間では、「駅撮り写真」というのは“格下”のように見る傾向があるのだが...
ということで、同じ場所で連写しながらも、出発したキハがホームを離れた瞬間。
この日のテーマは記事のタイトルのように「春の景色の中でキハを撮ること」。
その第一弾となった、上総大久保駅は菜の花が“空振り”で、急遽、サクラに賭けたが
悪くは無いものの、“会心の1枚”にはちょっと遠い感じで。
さぁ、次は...?! (つづく)
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
あなたの「ポチッ!」こそが、励みになります。あっ、あと、「nice!」も。
にほんブログ村
ふとウェブサイトを覗いてみると、とうとう発表されていた。
2度にわたって、撮りに訪れた「吊り掛け赤電」のさよなら運行。
4月末の大型連休“前半戦”に、3日間にわたって申込制のお別れ運転が行われるそうで。
【2017年7月29日10時52分】 遠州鉄道線・さぎの宮-自動車学校前
2年間にわたって、自分も夏休み限定の「特別運行」に参戦した。
この、さぎの宮周辺には線路沿いに田んぼも残っていて。南北に走る路線は、日中の
光線状態がなかなか難しくて。撮影には苦労したが、乗って撮って楽しんだものだった。
自分と同い年、1978年製というのは、たぶん日本で最後の吊り掛け駆動の新造車。
電気ブレーキを常用するタイプ、駅間は短いので、高速走行は期待できないものの、
床下からはモーターの唸るようなサウンド。申込みメールを送るかどうか、迷い中。
ここ数年、撮りたかった列車たちの“勇退”が続いており。
どれだけ撮り慣れていても、引退の報を聞くと慌ててしまうもので。そうならないよう、
撮れるうちに撮っておくことが大切だと思っているのだが...
ということで、いまのところ、具体的な置換え計画は発表されていないが...
全国でも、これほど多くのDMH17系エンジンを装備したディーゼル動車を運用している
路線も全国でここだけになった。いまのうちに、撮って録って、しておかないと。
3月27日、今月最後の公休日、<変態鉄>は千葉県市原市、小湊鉄道線にキハを求めて。
…… ……
2018年3月27日(火)晴れのち曇り
6時半の井の頭線、まだ座席にも余裕があって。予定していたより早く京王線新宿へ。
新線新宿駅にあるカレー屋さんは京王の系列なのだが...、仕事が忙しいときにサッと
済ませられる食事として、よく利用するところで朝食を。
【2018年3月27日8時51分】 千葉県市原市・五井駅東口
朝7:40発の小湊鐵道高速バスは、初台交差点の左折で時間がかかったものの中央環状に
入れば、あとは非常に順調。やはり、寝不足でウトウトしていたら、気づけば羽田を
過ぎていて。多摩川のトンネルに入ったのは覚えているが、次に気づいたときには
姉ヶ崎付近を走っていた。時刻は8時半過ぎ、定刻より少し早くて。
【2018年3月27日8時51分】 小湊鉄道線・五井駅
東口からすぐ見えるところにあるのが小湊鐵道のホーム、西口側がJR線。
ホームに停車しているのは9:09発の第13列車。「里山トロッコ」号の設定以来、
上総牛久-上総中野間の運転は、朝9時のこの列車の後はお昼前まで間隔が空いて。
特に、この日は「里山トロッコ」の設定が無い日で、ということでサクラと菜の花...
多くの観光客で賑わっていた。
いったん跨線橋を渡って、JRの改札口から入ることになっている。
JRの有人改札口で「小湊です!!」と告げて...
通路の途中に小湊鐵道の改札口がある。その手前、小湊鐵道側に続く跨線橋のところで
弁当の販売があるのだが、これが、ワンコインはおろか、200~300円で1食分が。
この日は「焼きそば」(200円)を買って。1日フリーきっぷを買ってホームへ。
【2018年3月27日8時57分】 小湊鉄道線・五井駅
2両編成のキハの車内は、すでにほとんどの座席が埋まっていて。
前側のキハ202の排気管横に空席を確保したのだった。
接続するJR内房線電車からの乗り換え客でドア横に人が立つ程度で。<鉄>が2~3割、
リタイヤした年齢層のグループ客などが5~6割、あとわずかに地元客...といった
感じの車内だろうか。そんなこともあってか、五井駅を発車した直後の車内放送では
珍しくも「アルプスの牧場」のオルゴールも演奏されて。
そんな小湊キハ、一番観光客の多い時期にわざわざやって来たのは、やはり、それでも
撮りたかったのは「菜の花とサクラとキハ」という写真。
「定番」と言われる場所は、やはり、それだけキレイな写真が撮れる...という意味で。
まず、撮影地候補に考えていたのは...窓越しに目を凝らして確認。
・馬立駅 : サクラも菜の花も悪くは無いが、あと数日、遅く来ていたら...という感じ。
・上総久保駅 : ホーム後ろのサクラは悪く無さそうだが、菜の花は全然ダメ。
・里見駅・里見のS字カーブ : 花の状況は一番良さそうだった...人の多さが。
あとは高滝、飯給駅のホームも画になりそうだった。でも、この運転本数の少なさを
考慮すれば、「すぐに降りよう」と思えるほどの“決定打”は見つからず。
なぜか、「ここなら満開のはず」と妙な自信があった場所が...
【2016年11月5日15時20分】 小湊鐵道・上総大久保-月崎(後追い)
冬場によく“ギラリ”を狙いに来ていた上総大久保駅手前の築堤。雄大なカーブをゆく
キハを一面の菜の花の中で..と妄想していたものの、大久保隧道を抜けたキハの前に
広がった風景は...
見事なまでに完全な、もう、駅からそちらに向かおうとすら思えないほどの...
完全なまでの“空振り”だった。菜の花の「ナ」の字もどこにも見つからず。
線路からだいぶ離れたところには花畑のようになっているところがあるにはあったが...
う~ん。
【2018年3月27日10時06分】 小湊鉄道線・上総大久保駅
半ば、諦め気味に上総大久保駅で下車。自分の他に男女各1名くらい。皆さんカメラを。
でも、ホームでの撮影に夢中になっていると...
そう、無人駅では車掌さんがホームに降りて集札する。車掌さんは駅毎に出口に一番
近い乗務員室に移動してスタンバイしているのだが...
列車から降りた乗客がきっぷを渡さないまま、ホーム先端に行ってしまい...
しかも、その方がサイフから取り出したのがICカード乗車券で...
こうしたことで発車まで時間がかかるケースが少なくないのである。
さぁ、このキハが上総中野駅で折り返して30分後にこの駅に戻ってくる。
その次の撮影チャンスはお昼過ぎ、実は撮影機会は意外と少ないのである。
ということで何としても...
【2018年3月27日10時09分】 小湊鉄道線・上総大久保駅付近
旧白鳥小学校前の踏切を渡って駅の向かい側へ。
この上総大久保駅も、秋の銀杏と並んでサクラの時期の撮影地としても有名だが...
駅周辺のサクラの木は“悪くは無い”といった感じだが“万全の態勢”(?)とは
ほど遠く。しかも、駅至近でカメラを構えると、列車が来る、まさにそのタイミングで
意外な“闖入者”がやって来てしまい、写真が台無し...という展開が十分に予想される
のが、この時期に房総のキハを撮るときの「最大のリスク」なのである。
思ったよりちょっと早く踏切機の音が聞こえてきて。
【2018年3月27日10時36分】 小湊鉄道線・上総大久保駅付近
上総中野駅からキハが戻ってきた。この日の運転士さん、ちゃんとヘッドライトも
点けてくれていて。駅ホームに覆い被さるように枝を伸ばす、サクラの木、
あとホンの少しだけ勢いがあってくれたら嬉しかったのだが...
【2018年3月27日10時37分】 小湊鉄道線・上総大久保駅付近
<鉄>の間では、「駅撮り写真」というのは“格下”のように見る傾向があるのだが...
ということで、同じ場所で連写しながらも、出発したキハがホームを離れた瞬間。
この日のテーマは記事のタイトルのように「春の景色の中でキハを撮ること」。
その第一弾となった、上総大久保駅は菜の花が“空振り”で、急遽、サクラに賭けたが
悪くは無いものの、“会心の1枚”にはちょっと遠い感じで。
さぁ、次は...?! (つづく)
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
あなたの「ポチッ!」こそが、励みになります。あっ、あと、「nice!」も。
にほんブログ村
遠州鉄道、地元紙にお別れ運転のことが載っていました。
さびしく感じます。
by ハマコウ (2018-03-30 21:35)
路面電車や電機はともかく、つりかけ駆動の電車はもはや風前の灯ですね。
あとは江ノ電と琴電の保存車くらいでしょうか。
私が子どもの頃は、名鉄のいもむし3400系が“高速”の表示を掲げてつりかけモーターの音を唸らせて走っておりましたが、それも今となってはかすかな思い出になってしまいました。
というか、私は直接には見たことがないのですが、狭軌最高速度ホルダーのクモヤ93が175km/hを出したときの音はどれほどだったのか、とても興味深いどころです。
by skekhtehuacso (2018-03-30 21:49)
ハマコウさん
コメントありがとうございます。
製造から40年、保存目的の車両以外ではほとんど残っていない
「吊り掛け駆動」の電車なので、寂しいものではありますが、
むしろ「いままで、よく頑張った」という感じかも知れません。
保守・管理にも、苦労があったのだろうな、と思います。
でも、遠鉄はこの車両が無くなっても歴史的に価値のあるものが
まだ残っていて。あまり注目されていないのが残念ですが、
実は趣味的にも面白い路線なのです。また、浜松を訪れたいと
思っています。
skekhtehuacsoさん
コメントありがとうございます。「いもむし3400系」、一度、
この目で見てみたかったのですが...
吊り掛け電車の、あのサウンドと振動こそ「電車に乗っている」と
実感できるような気がします。高松琴平電鉄のレトロ電車、
保存運転とはいえ、本線上を思いっきり飛ばしています。
時には、90 kmほどでているような...
迫力一杯の高速走行が毎月楽しめます。
by あるまーき (2018-03-30 22:03)