SSブログ

♪ No. 1 に...なった日の思い出 (1998年6月の山陰旅行にて)<後編> [アナログ写真保管庫]

仕事は相変わらず溜まっており。
そろそろ、尻に火が付いてきて、燃え盛っているような...
嗚呼、だんだんマズい状況になりつつあるのだが...
「公休を返上して対応するべき...」という認識に傾きつつあっても、やはり...

01_IMG_1622.JPG
【2011年10月24日10時33分】 阪堺電軌阪堺線・住吉鳥居前-住吉(後追い)

この老雄、モ161形を撮りに行きたいという気持ちには抗しがたく。
次の公休日は、27日(火)になるスケジュール。<変態鉄>が日頃、見ている天気予報の
サイトでは向こう10日間の予報が掲載されている。

いまのところ、27日の大阪市の天気は「晴れ」、降水確率 40%という予報。
撮影成果は上がっていないものの、予算は大幅にオーバーしており。でも...

そんな中、引き続き、20年前、1998年6月、石見銀山の遺構を見に行った話題。

「オマエ、どーせ、世界遺産で話題になったから行ってきたんだろうっ!!」
等ということなかれ。石見銀山遺跡が世界遺産に登録されて話題になったのは2007年。
<変態鉄>は、それよりも10年も早く訪れたのだった。

大田市駅の周辺も、大森地区も...、道を歩く人も疎らな田舎の集落といった感じ。
“観光客”など自分以外に見かけることは無く。非常に寂しいところだったと
記憶している。そんな石見銀山を訪れた、当時大学生の<変態鉄>。

……  ……

1998年6月9日(火)雨

当時はブログなど...、インターネットだって自宅の電話線に繋いで。ISDNになったのも
この頃だっただろうか。いまなら、行き帰りの路線バスなども撮っているだろうが、
この当時はそんなこと考えることすら無く。

02_IMG_0460.JPG
【2010年5月6日8時31分】 高山本線・西富山-婦中鵜坂

出雲市から乗った快速「石見ライナー」は、キハ58 667号車とメモしているものの、
1枚も撮っていない。ワンマン化改造も近郊化改造も受けておらず“急行型”の姿を
残していた米子支社のキハ58+キハ28編成だったはずなのに...

この10年後、富山へ、岡山へ、豊岡へ。キハ58+キハ28編成が走ると聞けば、
ヒコーキで駆けつけて。富山で苦労して撮ったこの1枚も、当時は“当たり前”
だったはず。エメラルドグリーンの夏の日本海をバックに撮っておけば...う~ん。

大田市駅の近くの「大田バスセンター」、11:37発の石見交通バスに乗った。
石見銀山(大森)までは約25分の道のり。

その、バスセンターでのことだった。
薦められたのか、何かチラシかポスターを見てのことだったのか...
メモにも残っていないし、記憶も曖昧だが。(窓口で薦められて買ったような気が...)

「龍源寺間歩」と「河島家」の見学料と、大田市-大森-龍源寺間歩往復のバス料金が
込みで850円というクーポンがあり、それを購入。

03_IMG_20180318_0054.jpg

「フリーバスセット乗車券」と書かれたクーポンは、見学の入場券をもがれた状態。
バスの乗車券部分だけが残っていて。でも...

買った自分も気づいていなかった。

そう、この券番「No. 100001」である。

最近では、記念乗車券などでも「No. 0001」の券がどこで発売されるかは話題に。
コレクター、転売目的が入り乱れて、発売日には怒号と罵声が飛びかうような騒ぎに...
そうで無くても、地方私鉄でも「No. 0001」を求めて前夜から泊まりがけの人も。
でも、そんな「ナンバーワン」、買った本人も気づいていなかった。

04_IMG_20180318_0055.jpg

いっしょにパンフレットももらっている。
大田市からの石見交通バスは、前中ドアの路線車だったと記憶している。

05_IMG_20180318_0004.jpg
【1998年6月9日】 島根県大田市大森町・大森銀山遺跡

大森代官所跡にバス停があって、そこから見学開始!! とはいえ、雨の中である。

もちろん、石見銀山資料館も見学。

06_IMG_20180318_0003.jpg
【1998年6月9日】 島根県大田市大森町・大森銀山遺跡

後ろの建物の壁面に「世界遺産を目指す町」と書かれた横断幕も確認できる。

とはいえ、20年前のこと。あまり記憶も残っていない。

07_shiryoukan.jpg

そう、つまり書くことに困るわけである。

「代官所地役人 河島家住宅」、つまり銀山が栄えた頃の武家屋敷。
コチラは、何と写真すら撮っていないという...う~ん。
ここも見学しているが、管理人さんというか、受付の女性の方から言われて。

08_IMG_20180318_0057.jpg

「この切符はお客さんがはじめて。記念にお名前を...」
せめて、ボールペンにして欲しかった。ぬぁんと筆を渡されて。緊張で手が震えて。
<変態鉄>、筆で字を書くとメチャクチャになってしまう。書道が大の苦手だった。
こういうときのために、ちゃんと練習しておくべきだった...と。

差し出された紙に自分の名前を書いて。でも、その字が...まさに顔から火が出るような。
いや~ぁ、恥ずかしかった。この場面だけは鮮明に覚えている。

09_IMG_20180318_0002.jpg
【1998年6月9日】 島根県大田市大森町・大森銀山遺跡

そんな、石見銀山で賑わった大森の集落。雨のせいだけでは無さそう。
赤褐色の石州瓦の屋根が続く、本当に静かな街並みだった。

さて、大森から再びバス。「龍源寺間歩」ゆきのバスはパンフと切符の券面の写真通りの
マイクロバスタイプの車両。確か、乗客は自分だけ。クルマ1台がやっとという幅の狭い
ヘアピンカーブの山道を数分走ったところが「龍源寺間歩」終点。
そこから数百メートル、雨に濡れた誰もいない山道を進んでいくと「間歩」の入口。

10_IMG_20180318_0008.jpg
【1998年6月9日】 島根県大田市大森町銀山・龍源寺間歩

ここは印象に残っている。

当時の旅行メモから引用すると...(今と違って趣味活動では几帳面だったのである)

  入場口でクーポンを渡すと「よくわかんないけど、預かります」   
  無人の坑道(間歩)の中は眼鏡が曇ったくらいで特に見所は無い

当時の<変態鉄>、貴重な銀山遺跡を見学しても、そんな感想だった。
どうしようも無いヤツである。

でも、印象に残っているのはココから。最近の“出撃”は<鉄>なスポットだけを
効率的に回ってトンボ返り...が多くなったが、この頃はいろいろなことがあった。

この日は雨。間歩は山の中、お店はおろか雨宿りできる場所も無く。雨が凌げるという
それだけのことで、間歩、つまり坑道の出口にあったベンチで休憩していたら、
流石に見かねたのか、事務室のようなところから職員の方が。再雇用だろうか、
たぶん、いったんリタイヤしているような世代の方に見えた。

ぬぁんと、間歩の事務室のようなところに招き入れてくださって、温かいインスタント
コーヒーを。確か、6月なのに室内には昔ながらの円筒形のストーブの火が。

そう、それほど観光客が訪れるのは珍しかった、そんな時期。
自分がいた間にも、他の見学客とすれ違った記憶も無い。

石見銀山が世界遺産を目指す運動が始まっていることは知っていたが、その詳しいお話を
熱く語っていただき。分厚い文献も。その見せていただいたページには、大航海時代の
ヨーロッパでつくられた世界地図に、石見銀山が確認できる...というもので。

礼を言って事務室を辞して、再び、このマイクロバスに揺られて大森代官所跡。
ここから石見交通の大田市ゆきに乗換えだが...

00_IMG_6662.JPG
【2009年8月23日19時36分】 飯田線・豊橋駅
(この電車の行き先が「豊川」という以外、写真は本文と関係ありません)

その大森バス停のベンチでは愛知県の豊川から訪ねてきたという40代くらいの男性と
いっしょになった。親族がこちらの出身と言うことで、大森地区のお寺の檀家さんとの
ことで。何かの大事な用事で、もちろん住職にアポをとって愛知から、やって来たのに...

ぬぁんと、お坊さん、外出してしまって会えなかったのだそうだ。
オジサンの怒りは相当なもので。急遽、出雲市の方にホテルを確保、明日、再訪して
その住職に文句を言うのだ!! と。全く無関係の<変態鉄>に向かって、一気に
まくし立てて。お昼に見学した銀山資料館より、このオジサンの“怒りの告発”の方が
印象に残っている。

  世界遺産なんて言っているのは、ほんの一部だけ!!
  あとは非常にレベルの低い人たちだよ。

そんなコトバを聞きながら、バスを待ったのだった。20年前の、雨が降るバス停。
でも、このシーンは鮮明に記憶に残っている。

005_IMG_20170809_0004.jpg
【2002年8月10日】 山陰本線・折居-三保三隅

大田市駅 16:50発の出雲市ゆきは誠に遺憾ながら、キハ120形単行のワンマン運転。
米ハタ(米子支社浜田鉄道部)の車両だから、てっきり三江線の間合い運用かと思えば
車内の運賃表示器が山陰本線の駅名だけで驚いた、とこの日のメモには残っている。

まさかまさか、<変態鉄>が、石見交通バス発行の、石見銀山への企画乗車券、
その券番、ナンバーワンを手にして、そして使ったのだった。

そんな、20年前の、まだほとんど知られていなかった石見銀山での思い出。

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

あなたの「ポチッ!」こそが、励みになります。あっ、あと、「nice!」も。
にほんブログ村 鉄道ブログへ
にほんブログ村

nice!(14)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 14

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。