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20170225_筑西ディープ<鉄>(9) [ローカル客レに魅せられて]

「ローカル客レ」、<変態鉄>が本格的に<鉄>活動を開始した90年台後半には
まさに“風前の灯火”だった。

だからこそ...

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【2015年7月19日13時06分】 東北本線・新白岡-白岡

イベント列車とはいえ、こんな列車が走るとなれば、炎天下、6時間ほども
待ち続けたのだった。

そもそも、“客車列車”というのは先頭の機関車が、動力源を持たない客車を
引っ張るという運転形態。「動力集中式」と呼ばれ、世界的に見れば
貨物列車はもちろんのこと、旅客列車でも機関車が先頭に立つという方式は
鉄道黎明期からいまに至るまで、常に“主流”なのだが、日本ではちょっと違い、
電車やディーゼル動車といった「動力分散式」の列車が大半を占める。

その「理由」はいくつかあるのだが、国鉄時代から旅客列車は順次、
「動力分散式」へ移行し、寝台列車の衰退とともに“客車列車”そのものが
絶滅の危機に瀕してるのである。

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【2017年2月25日16時29分】 真岡鐵道線・真岡駅

でも、90年台までは朝晩の輸送力列車を中心に、普通列車でも機関車牽引の
客車列車が珍しくなかった。そのスタイルが意外な形で真岡鐵道に
残っているのである。それが、土休日夕方の第6103列車である。
……  ……

2017年2月25日(土)晴れ

15:56着、下館駅に到着したのは「SLもおか号」。
到着すると隣の線路で待機していたDE10 1535号機が、すかさず発進!!!

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【2017年2月25日15時50分】 真岡鐵道線・下館駅

客車の脇を通って、駅構内外れへ。ポイントを通過して本線側に転線、
すぐに客車の方へ...

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【2017年2月25日15時53分】 真岡鐵道線・下館駅

極めて手早い作業である。
車掌さんの手旗による誘導で、客車のところへとやってくるのである。

実は、この一連の作業が、日本で客車列車が“絶滅危惧種”となる1つの理由。
終着駅で客車編成の前後で機関車の付け替えを行う必要があるということ。
俗に「機回し」と呼ばれる作業、このためには終着駅には“側線”とか
“機回し線”とか言われるもう1本の線路があることが必須となる。
さらに、客車と機関車に分かれているので、ワンマン運転は不可能で、
それも客車列車がなくなる原因になった。

それにしても、手早い機関車交換だったが...

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【2017年2月25日15時53分】 真岡鐵道線・下館駅

ちなみに、この時点で列車の最後部には、そのまま、C11 325号機が
連結されたままになっている。つまり、下館駅に到着したSL列車を
機関区のある真岡まで回送する必要があり、DE10ディーゼル機関車が
それを牽引するのだが、単線の真岡線で、さらに下館駅にもSL列車を留置
できるほどの線路の余裕がないため、この回送列車で客扱いを行うことにして
緑色のディーゼル動車で運転する通常の普通列車を下館 → 真岡間で
運休にする扱いを取っていると言うこと。

時刻表を見ても、

 下館 16:04 → 真岡 16:34 → 茂木 17:22

というダイヤの下り第131列車というのがあるのだが、注記として
“「SLもおか」運転の日は下館-真岡間運休”と書かれている。

その代わりに設定されているのが、

 下館 16:03 → 真岡 16:31

第6103列車である。

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【2017年2月25日15時50分】 真岡鐵道線・オハフ50 33車内

さて、ディーゼル機関車の連結作業を見学したら、早速、50系客車へ。
でも、真岡側の2両、オハ50 11とオハ50 22の2両は残念ながら回送扱い。
ドアは開いているのだが、乗車しても良いのは最後部のオハフ50 33だけ。

その車内は、SL列車から折返し乗車になると思しき、子ども連れで賑やか。
それに混じって、部活帰りの学生や用務客など沿線の一般の利用客。
オハフ50 33の車内はほとんどの座席が埋まるくらいの混雑率。

非冷房・セミクロスシートの車内、デッキとの仕切り扉は独特の両開き仕様、
国鉄末期からJR化初期、<変態鉄>がかろうじて間に合った時代の
普通客車列車の50系客車、その姿が非常に良く残っている。

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【2017年2月25日16時12分】 真岡鐵道線・久下田駅

途中、久下田駅では数分間の停車時間。
真岡線の主力は、モオカ14形という軽量ディーゼル動車の1~2両編成、
だから各駅のホーム有効長には余裕がなく、この客車編成をスッキリと撮る
ことはできなかったが、夕暮れ迫る小さな駅に停車中のDE10+50系編成、
自分もあと5年早く生まれていたら、こういうシーンを“当たり前”のように
見ることが出来たはずだが...、う~ん。

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【2017年2月25日16時13分】 真岡鐵道線・久下田駅

ちなみに、最後部のC11にも機関士さんが乗務していて。駅の発車時などには
先頭のDE10との間で汽笛の合図。
このサウンドを残せれば良かったのだが、でも、第6103列車に乗ってから
気づいたのは、<変態鉄>のバッグに入っていたICレコーダのメモリーカードが
一杯だったと言うこと。あぁ...、相変わらず、である。

久下田、寺内と通過すると、30分間のローカル客レの旅も早くも終点。
その終点・真岡駅到着を告げる車内放送には、「ハイケンスのセレナーデ」、
国鉄型客車の車内放送装置にはオルゴールが付いている。
生で聞くのは久しぶりである。ちなみに、電子チャイムバージョンだった。

その終点・真岡駅ではホームの後ろ寄りに停車。
前側に“縦列停車”の状態で、茂木ゆき第131列車が入ってくる。

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【2017年2月25日16時28分】 真岡鐵道線・真岡駅

第6103列車からの乗客の乗り継ぎが済めば、すぐに発車時刻である。
大急ぎで、跨線橋を渡って上りホーム。

そう、客車列車は正面よりも、できるだけ側面がちに撮らないと。
正面ドカンで撮れば、単なる機関車のアップにしかならないのである。

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【2017年2月25日16時30分】 真岡鐵道線・真岡駅

入庫のため、再びDE10のヘッドライトがともったら...

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【2017年2月25日16時31分】 真岡鐵道線・真岡駅

いったん茂木方面に向かって発車。
SLが入らないように、こうやって撮れば、何だか90年台のローカル線を
訪れたような、そんな錯覚に陥りそうな画。

「オハ50系客車には、蒸機よりもDE10の方が似合う」

と、<変態鉄>は勝手に思っている。

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【2017年2月25日16時31分】 真岡鐵道線・真岡駅

でも、もちろん最後部のSLも撮らずには居られないわけで。

駅構内外れまで行くと方向転換。
今度はSLが先頭になってホームのない方の留置線へと転線される。

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【2017年2月25日16時35分】 真岡鐵道線・真岡駅

今度は急いで下りホームへ。「SLもおか」編成が留置線に戻ってきた。
到着すると、すかさずDE10ディーゼル機関車を解結して。

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【2017年2月25日16時37分】 真岡鐵道線・真岡駅

同時にSLも切り離されて、単機で機関庫に向かえば、続けてDE10も入庫。

50系客車は単独でこの位置に留置されるみたい。
すでに明日の運転に向けた整備作業が始まっていた。

まもなく17時、次の上り列車は17:25発。それまで...(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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コメント 2

johncomeback

所沢在住の息子は昨年29歳で結婚しましたが、
東京では既婚率はかなり低いんでしょうね。
近年は一人鉄旅の女性(オバハンをよく見かけます。
by johncomeback (2017-03-09 13:27) 

あるまーき

johncomebackさん

コメントありがとうございます。
自分は今日で39ですが、予定はいっさいございません。
確かに、最近は女性の鉄旅も珍しくなくなりましたね。
時折、撮影地でも見かけるようになりました。

by あるまーき (2017-03-09 13:57) 

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