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あぁ、あれから26年!! 初めての“撮影行”@名鉄揖斐線 [スカーレットのトラムたち[名鉄岐阜線]]

1991年10月22日のこと。

そんな、正確な日付が分かったのは写真に日付が入らないようにする、カメラの設定の
変え方を知らなかったから。このとき、中学2年生だった<変態鉄>、自宅で長らく
放置状態だった、Canon EOS 750QDというカメラ。35-75 mmというズームレンズを
バッグに入れて...

国家公務員だった<変態鉄>の父、この年は単身赴任で岐阜市内に居た。
ということは、そこへ行くことを“口実”にして...

キハ58+65形 快速「みえ」号で「♪ アルプスの牧場」のチャイムを聞いて、
<車内放送マニア>の道を歩み始めたのも、“大垣夜行”の165系直流急行型電車も
東海道新幹線の0系も...

いまに続く趣味活動の“方向性”が決まったのもこの年だった気がする。

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【1991年10月22日】 名鉄揖斐線・尻毛-旦ノ島(当時)

そんな1年、自分にとって最も影響を与えた...

“初体験の相手”と言おうか、<変態鉄>の「趣味人生」に鮮烈な...

それは中京地方に広大な路線網を持つ名鉄、名古屋鉄道のパノラマカー...
ではなくて、“岐阜600V線”と総称された路線群だった。
「吊り掛け駆動」なんてコトバは知らなかったが、ガタゴトと、轟音を上げて走る
古めかしい電車たちに魅せられていったのである。

……  ……

初めて「走っている電車」にカメラを向けたのが...

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【1991年7月25日】 名鉄岐阜市内線(当時)・西野町-早田

長良川に架かる忠節橋の手前の歩道橋。道路上をゆく名鉄岐阜市内線の電車。
この小ぶりな車体は、かつて名鉄と資本関係にあった北陸鉄道の金沢市内線から
転入してきた550形電車だった。でも...

当時の<変態ガキ鉄>にとっては、電車の速さが違う分、道路併用軌道で
撮っているようでは<鉄>として“半人前”だ...、そんなことを思っていた。
(いまでは路面電車撮影の方が難易度が高いように思うのだが...)

「撮影地」を調べて、電車に乗って撮りに行った、つまり、生まれて初めての
“撮影行”は名鉄揖斐線の伊自良川鉄橋だった。


1991年10月22日 晴れ

朝、<変態ガキ鉄>はちょっと緊張しながら、カメラ片手に。
長良川の北岸、岐阜の市街地の外れにあたるような位置にあった名鉄揖斐線の
始発駅が忠節駅。ここから、2連の吊り掛け電車に乗ったはず...

2つ目の駅が旦ノ島、無人駅で車掌さんに乗車券を渡して下車したはず。
古くからの住宅が建ち並ぶ中、線路沿いの生活道路を歩いて行けば、すぐに
目的の鉄橋にたどり着くのだった。

ネガの状態も悪く、また、「カメラデビュー」したばかりのガキが撮った写真。
いつも以上に酷い写真ばかりで、恥ずかしい限りだが...

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【1991年10月22日】 名鉄揖斐線・旦ノ島-尻毛(当時)(後追い)

まずは、東岸の鉄橋の袂から撮ったような...かすかな記憶である。
黒野ゆきは、モ700形と「ク」が付いているのだが...

車体長も、屋根の高さも、扉の枚数も違う。出自の異なる電車たちが入り乱れて。
戦時中に「名鉄」が発足する前の各社で製造された電車たちが“最後のご奉公”を
するのが揖斐線だったと言われている。

それにしても...

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【1991年10月22日】 名鉄揖斐線・尻毛-旦ノ島(当時)

こちらが今日のトップ写真。「忠節」の方向板、運転士さんの姿がが上り電車である
ことを物語っている。

しかし、こういうところが<撮り鉄>初心者の典型的な失敗。
揖斐線の電車は最大でも3両編成。短い編成、しかも凸凹編成だというのなら、
こう正面がちに撮るよりも、少し線路から下がって、側面を広く入れて撮るのが良い。

でも...、無目的に線路に近づこうとするのは<撮り鉄>初心者の典型的行動である。
鉄道雑誌に載るような“正面ドカン”の1枚は超望遠レンズが無いと厳しいのである。
もちろん、そんなことなど、つゆ知らず。

デジカメでもないので、フィルムに記録された画像は東京に戻って現像をお願いして...
この時点では、撮れているかどうかすら、全く分からなくて。

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【1991年10月22日】 名鉄揖斐線・尻毛-旦ノ島(当時)(後追い)

ただ、幸いだったことに、すかさず後追い。
鉄橋を向いて撮った1枚が順光だから、こちらは逆光になるのは当然だが...

でも、後ろに付いていたのは、ク2323号車であったことが確認できる。
車体にはリベットが目立っていたようで...。モ700だけでなく、制御車の方も
記録しておくべきだったが。26年前、中学2年生のガキに旧型電車の醍醐味など
分かろう筈も無く。嗚呼、惜しいことをした。

こうした古めかしい制御車「ク」たちは、ほどなく見かけなくなった。

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【1991年10月22日】 名鉄揖斐線・旦ノ島-尻毛(当時)(後追い)

河川敷でも撮っていたみたい。(覚えてないぞ!!)

撮影意図不明のこの1枚。大正から昭和一ケタ生まれの旧型電車の宝庫にも
すでに新しい波が寄せ始めており...

市内線直通の運用はモ770形連接車が“主役”になっていた。
この日のお目当ては、もちろん、“丸窓電車”モ510形だったはずだが、
出会えずじまい。

それにしても、ここまで遠い位置に電車を置く必要は無いし...

あまりにも中途半端すぎる1枚である。でも、この“名鉄岐阜600V線”は、
中部国際空港の開港、名鉄のアクセス特急「ミュースカイ」のデビューの影で
同じ時にひっそりと全廃になったのだった。2005年だから12年前。

そう思えば、これも伊自良川鉄橋を写した良い記録になったのかも。

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【1991年10月22日】 名鉄揖斐線・旦ノ島-尻毛(当時)(後追い)

モ758、単行の忠節ゆきである。改めて写真を確認してみれば、車内は結構、
混雑しているみたい。それにしても、もう1秒、遅くシャッターを切れば
架線柱と被る位置...ということは無かったはず。この撮影センスの無さは
いまも決して変わらない。

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【1991年10月22日】 名鉄揖斐線・旦ノ島-尻毛(当時)

セイタカアワダチソウだろうか、真ん中に写り込んでいて邪魔だが、
でも、こういうサイドの写真も撮っていた。

この黄色い草の存在を除けば、<変態ガキ鉄>にしては、まともな1枚である。
台車の弓形のシルエットが...、いまだったら、
絶対、飽きずに1日をここで過ごしたはず。そう思うと、この世代の電車を毎月
走らせてくれる、ことでん、高松琴平電鉄には「拍手!!」なのである。

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【1991年10月22日】 名鉄揖斐線・旦ノ島-尻毛(当時)(後追い)

モ770形の姿もちゃんと撮っていた。でも、これも初心者<鉄>らしく...う~ん。
車体ばかりに視線が行ってしまって、パンタグラフがノーマーク、思いっきり
切れてしまっている。でも、「ワンマン急行 本揖斐・谷汲接続 黒野」の表示も
貴重な記録となった。

そして、すぐヨコの架線柱はなんと木製。名鉄のような大手私鉄でも、まだまだ
木製架線柱が現役だったのである。

……  ……

<変態鉄>の岐阜での“ベースキャンプ(笑)”は「市民会館裁判所前」というバス停
から徒歩5分くらいのところだった。そのバス停、当時はまだ「岐阜市交通部」が
市バスを走らせており、その中に、この鉄橋のすぐ近くで折り返す系統があるのを
程なく発見。電車よりも安くて便利にアクセスできる...と知って、
これ以降、岐阜に行くたびにこの地でカメラを構えたのだった。

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【1991年12月30日】 名鉄揖斐線・旦ノ島-尻毛(当時)

年末、長良川の向こうは雪が積もっているかなぁ...と期待して。
もちろん、期待外れ。「忠節 ←→ 美濃北方」。昼間の区間列車だったみたい。
再びモ758号車の姿を記録している。

そんな岐阜の町。

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【1992年2月頃】 名鉄岐阜市内線・徹明町電停(当時)

やはり印象に残っているのは、深紅の路面電車、岐阜市内線だった。
繁華街・柳ヶ瀬を経て長良北町に向かう、市内“本線”は廃線になって久しかったが
徹明町の交差点には、まだT字型に線路が敷かれ。

あり得ないほどの急カーブを車体をきしませ直角に曲がる市内電車...
四半世紀前の徹明町界隈は、いまよりも賑やかだったような気がする。

この自分が見ても、「酷い写真だなぁ」と思うものばかりだが、でも、いまよりも
夢中で真剣にカメラを構えていたような気がする。自分にとって「ついこの前」の
ような気もするのだが、26年前の岐阜、深紅の電車が<変態鉄>の原点なのである。

あぁ、また黒野駅レールパーク(→ こちら)にでも行ってみようかなぁ...

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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