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撮影地備忘録 No. 0017 黒部峡谷鉄道本線・宇奈月-柳橋 [撮影地 備忘録]

誰にとって何の役に立つのか、全く分からないこのシリーズ。
でも、拙ブログの中では“他の追随を許さない”くらいの閲覧数(PV)がある。

ということで、過疎化が著しく進行している拙ブログの救世主として???
いや、そんなことではなく、次回訪問時のために情報をどこかにまとめておきたくて
こんな記事を書いているのである。

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【2016年8月1日13時39分】 黒部峡谷鉄道本線・宇奈月-柳橋

さて、8月1日に訪れたこの地点から。
国内で旅客営業を行う“特殊狭軌”路線は、いまや三重県の2社3路線とここくらい。
しかも、全旅客列車が機関車牽引の客車列車というディープな路線と言うことで
もっと注目されても良いはずだが、あまり、撮影記がアップされていないのは...

……  ……

この路線の性格による。もともと電力会社の専用線...的な位置づけだった同線、
“便宜乗車”として一般客の乗車が認められていた時代が長かった。
「生命の保証はいたしかねます」と注記された乗車券は、いまだ<鉄>の間では
一種の伝説のようによく知られたところ。

さらに、発電所関係の規制とともに、沿線の多くが国立公園の区域内に属しており、
草木の伐採や持ち帰りなどは厳しく規制されるエリアでもあり、
そもそも自由に立ち振る舞うことは許されないのである。

途中駅も基本的にはダム・発電所関係者以外は乗降すらできず、乗降可能な
黒薙(くろなぎ)は数百メートル先の温泉(ここが実は宇奈月の元湯にあたる)まで
鐘釣(かねつり)、終点の欅平(けやきだいら)も駅周辺の散策コースと
一部の登山道しか一般客が入ることは事実上許されない。

ちなみに、宇奈月周辺の今回紹介するポイントの少し先までで、一般の道路は
途絶えており、発電所関連の重機や自動車!!、関係する職員の食料品や日用品類、
さらには、周辺で生じたゴミまで、すべて峡谷鉄道の貨物列車で輸送する。
(冬期運休中には線路沿いの“冬期歩道”を職員が担いで徒歩で輸送する)

そんな特殊な路線ゆえ、全国でも屈指の風光明媚な路線でありながら、
ほとんど撮影できる場所がないのである。

なお、観光ガイドやパンフレット類に載っている写真も、その多くは撮影には
特別な許可が必要な場所からのものであり、フツーの<撮り鉄>が撮りたくても
同じ構図では絶対に撮れないものがほとんどなのである。

ということで、前置きが長くなったが、たぶん、沿線で唯一の編成写真が撮れる
スポットが宇奈月駅から徒歩10分ほどのところにある。

……  ……

<撮影地備忘録 No.0017> 黒部峡谷鉄道本線・宇奈月-柳橋

まずは、宇奈月駅から撮影地までの経路をご案内したい。(徒歩約12分)

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スタートは黒部峡谷鉄道・宇奈月駅。いつも大型観光バスが停車し、
人気の程がうかがえる。駐車場はこのエリアにたくさんある。

ちなみに、富山地鉄の宇奈月温泉駅と峡谷鉄道の宇奈月駅は隣接しているが、
両駅は200メートルほど離れている。

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黒部峡谷鉄道・宇奈月駅前の駐車場の先に、有名な新山彦橋を俯瞰するポイント
「やまびこ展望台」への通路がある。それとともに、「やまびこ遊歩道」への
ガイドもある。それに従い、遊歩道に入る。

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コンクリート製の高架橋は、宇奈月駅を出発した直後の線路。
ちなみに、この遊歩道は「新山彦橋」に切り替えられる前の峡谷鉄道の旧線跡。

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さて、遊歩道を進めば、まもなく山彦橋を渡る。ちょっと見上げる形で
新山彦橋をゆく列車を撮ることも可能である。ここで撮られた写真も観光パンフで
よく見かける。

今回も、ちょうど山彦橋を渡っているタイミングで列車が来たので...

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広さは十分にあり、ここで撮影を楽しむのも可能である。

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さて、その先にY字路があり、右にはトンネルが見える。ちょっと怖いが、
ここに入るのである。

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中はところどころにランプがある程度。素堀の狭いトンネルでヒンヤリする...
よりも、壁面も路面も濡れていて蒸し蒸しする感じだろうか。

5分ほど歩けばトンネルを抜ける。

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そのすぐ先に、左へと上る階段が続いている。
それを登り切ると舗装された道路へと出る。左側の築堤が峡谷鉄道の線路。

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あとは道なりである。道路は急な上り勾配になっていて、やがて線路と
同じ高さになる。その先でトンネルに入るのだが、そのトンネル手前での撮影。
(宇奈月駅から、徒歩10~15分)

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ちなみに、振り返れば、宇奈月ダムが間近に見えている。

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【2016年8月1日12時29分】 黒部峡谷鉄道本線・宇奈月-柳橋

また、道路越しに新山彦橋を見ることができる。ここから撮影地まで列車は
1分以上かけて走るので、下り列車を撮る際は、ここで編成の確認が可能。
(通過中の列車は、発電所関連の“工事列車”)

宇奈月駅を出て欅平に向かう下り列車を直線区間での編成写真として、
欅平から下りてきた上り列車のトンネル飛び出しの瞬間を撮ることができる。
なお、線路は下り列車(欅平ゆき)にとって、ほぼ北から南に向かう形だが、
山影に入り、あまり陽当たりの良い場所ではない。

では、この地点(宇奈月町舟見明日音澤)での作例をば。
なお、撮影時のデータをそのまま載せているため、
ミスショットもそのまま載せたが、あくまで参考としてみていただきたい。


メモ: 撮影地周辺にはトイレ・飲食物の調達はできない。
宇奈月駅前で済ませておくべきである。なお、撮影地の道路は比較的頻繁に
クルマの往来があるので、油断されないよう。



<下り列車>

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【2016年8月1日11時49分】 黒部峡谷鉄道本線・宇奈月-柳橋
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 105.0 mm 露出 F8.0 1/320秒 ISO400
マニュアル露光 AIフォーカスAF WBオート 三脚使用

大抵の旅客列車は、客車12~14両程度であるケースが多い。
下り方半分がオープンタイプの普通客車、後ろ側半分が窓付きのリラックス車か
特別客車という陣容となる。

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【2016年8月1日12時09分】 黒部峡谷鉄道本線・宇奈月-柳橋
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 130.0 mm 露出 F8.0 1/320秒 ISO400
マニュアル露光 AIフォーカスAF WBオート 三脚使用

不意に、こういった“変わりダネ”もやって来る。基本的に約20分ヘッドの運転。
駅で配布される時刻表で列車間隔が40分空いていたり、当日に運転予定のない
不定期列車が書かれているスジは、発電所向けの“工事列車”
(リラックス客車数両+無蓋貨車1両)または写真のような貨物列車となる。
多分、ブルーシートの下の積み荷は、ワンボックスタイプの軽だと思われる。
こうした資機材もすべて貨車に積まれて輸送される。

旅客列車は電気機関車重連、工事列車・貨物列車は単機の牽引が原則らしい。

最後尾に見えているのは、2軸オープン客車。旅客営業にはまず入らないが、
こうした貨物列車の緩急車代用のような形で走っている姿を見かける。

なお、自戒を込めて言えば、この撮影地から道路越しに新山彦橋をのぞむことが
できる。あの橋を渡っている編成を見てから、構図を決めても撮影には十分
間に合う。貴重な編成が来たときはズームを回して、構図を再調整してから
撮りたいところ。



<上り列車>

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【2016年8月1日12時17分】 黒部峡谷鉄道本線・柳橋-宇奈月
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 130.0 mm 露出 F6.3 1/320秒 ISO400
マニュアル露光 AIフォーカスAF WBオート 三脚使用

ちょっと強引なトンネル飛びだし。誰も居ない、黒部川の水の音以外聞こえない世界、
突如、トンネルから、8月でも思わず「寒っっ!!」と声を出したくなるほどの冷たい
走行風が自分の方へ...

何だか物の怪を感じそうな雰囲気になった頃、カーブしたトンネルの奥から
機関車の力強いサウンドが聞こえてくる(ホント!!)。

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【2016年8月1日12時37分】 黒部峡谷鉄道本線・柳橋-宇奈月
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 85.0 mm 露出 F5.6 1/320秒 ISO400
マニュアル露光 AIフォーカスAF WBオート 三脚使用

アウトカーブなので、重連の機関車の後ろの客車の姿は捉えにくいが、
とりあえず、1両目のリラックス車の姿は見えている。

上り列車が通過したら、三脚ごと「回れ右!!」して、下り列車に備え、
下り列車が通過したら...、上下列車で撮影機会はほぼ10分間隔。
意外と多彩な編成にも出会えるので、帰る時間が決まっていなかったら
いつまででも楽しめる撮影地だった。

最終訪問日 2016年8月1日


ご利用にあたっての注意点等は、こちらから。

http://gohachinihachi0309.blog.so-net.ne.jp/2011-12-13

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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