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冬枯れの夷隅へキハを追って(後編) [いすみ鉄道 国鉄型キハ]

今年の、いや今年も<変態鉄>にとっての12月14日は仕事が忙しくて...
でも、今年はそれ以上に。ただ、その“最大のピンチ”は何とか脱したのだった。

金曜は職場でも軽~く、まったり仕事ができそうな予感。
まぁ、そういうときに二限って、面倒な問題が持ち込まれるものだが...はたして。

さて、<鉄>にとって昨日、12月14日といえば...

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【2017年11月8日12時17分】 埼玉県さいたま市大宮区・鉄道博物館

<変態鉄>も間もなく「不惑」に。その<変態鉄>が生まれる、ちょっと前、
国鉄の「動力近代化」が完成のときを迎えていた。定期列車として蒸気機関車が
牽引した最後の旅客列車が室蘭本線で運行されたのが、1975年(昭和50年)12月14日。

だから、自分にとって蒸気機関車というのは、動態保存でしか動く姿を見ていない。

さて、その42年前、室蘭本線を走った第225列車の先頭に立ったのが、C57 135号機。
“貴婦人”の愛称をもつ急行旅客用蒸気機関車である。細身のスタイリッシュな機関車。

尤も、自分としては胴長短足の“キューロク”が好きなのだが...
……  ……

自分が<鉄>活動に本格“参入”したのは中学生になってから。
ちょうど、国鉄がJRになり、昭和が平成に変わり、JR各社が競い合うように
意欲的な新車を送り出していた頃。

でも、もちろん主力だったのは国鉄時代の車両たちだった。

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【1994年8月】 城端線・高岡駅

まさに“雨後の筍”、正直、場当たり的に行っているとしか思えないような
“地域色”化でメチャクチャな色に塗られてしまった車両もいたが、「国鉄色」とか
「国鉄型」などという呼び名は、あまり聞かなかった。
ピカピカの新車を除けば、ほぼ全て、国鉄から承継された車両ばかりで...

そんなとき、ローカル線を乗り歩けば、イヤと言うほど出会ったのが「国鉄型キハ」。
当たり前すぎて、ほとんど写真に撮ることも無かった。
ましてや、これほど真剣に追いかけようとなど、思うことすら無かった。

そんな意味で、いすみ鉄道のキハというのは<変態鉄>にとって、自分の一番、
楽しかった日々、あの時代、そのものなのである。

12月3日の撮影記。陽の短いこの時期だからこそ...


2017年12月3日(日)晴れ

太陽高度が低いこの時期だからこそ、昼過ぎには陽は傾きだし、オレンジ色に
染まっていく...と柄にもない書き出し。でも、その時間帯に撮った写真は
やはり美しいのである。

という訳で、列車に光が回るポイントを回って...

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【2017年12月3日13時36分】 いすみ鉄道・風そよぐ谷 国吉駅

こんな完全に油断しきった姿で昼寝している、そのヨコを静かに通り過ぎて...
商店街を抜け、県道を20分ほど歩けば線路が、水田地帯の真ん中を横切る区間に。
そう、ドがつくほどの定番撮影地、第2五之町踏切である。

「この間も撮っていたじゃ無いか!!」と呆れるなかれ。
午後の急行列車、車体側面に光が当たって、なかなか良い感じに見えたのである。
ということで、この日は、踏切の手前のソーラーパネルが並んでいる付近で。

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【2017年12月3日14時21分】 いすみ鉄道・風そよぐ谷 国吉-上総中川

14時を回って、予想通りの光線状態。
「よしっ!!」、撮った瞬間、手応えはあったのだが...

田園地帯の遮るもののないストレート。でも、寄りによって自分がカメラを向けた
場所、編成の最後部が継電器箱にかかってしまって...
そう、キハ2両分の編成長を読み違えていたのである。嗚呼。

でも、それを確かめる前に...

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【2017年12月3日14時21分】 いすみ鉄道・風そよぐ谷 国吉-上総中川(後追い)

すかさず振り返って、あの踏切を通過する姿を。
2両のキハの車体側面が陽の光に照らされて。これまた、なかなか良い感じで。

ここからはちょっと慌ただしく。急ぎ、国吉駅に戻ると、ちょうどピッタリ。
国吉駅 14:48発の第65D列車・大多喜ゆき、先ほど乗ってきた列車の折返しである。
これで大多喜駅には15時着。

売店によっていたら時間がなくなって...

大急ぎで向かったのは城見ヶ丘駅近くの、この夷隅川鉄橋。
朝の快速を正面がちに撮ることが多いが午後からはキハ28の顔は“面潰れ”、
でも、側面がギラリと輝くはずで...

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【2017年12月3日15時31分】 いすみ鉄道・デンタルサポート大多喜-城見ヶ丘

残念ながら“ギラリ”には角度が合わなかったが、でも、“冬の夕方”といった
光の射し方をお伝えできているだろうか??

自分の中では満足度の高い1枚だった。後続の第66D・大原ゆきまでは30分。
これに乗れば、終点・大原駅で6分の接続で「急行5号」に接続する。
つまり、いつものパターンで締めくくれるのだが...

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【2017年12月3日16時01分】 いすみ鉄道・城見ヶ丘-上総中川(後追い)

キハ20 1303が出発していく後ろ姿を見送ったのだった。

そのまま城見ヶ丘駅のベンチに陣取って...
そう、冬至前後の陽の短い時期限定の“キハ・バルブ”に挑戦である。

ここからは<速報版>に書いた通り。数年前には(失敗したが)城見ヶ丘駅の
ホーム対面からスッキリと撮ることはできそうだった。でも...

休憩した後、16時半、あと30分というところになって三脚を置こうと...
植樹されているのはサクラだろうか、少しずつ生長し、線路側にも枝が張りだして。
すでに、ホームに停まるキハの姿をスッキリと見渡すことができない状況になって
いたのである。

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【2017年12月3日17時01分】 いすみ鉄道・城見ヶ丘駅付近

「負け」を確信しながらも、でも、どこかでちょっとだけ期待して。
国道の立体交差から俯瞰気味に。もちろん、やはり、予想通り。
ここまで来たら笑うしか無い。見事、絵に描いたような素晴らしい“ハイビーム撃沈”

「そんなことなら、素直に<乗り鉄>していれば良かった...」と言っても
後の祭りなのだった。すっかり暮れて、真っ暗になった中を大多喜駅へ。
日中の、観光客たちの喧噪がウソのように。し~~~んと静まりかえった駅前。

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【2017年12月3日17時36分】 いすみ鉄道・デンタルサポート大多喜駅

すでにキハも入庫しており。ホームに入って、キハと並んだ206号車の姿を。
余談ながら、上方に見える明るい塊、街灯ではない。この日は「スーパームーン」
だった。「セーラームーン」ではない。

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【2017年12月3日17時36分】 いすみ鉄道・デンタルサポート大多喜駅

キハは編成写真として撮るのは不可能なので、連結面を切り取って。
ちょうど、懐中電灯を手にした職員が、1日の勤めを終えたキハの床下機器を点検中。

そんなシーンを撮っていたホームは...

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【2017年12月3日17時48分】 いすみ鉄道・デンタルサポート大多喜駅

イルミネーションが灯っていて。ひんやりした空気、列車の出た後のホームの静寂。
あっという間の1年間だった...と、冷静にそんなことを考えてしまうのである。

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【2017年12月3日17時56分】 いすみ鉄道・デンタルサポート大多喜駅

もちろん、イルミネーションは駅舎にも。

そんなシーンを撮ったらカメラをしまって。18:10発の高速バスである。
発車前、運転手さんからはアクアラインの方で、「年に1度か2度位しかない」
という規模の渋滞が発生している、とのことで。

「迂回して、遅れを5分でモ10分でも詰めたいと思います」
そのアナウンス通り、アクアラインの渋滞は酷かったが、普段よりも早く20:20頃に
シナガワグースに戻ったのだった。(おわり)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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