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7000形を待つ間に(4)これこそ「レガシー」!?(5,6月の都電荒川線) [都電を追って[都電荒川線]]

思い返してみると、今月になってから一度もキハに乗ったり、撮ったり...
何もしていないような気がする。今週末には7月...う~ん。

気を取り直して、引き続き、都電荒川線の話題。

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【2017年5月28日12時53分】 都電荒川線・大塚駅前-巣鴨新田

最近、都交通局が気合いを入れてPRしているにもかかわらず、<変態鉄>として
頑なに使わないでおこうと思っているのが「東京さくらトラム」。
尤も、<変態鉄>がどう思っていようと何の影響も無いことだが...

国内外の観光客誘致のために愛称を取り入れる...という趣旨だとか何だとか。
でも、都電荒川線は、やはり、都電荒川線なのである。

そもそもこの路線、“王子電車”として開業、その後、東京市に買収されて
後の都電の一部になったのである。開業は、1911年(明治44年)8月、最初は
大塚-飛鳥山間からのスタートだった。

走る電車がカラフルな新車ばかりになっても、再開発で沿線の家並みが
どう姿を変えようとも、目を凝らせば、100年以上走り続けてきた“歴史”が
見て取れるのである。沿線で見つけたものをご紹介したい。

……  ……

その前に。鉄道・軌道の“路線名”というのは極めて難しいのである。
駅のホームの案内板にある、あるいは日常の会話の中にでてくる「※※線」というのが
“正式な路線名”であるとは限らない。

<鉄>でない方だとピンとこないかも知れないが...

 ♪ まあるい緑の山手線

という、あの某家電量販店のPRソングは「ウソ」なのである。

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【2017年3月28日11時26分】 山手線・恵比須-渋谷

広く「山手線」と呼ばれているのは、東海道本線、山手線、東北本線を合わせた
ものであり、本当の「山手線」は品川-田端間。
フツーの人が思っている山手線の西側半分のことなのである。

ちなみに「埼京線」というのも「京浜東北線」というのも愛称であって、
本当の名前ではない。そんな名前の路線自体が存在しないのである。
(でも、乗り入れ先の「川越線」も「根岸線」も正式な路線名)

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【2015年7月18日6時31分】 中央線・東小金井駅

黄色い電車も、御茶ノ水以西は「中央線緩行電車」と呼ぶべきもの。中央線は
日中、快速運転を基本とするため、その代わりに総武線の電車を各駅停車として
中央線の中野、三鷹まで乗り入れさせる...という運転系統なのが、いつしか、
「三鷹までは総武線と中央線が並走していて...」となってしまったもの。
尤も、そんなことを気にしているのは<鉄>だけだろうが...。

この難解さ、路面電車になると、なお一層、複雑化するのである。

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【2015年2月24日16時46分】 富山地鉄市内軌道線・電気ビル前電停(後追い)

例えば、拙ブログによく登場する、富山地鉄市内軌道線。
1系統、南富山駅前-大学前という電車。「市内電車」とか「地鉄市内線」とか
みんなそんな呼び方しかしないのだが...

南富山駅前から電鉄富山駅エスタ前までが“本線”、
そこから、支線、安野屋線、呉羽線を通って大学前まで30分余りの道のり。
最近、ここに「富山駅南北接続線」というのも加わって。

そう、都市中心部を縦横無尽に走り回っていた市内電車、高度成長期に各地で
路線撤去が進み、廃止を免れた区間を1つの運行系統にまとめて運転しているという
都市が多いのである。

実は「都電荒川線」も、本当の「荒川線」なのは、ホンの一部分だけ。
元来、三河島線・荒川線・滝野川線・早稲田線の4つの路線だったのを、
存続を決めたときに「荒川線」として1つにまとめたのだった。

昭和50年代初めに、路線撤去の方針を覆して存続させることを決めて、再出発を
果たしたときに決めた名前が、いまの「荒川線」。それを安っぽい名前に
変える必要は無い...というのが<変態鉄>の<変態野郎>としての思いなのである。

でも...

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【2017年6月9日17時40分】 都電荒川線・巣鴨新田-大塚駅前(後追い)

昨日、ご紹介したこの撮影ポイント、そう、大塚駅前電停のすぐ北側の、
ちょっと不思議な空間のところである。

この写真を撮ったのは、ちょうど、よく知られたラーメン屋さんの、まさに軒先。
スープの匂いが届いてきてもおかしくないような場所である。

と、非常にまぁ、長い“前置き”だったのだが、これだけ勿体ぶった上で
ご紹介したかったのは、コチラである。

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【2017年5月28日12時26分】 都電荒川線・大塚駅前-巣鴨新田

「はぁ??」
コンクリート製の架線柱である。都電のトロリー線を支え続けてきたのとともに
支柱の下部の方には、線路を横断する歩行者に向けて電車接近時に注意喚起を
行うLED式表示器が設置されて...

と、そういう話では無い。これ自体は、どこにでもあるポールだが...

その上の方なのである。望遠で寄ってみれば...

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【2017年5月28日12時26分】 都電荒川線・大塚駅前-巣鴨新田

「交通局 滝ノ川線」。
そう、統合されて新生「荒川線」になる前の「滝野川線」の痕跡がこんなところに
残っていたのである。「野」ではなく「ノ」である理由は謎。

巣鴨新田電停付近は、以前、取り上げたことがある100年前の開業当初からの
ものと思われる鉄製架線柱もあるのだが、でも、こちらも貴重な...

そして、先日。

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【2017年6月3日6時09分】 都電荒川線・荒川電車営業所付近

荒川電車営業所へ記念1日乗車券を買いに行ったとき。(→ こちら
局舎のすぐヨコ、入出庫線のすぐ脇に立っているコンクリート製架線柱。

さすがに、引退を目前に控えた7022号「あおおび」を撮ろうと多くの<鉄>が
早朝から集結していたが、でも、架線柱にカメラを向けていたのは<変態鉄>
だけだった。<鉄>なのに、電車の方を見ないでコンクリートのポールを
撮っているという、もはや<変態野郎>以外のなにものでも無かったのである。

でも、その上部には...

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【2017年6月3日6時10分】 都電荒川線・荒川電車営業所付近

「交通局 車庫線」の文字。なるほど、営業路線ばかりでは無く、もちろん、
引き込み線にも架線は必要なわけで。

でも、こうして2枚見つけてしまえば...

やはり、「三河島線」「早稲田線」だって探してみたくなるもの。

都電荒川線の線路際で、上を向いて架線柱ばかり見ているヘンなヤツを見かけたら

「おいっ、そこの変態野郎っ!!!」

と、大きな声で話しかけてもらいたい。ただし、人違いだったときのことは
自己責任ということで。

……  ……

う~ん、いろいろな写真を用意して、もうちょっと<鉄>ブログらしい記事に
しようと思っていたのが、架線柱の話だけでこんなに長くなってしまって。

と言うわけで、明日も都電荒川線の話題を引っ張るのである。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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