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富山地鉄14722-172号貸切撮影会20160828(2)港のトラム!? [路線バスの旅]

今日のトップ画像は、やはりこの1枚だろうか。

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【2008年8月18日14時23分】 広島電鉄・八丁堀電停付近

トラム好きとしては恒例の「花電車」が運転されるのか否かが気になるところ。
そんな広島にも、ゆっくりトラムを撮りたいのだが、なかなか訪問の機会が...

このときも、乗り継ぎの、わずかな時間に大急ぎで市内中心部へ行って
撮ってきた1枚。

さて、日本国内に1社での路線長・車両数では広島の右にでるトラムはない。
でも、富山も「トラム王国」である。地鉄富山市内軌道線、富山ライトレール線、
それから、呉羽丘陵の向こうには万葉線と3社のトラムが走っている。

8月27日、富山に到着した<変態鉄>は、この日は地鉄ではなく久々に万葉線を
訪れる事にした。でも、旧北陸本線、あいの風とやま鉄道線で20分...では
つまらない。という訳で、久々に...

……  ……

2016年8月27日(土)曇り

富山駅から神通川の東岸を海水浴場としても知られる岩瀬浜まで結ぶ8キロあまりの
路線が富山ライトレール線。その前身はJR富山港線だった。

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【1991年8月15日】 富山港線(当時)・岩瀬浜駅

もともとは、富山駅の北側のホームに発着、北陸本線に沿って進み、富山口駅の
ところで左に急カーブ、岩瀬浜まで北上していた。

実際にはもうちょっと複雑な経緯があるのだが、富山港線を、
新幹線工事を機にJRから経営を分離しLRT化したものが富山ライトレール。
愛称は「ポートラム」。

JR時代は1時間に1本程度の運転。北陸ローカルの475系3連、それでも輸送力過剰
と言うことで、最末期には高山線用のキハ120系の“間合い運用”になっていた。
でも、LRT化を機に、超低床連接車が日中12分間隔での運転となり、駅の増設など
積極的な施策で、いまではそんな12分間隔のやって来る電車も、空席を見つけるのが
難しいくらいの乗車率になっている。

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【2016年7月30日10時44分】 富山ライトレール線・富山駅北-インテック前

<変態鉄>の富山での撮影時の“定宿”であるカナルパークホテル、
その目の前をポートラムが走っているので、見たり、スナップしたり、という
機会は少なくないが、なかなか乗車する機会には恵まれなかった。

11時少し前、そんなカナルパークホテルに荷物を預けて、JR...ではなくて
「あいの風とやま鉄道」富山駅の北口駅舎へ。その待合室部分に「ポートラムショップ」。

不確かな記憶、ポートラムの岩瀬浜駅から万葉線の越の潟に向かう路線バスが
土日限定で運転されていたような...、その“真相”を確認に向かったのだった。

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パンフレットをいただき、時刻も確認できた。ぬぁんと、1日に4本だけなのに
その2本目がちょうど間もなくホームに入ってくる11:00発。これまたラッキー!!

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早いもので、そんなライトレール線も開業から10年とのこと。
7月の訪問時に、その記念ラッピング車両を撮影したが、改めて記念きっぷも
衝動買いしてしまった。

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【2016年8月27日10時53分】 富山ライトレール線・富山駅北電停

ということで、富山駅北のホームに着くやいなや、岩瀬浜ゆきが到着。
車体に緑色のラインが入っているが、このアクセントカラーが車両ごとに
違っているのもポートラムの特徴。ドアが開くと2両のほぼ全席が埋まった。
北日本放送会館前の交差点を右折すると、線路は県道の中央へ。
インテック前を出て、次の奥田中学校前付近までが道路併用区間。JRから移管される際に
道路上へと移された部分である。

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【2016年8月27日11時23分】 富山ライトレール線・岩瀬浜駅

20分ほどで終点・岩瀬浜駅。富山港線時代の面影は完全になくなっているものの、
そのかわり、片面ホームの向かい側にはバス停が設置され、同一平面で
路線バスに乗り換え可能になっている。水橋漁港方面のフィーダーバスは、
ポートラムとデザインを揃えた地鉄のフィーダーバス。一方、射水市内の
コミュニティーバス路線「海王丸パーク・ライトレール接続線」は海王交通が
運行しており、土休日限定で岩瀬浜まで乗り入れている。

11:30発のバスは自分一人だけを乗せて出発。

「どこまで行かれるの??」、年配の運転手さん。
「新港東口までお願いします」と、すかさず<変態鉄>。

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【2016年8月27日11時30分】 富山市・東岩瀬駅付近(バス車内より撮影)

バスは富山港線時代からの撮影地として知られる、あの橋を通過し、
観光案内所として唯一富山港線時代の駅舎が残された東岩瀬駅前を通過。
さらにライトレール線を遡るかのように線路に沿って南下を続けた。

当初、自分一人しか乗客が居ないから案内放送を止めているのかと思ったが、
そう、射水市のコミュニティー路線。富山市内に位置するこの区間には停留所が
なかったということ。何だか、いすみ鉄道の撮影で時折利用する「いすみシャトル」と
よく似ている。

バスは、そのまま、蓮町駅の手前まで南下して右折、神通川にかかる萩浦橋を
一気に渡って草島、四方...と順調に走り抜けていった。
「輸送手段」としての役割ならば、接続駅を大広田か蓮町にすれば良いのに、
それをわざわざ区間が重複してでも終点・岩瀬浜駅での乗り換えとするあたり、
このフィーダーバスの運転が<乗り鉄>目的の旅行者に照準を絞っているという
証だろうか。考えてみれば、神通川にかかる道路橋で一番下流にあるのが萩浦橋。
神通川東岸、河口付近の岩瀬浜方面から西岸の射水市側に向かおうとすれば、
他の経路はないのである。

四方の町を過ぎればバスは海岸沿いの道路へ。と、突然、ワンマンテープによる
車内放送が始まった。そう、射水市内に入ると足洗地区からは小まめに停留所が。
でも、乗車客もなく。海老江付近からは地鉄射水線の廃線跡と思しき遊歩道が
チラチラと見え始め...

「次は新港東口」のアナウンスに降車ブザーを押したのだが...
バス停に停まる直前だった。県営渡船のりばの前には

欠航中

の看板が...嗚呼。でも、咄嗟の判断で...

「ごめんなさい、このまま新湊大橋を渡って対岸まで乗ります!!」
越の潟は富山新港を挟んで対岸にあたる。この日は実は非常に風が強かった。
バスは堀岡の集落を抜けて、真新しい道路へ。

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【2016年8月27日11時58分】 射水市・新湊大橋付近(バス車内より撮影)

いざ、新湊大橋へ。ここに来るときはいつも県営渡船に乗っていた<変態鉄>。
新湊大橋を渡るのも初体験である。

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【2016年8月27日11時59分】 射水市・新湊大橋付近(バス車内より撮影)

渡りきったところで車窓には、万葉線・越の潟電停が一望できた。
地図の上で位置関係を確認すれば、別に何の発見でもないのだが、実際にこの角度で
越の潟電停を撮ってみると、この路線の変遷がよく分かるわけで...

そう、海に向かってプツッと切れている線路、実はここはもともと陸地だった。
富山市内の神通川沿い、市内軌道線の現在の「富山トヨペット前」電停は長らく
「新富山」という名称だった。<変態鉄>が生まれる頃まで、ここから
四方を経て堀岡、いまの新港東口まで富山地鉄射水線というのが走っていた。
それが、いま海になっているこの区間を抜けて越の潟へと続いており、富山市内から
高岡中心部まで路面電車タイプの電車で結ばれていたのである。
それが工業地帯整備のため、掘込み式港湾として「富山新港」が建設され、
射水線の堀岡-越の潟間が海の上になってしまったのである。

さて、とはいえ...

バスは越の潟には入らない。新湊大橋を渡りきると大型商業施設内のバス停に
立ち寄って、終点は海王丸パーク。バスの運賃箱はビニールテープでぐるぐる巻き。
100円ショップで売っているようなビニールのケースのジッパーを開けて、
「お金はここに入れて下さい」、何でも運転手さんも数日前にこのバスの
乗務を始めたばかりで、まだよく分かっていない部分があるとか...

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【2016年8月27日12時06分】 射水市・海王丸パーク付近

500円の運賃を支払って下車。折返しのため走り去っていくバスを見送ったが...

思わぬところで予定が...

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【2016年8月27日12時08分】 射水市・海王丸パーク付近

このとき、空は分厚い灰色の雲に覆われていて、風も強く...
雨が降り出さないうちに万葉線電車を撮って富山に戻りたかったが、でも、
折角、海王丸パークまで来たのだから。

“The Most Beautiful Bays in the World”
う~ん、<変態鉄>のアタマでも十分に理解可能な英語である。
ドン曇りだと、あまりそうは見えないのだが...

カモメたちが飛び交う先に、「海王丸」が休んでいたのだった。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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