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201607-08 暑くて熱い富山へ(12)宇奈月でトロッコ<前編> [富山で撮った]

18日の晩のことだが、あのヒコーキ会社のサイトで、ポチッ、ポチッと。
と言うか、すでに決定していた出撃なのだが...、この撮影記を書き終える前に、
次の出撃先も、また富山である。

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【2016年7月30日16時29分】 富山地鉄本線・東新庄-新庄田中

周囲に何と言われようと、あの2枚窓の電車たちを撮りに行くのである。

でも、その前に。8月1日の富山での撮影記、いよいよ大詰め。

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【2016年8月1日13時16分】 黒部峡谷鉄道・宇奈月駅付近

地鉄電車の終点、宇奈月温泉駅ホームの向かい側は、黒部峡谷鉄道の宇奈月駅。
この日は久々に“トロッコ電車”の撮影に向かったのである。


……  ……

大正から昭和にかけて、黒部から宇奈月、さらに黒部川の急流に沿って上流へと
鉄道が敷設されていく。宇奈月までは地鉄の前身である黒部鉄道、そこからは日本電力の
専用線として762 mm軌間の専用軌道として敷設された。

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やがて、欅平まで20 kmが開業、さらに昭和初期には竪坑の巨大エレベータに
貨車をそのまま積み込んで上部軌道へ...、黒部川第三発電所建設のために掘られた
吉村昭の小説「高熱隧道」で有名になった区間もその先にある。

宇奈月-欅平間だって、電源開発のため、命懸けで切り開かれた鉄道だが、
戦後、地方鉄道となり、いまでは関西電力の子会社である黒部峡谷鉄道の路線、
国内屈指の観光路線としての立場を確固たるものとしている。

ただ、水力発電所向けの専用線というこの路線の生い立ち、沿線の多くが
国立公園の区域内であるなどもあって、そもそも並行道路など存在せず、
沿線を自由に歩き回ることすら出来ず、<撮り鉄>にとって、
事実上“お手上げ状態”の路線であるのも間違いないところ。

でも、762 mm軌間の小さな小さな車体、全旅客列車が電気機関車牽引、
工事列車と呼ばれる発電所向けの輸送列車や、超個性的な編成の貨物列車など...
車両面でも魅力的な被写体が。

以前、連れて行ってもらったことがある宇奈月駅近くの、事実上、沿線で唯一の
編成写真が撮れるスポットへ。

……  ……

2016年8月1日(月)くもり

その撮影地については、すでに記事にした通り(→ こちら)。

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【2016年8月1日13時16分】 富山県黒部市宇奈町黒部峡谷口付近

駅を通り越して「やまびこ展望台」に通じる通路へ。

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【2016年8月1日13時15分】 富山県黒部市宇奈町黒部峡谷口付近

「やまびこ遊歩道」というのは、山彦橋が新山彦橋に架け替えられたときの旧線跡。
新山彦橋に向かう現在の高架線路が上から覆い被さるようになっており、ちょっと
窮屈な感じなのだが...

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【2016年8月1日13時15分】 富山県黒部市宇奈町黒部峡谷口付近

ちょうどその窮屈感が最も高まる付近が、現在の宇奈月駅構内ハズレの留置線付近。
なかなか見ることができないバッテリー機関車が停まっていた。

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【2016年8月1日13時13分】 富山県黒部市宇奈町黒部峡谷口付近

新山彦橋を右上方に眺めながら、山彦橋を渡って右側へのびるトンネルへ。

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【2016年8月1日13時09分】 富山県黒部市宇奈月町明日音澤付近

素堀の細いトンネルは、ところどころに、水銀灯だろうか?! オレンジ色の光が
あるだけ。そのトンネルを抜けると、道路が続いており宇奈月ダムが見えてくる。

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【2016年8月1日11時46分】 富山県黒部市宇奈月町明日音澤付近

さぁ、撮影地に到着である。道路際に三脚を置くのだが...
筋交いの斜めの鋼材が入った門形の架線柱、そこで「電気機関車を抜く」には
どうするべきか...、1歩ずつ歩きながらカメラを構え直して。

このところ、何だか「架線柱恐怖症」になってしまった<変態鉄>なのである。
その挙げ句、考えすぎて“串パン”を連発しているのだから...嗚呼。

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【2016年8月1日11時46分】 黒部峡谷鉄道本線・柳橋-宇奈月

ダム越しに新山彦橋が一望できるのもココの特徴。
実は、タッチの差で撮り逃したのは上り「工事列車」だった。ちょっとショック。

たびたび出てくる「工事列車」というのは黒部峡谷鉄道特有の列車。
旅客列車にも連結されている「リラックス客車」が数両、最後部に無蓋貨車という
短編成の列車で、車内はヘルメット姿の発電所関係の作業員の姿。

ちなみに、宇奈月駅改札前の出発案内にも「工事列車」という表示がある。
一般客はもちろん乗ることが出来ないが、<変態鉄>は500メートル程だけだが
便乗したことがある。客車と貨車を混結した“混合列車”のスタイルが残っているのは
いまや、ここだけではないだろうか。

さぁ、工事列車を撮り逃したのは惜しいことをしてしまったが、気を取りなおして。
全線単線、でも、日中の列車間隔は20分毎。時刻表に書かれた列車本数が少ないのは
その分だけ、工事列車や貨物列車など、発電所関連の列車が多いと言うこと。

列車は意外と頻繁にやって来るのである。上り工事列車が宇奈月駅に到着すると
交換して、11:48発の下り列車が出発。

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【2016年8月1日11時46分】 黒部峡谷鉄道本線・宇奈月-柳橋

オレンジ色の電気機関車重連が、欅平方からオープンタイプの普通客車と
窓付きでクロスシート装備のリラックス客車(または特別客車)を各6~7両の
編成というのが標準。機関車を入れて15両程度の編成...といえば、さぞかし
長編成かと思いきや、762 mm軌間の車両というのは小さいのである。

この写真、機関車の運転台に装備された扇風機、それからかすかに見える
運転士さんのシルエットを見ていただきたい。車両はかなり小さいのである。

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【2016年8月1日11時46分】 黒部峡谷鉄道本線・柳橋-宇奈月

さて、続いて宇奈月ゆきの上り列車である。振り返ってトンネル飛び出し。
山影に入る位置で、あまり明るくない。「どうせ、それほどのスピードは...」
正直、甘く見てしまった。シャッター速度を1/320秒にしていたら、
思いっきり被写体ブレを起こしていた。嗚呼。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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