SSブログ

201510 神戸・四国へ(1)きっかけは「ロクゴー」 [その他の鉄話]

今日の話題に入る前に。
実は、一昨日の昼、Canonのサービスセンターから1件の電話が...
ぬぬっ、これは...。『予定より早く修理が終わりましたので』だろうか!?
しかし、電話口の女性は最初から何だかちょっと言いづらそうな感じで。

「交換予定の部品の入荷が遅れておりまして...
 届き次第、修理は行わせていただきますが...」

何と、先日、IS、手ブレ補正の不具合で“入院”した、わがレンズ“28-300”の
“退院予定日”が「12月中旬以降」となってしまった。
という訳で、今冬の出撃計画は大幅な変更を余儀なくされてしまった。嗚呼。

01_DPP_2639.JPG
【2015年10月27日7時20分】 予讃線・高松駅

でも、気を取りなおして10月25日からの「神戸・四国撮影記」。ようやくアップである。

とはいえ...
そう、今日の記事で、あっさり神戸に到着する...わけがない。
拙ブログ史上、最長の「プロローグ」になりそうな勢い。
……  ……

10月26日から29日まで仕事は5連休となった。公休日の25日(日)を合わせれば、
結構長い休みとなる訳である。休みの間に、自宅に持ち帰った仕事をしないと
いけないのだが、それでも、28日中に帰宅するようにすれば、まる1日捻出できる。

しかも...である。有効期限が近づきつつある

03_milage.png

コレとともに、半年に1回送られてくる「株主優待」、その期限が11月末に迫りつつあった。
ということで青いヒコーキで行ける出撃先を検討したのだが...

最初は福井鉄道福武線に高床大型車200形を撮りに行くつもりで、プランをつくり、
あとはヒコーキとホテルを予約するだけ...の所まで行っていた。
でも、10月中旬に立て続けにトラブル、200形を含む大型車が運用停止に追い込まれた。

急遽、変更!!!  という訳で...

・ 熊本電鉄に「青ガエル」を撮りに行く (羽田-福岡 or 熊本)
・ 若桜鉄道(鳥取県)の沿線に残る鉄道遺産を見学に行く (羽田-鳥取)
・ 札幌市電の延伸工事の進捗状況を見つつ、函館市電を撮る (羽田-新千歳 or 函館)

などなど。撮りたい、訪れたい路線を検討したのだった。(他にもいろいろ)
そんなとき、ネットでテキトーに調べていて、偶然、ヒットしたのが...

02_DPP_2642.JPG
【2015年10月25日10時07分】 神戸市交通局西神山手線・名谷車両基地

初日、10月25日は神戸市営地下鉄の車両基地、名谷車両基地の公開イベント!!
この車庫敷地内に「市電保存庫」というのがあって、往年の神戸市電2両が...

緑色濃淡の上品な塗色、曲線を多用した優美なデザイン、
「ロマンスシート」と称された転換式クロスシート装備の車内...

そんな車両を観察したい、初日は神戸へ。ということで朝の伊丹ゆきを予約!!
神戸に行けば、四国はすぐ目と鼻の先。高速バスに乗ればあっという間。
「四国」、<鉄>として、いや、<変態鉄>として真っ先に思ったのが、

『ロクゴーに逢いに行きたい!!』

保存車が伊予西条にいるはずである。

03_DPP_2640.JPG
【2015年10月27日13時42分】 愛媛県西条市大町・四国鉄道文化館

ということで、今日は、この旅の目的地を「四国」とする決め手になった
“ロクゴー”、キハ65形急行型ディーゼル動車を。

ちょっと今日は説明が長くなるのだが...

IMG_9249.JPG
【2011年3月3日13時03分】 高山本線・西富山-婦中鵜坂

拙ブログにたびたび出てくる車両、キハ58系急行型ディーゼル動車。
こちらは、1960年(昭和35年)から北海道から鹿児島まで全国に配置され、
幹線からローカル線まで、蒸気機関車牽引の優等列車の「無煙化」を進めるため、
「北海道型」「信越型」などの傍系も含め、10年にわたって1800両ほどが製造された。

しかし、この車両、いや、大半の国鉄型ディーゼル動車には大きな欠点があった。
それは「エンジン」である。ディーゼル車にとっての心臓部。

04_IMG_9733.JPG
【2011年4月8日12時43分】 いすみ鉄道・デンタルサポート大多喜駅

このエンジンの元設計は昭和初期に製作されたガソリンエンジン、それをもとに
ディーゼルエンジンを設計、それは1941年(昭和16年)頃に完成していた。
それが「DMH17系」のはじまり。その「初代DMH17」は同年中に試作品ができたが、
戦争により鉄道用ディーゼルエンジンの開発は凍結された。

そして、戦後の混乱が一段落した頃、メーカー工場に残っていた鋳型を使って
DMH17エンジンの製造が開始され、マイナーチェンジを重ねながらも、
昭和45年頃までに製造されたディーゼル動車には、基本的にコレが採用された。

時代背景、財政面、営業面、国鉄内部のさまざまな事情も相俟って、
できるだけコストをかけず、増大する車両需要を賄うため、すでに30年以上前の技術
でも、実績のある「DMH17系」エンジンを採用し続けたのである。

そんなDMH17系は非力なエンジンだけに、ちょっとした勾配でも必死に唸りをあげ、
速度も落ちて、キハたちは、まさに喘ぎ喘ぎ、勾配を登っていくのである。
<鉄>、いや、<変態鉄>にはそれが堪らないのである。

やっぱり、喘ぎ声が大きい方が...いやいや、話が逸れてしまう。

IMG_9195.JPG
【2011年3月3日10時16分】 高山本線・速星-婦中鵜坂

さて、話を戻して。拙ブログには「キハ58」「キハ28」という形式名がよく出てくる。
「飛越ゴハチ」でも“同じ車両を2両”なのに、“ゴハチ”と言ったり“ニハチ”と
言ったり...である。DHM17系エンジンでは2基エンジン車と1基エンジン車が製造されて、
2基エンジン(=360 ps)は50番台の形式、1基エンジン車は20番台の形式となった。

でも、これが意外な問題を引き起こすことになる。

東海道本線などの幹線は早々に電化が進められた。ディーゼル動車が活躍するのは
地方の山岳路線が多かった。そう、2基エンジン車中心の馬力のある車両を使用。
でも、地方や山岳部でも道路整備が進むと同時に都市間バスが強力なライバルに。
対抗上、ローカル急行でも車両冷房化は必至の情勢となった。

このとき、2基エンジン車では走行用とは別に、冷房用発電エンジンを搭載する
スペースがなかった。このため、キハ28(1基エンジン車)に自車と、
キハ58(2基エンジン車)2両に給電可能な発電エンジン(4VK)を取り付け、
冷房化することになった。つまり、馬力が欲しい山岳路線でも3両に1両は1基エンジンに
なってしまい、冷房化で車両が重くなり馬力が落ちてスピードが出ない...

そこに現れたのが...

05_DPP_2641.JPG
【2015年10月27日14時02分】 愛媛県西条市大町・四国鉄道文化館

キハ65形。1969年(昭和44年)、キハ58に遅れること10年ほどの時期、
床下に、何と1基で500 psという強力エンジン・DML30HSDを装備、余裕のできた
床下スペースに前述の冷房用発電エンジン・4VKを搭載、これで一気にパワーアップ。

登場が10年違えば、車体のデザインも変わるわけで、2段式ユニット窓、
2枚折り戸の側面は、キハ58編成の中でちょっと“浮いた”存在。
でも、四国・九州地区を中心にまとまった数が配置され、<変態鉄>としても
<変態ガキ鉄>時代に、急行列車として最後の活躍をするキハ65に乗ることもあった。

でも...でも...である。なぜか、キハ65形の写った写真はほとんど無いのだ。

200708_dosansen_kochi_07.jpeg
【2007年8月】 土讃線・阿波池田駅

キハ58が好きだった<変態鉄>、ロクゴー側ではなくゴハチ側から撮っている。
拙ブログ開設当初の記事に載せたこの写真も、やっぱりそう。

キハ58+キハ65の基本編成を2本併結、4両編成で高松ゆき快速となって折り返す
シーンは、土讃線・高松-琴平-阿波池田ローカル最末期の“見せ場”だった。
その出発準備中のシーンである。

06_200708_tadotu_dosan_03.jpeg
【2007年8月】 予讃線・高松駅

高松駅で発車を待つ阿波池田ゆき。珍しくロクゴー側の写真だが、
キハ185系特急「いしづち」に被られて、キハ65形の姿はほとんど見えていない。

07_199111bara_kuwana_kururi_08.jpeg
【1991年10月22日】 関西本線・弥富駅

東海地区では快速「みえ」で活躍、何度か乗車する機会も得た。
このときは全くの偶然、でも、ゴハチ側から撮っている。
(この頃の<変態ガキ鉄>は、車両形式などほとんど分からず撮っていた)

キハ58系の1基エンジン車、キハ28は、いまも、いすみ鉄道を走っている。
でも、キハ65は改造車も含め全車が現役を退き、保存例も伊予西条の1両くらい。

ちゃんと撮っていなかった、その車両を撮りに行くことが今回の大きな目的だった。

でも、まずは神戸市電を探しに、名谷車両基地へと向かったのである。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

あなたの「ポチッ!」こそが、励みになります。あっ、あと、「nice!」も。
にほんブログ村 鉄道ブログへ
にほんブログ村

[お知らせ]
<非鉄>ネタで気楽につくるサブブログ「金失いの道すがら」も
少しずつ再開していきます。こちらのリンクよりお越し下さい。
こちら → http://moha14722since1962.blog.so-net.ne.jp

nice!(21)  コメント(2)  トラックバック(0) 

nice! 21

コメント 2

ハヤブサくん

ロクゴー=EF65型電気機関車、キハ撮影の前座としてPFの四国運用(貨物列車)を撮影されたのか?と結構本気で思いましたが。
キハ65って実物は見たことが無いと思います。キハ58との違いや誕生の経緯など、解説とてもわかりやすかったです。
by ハヤブサくん (2015-11-15 11:13) 

あるまーき

ハヤブサくん さん

コメントありがとうございます。
そうですよね。「ロクゴー」といえば電気機関車のEF65を思い浮かべるのが、普通の鉄道ファンの考え方であるのは間違いないと思います。
キハ65は、西日本中心の配置だったため、関東圏には縁がない車両でした。確か、JR東日本には1両も承継されなかったはずなので、名古屋以西でないと見ることができませんでした。

解説は、いくつかの文献を読みつつ、学生時代のレポートを書くような感覚で書くのですが...、難しいですね。「わかりやすい」と仰っていただけると、書いている者として非常に嬉しいものです。ありがとうございます。
気をつけてはおりますが、ミスがあるかも知れません。お気づきのところは、ご指摘いただければ幸いです。
by あるまーき (2015-11-15 22:58) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0