35. 細くて長い駅(不二越線・大泉駅) [探訪!! ちてつ百景]
東京は、木曜日にまた雪になるらしい。
降雪地の皆さんは驚かれようが、でも、東京では積雪1センチでも大混乱になる。
富山の街と違って東京の歩道は結構表面が滑らかなタイルのような舗装面が多い気がする。
雪が降ることを想定して、滑りにくい仕様になっているわけではない分、
思いっきり滑る...、そんな気がする。
受験シーズンを迎えても、拙ブログは「滑る、滑る」と連発している訳だが...
何度か書いたように、何だかんだで仕事が多忙を極めており、実は今日で10連勤に
なってしまった。ということで水曜こそは休みをとると固く誓ったのだった。
【2014年12月10日15時05分】 京王線・明大前駅(後追い)
そう、つまり、拙ブログはいまネタ切れ警報発令中なのである。
撮りに行かないと書くことがなくなってしまう。冒頭写真も何にしようか迷って...
本文とは殆ど関係のない、いや全く関係のないDAXの写真で。
だから、明日は絶対にカメラを持ってお出かけ!!
でも、今夜は...、過去の写真を漁って、何か書くことは...と探してみたら...
…… ……
久々のこのシリーズ。小さな無人駅をご紹介したい。
地鉄不二越線は、稲荷町-南富山を結ぶ短距離路線。
拙ブログでは、「上滝・不二越線」としてまとめて書くようにしているが、
運転系統もその通り。すべての列車が「南富山経由岩峅寺ゆき」として、
不二越線だけという運転系統は存在せず、上滝線と一体になっている。
【2014年11月2日13時29分】 富山地鉄上滝不二越線・岩峅寺駅
いまの上滝線は立山を目指して敷設された富山県営鉄道の流れを汲む。
一方、この不二越線の前身は、富山軽便鉄道の手により1914年(大正3年)に敷設された
富山-笹津間の路線。その結節点だったのが、「堀川新」駅、いまの南富山駅である。
この笹津への路線、富山軽便鉄道自体が国鉄高山本線のルートとして国に買収される
ことを意図して建設されたなどとも言われているが、まもなく国鉄高山本線が、
大沢野経由ではなく神通川の対岸、八尾経由で開業すると乗客数は伸び悩み、
1933年には富山鉄道(富山軽便鉄道から改称されていた)は解散、南富山-笹津は
廃止となり、いまの不二越線となる区間が富南鉄道に移管された。
さらに富山電気鉄道に譲渡され、1943年(昭和18年)に戦時統合で富山地方鉄道が
発足すると、その路線となって、この年に電化も行われた。
不二越線の「不二越」とは不二越駅(旧名は山室駅)のすぐそばの産業機器メーカーの
社名からとったもの。
【2014年11月2日12時40分】 富山地鉄上滝不二越線・不二越-大泉
そんな経緯もあって地鉄不二越線は稲荷町-南富山間のわずか3キロの路線。
笹津線なき今、途中駅での接続もなく、実質的には上滝線と一体化しているのは冒頭の通り。
その地鉄不二越線、稲荷町駅を出ると、その不二越、大泉、そして南富山駅に至る。
沿線は富山市街地の東の縁にあたり、住宅と町工場が混在した下町風情の区間である。
【2014年11月2日15時30分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅
さて、前フリが長くなったが、今日は2014年の「ちてつ電車フェスティバル」の後
訪れた、この駅の様子をご紹介したい。
…… ……
そんな大泉駅、県道3号線の踏切の南側にある小さな無人駅である。
付近は住宅街。高いビルはないが住宅が建ち並び、県道沿いには大型店舗も。
そんな中にある。棒線構造、行き違い設備もなくホーム一面の小さな駅である。
【2014年11月2日15時40分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅
それにしても、何と言っても細長いのがこの駅の特徴だろうか。
県道の踏切横にガラス戸がある。これを開ければ駅舎内へ。
そこから、長~い通路を歩いた先にホームがある。
【2014年11月2日15時30分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅
中に入ればこんな感じである。
広くなったところにはベンチが並べられており、待合室になっている。
ワンマン電車の乗降方法を示した「乗車のしかた」のポスターが貼られたところは
かつては出札窓口だった部分。
【2014年11月2日15時44分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅
いまではカウンターに花瓶が置かれ、窓口はベニヤ板で塞がれてしまっている...
のは、地鉄の他の多くの無人駅と同じ。
かつては、列車の発着に合わせて駅員さんが、ここで切符を切ったのだろう。
窓口横をよく見れば鉄製の可動柵が見える。
さて、このままホームに向かって歩いて行こう。
【2014年11月2日15時30分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅
かつての駅事務室は正面、出札窓口側はベニヤ板で塞がれていても、通路に面した側面は
そのままになっており、中を覗き込むことができる。
よく見れば、ベニヤ板の裏には「出札口」の標記がそのまま残されている。
パイプ椅子に机、電話機が残っているのは、無人化後も冬期の除雪要員の休憩室に
使われるからだろうか。それにしても狭い!! 駅員さんの執務スペースの幅は
実質的に1メートル程度だろうか。
【2014年11月2日15時32分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅
その横の壁面に近くの病院の広告看板が掲出されているのも地鉄の駅の“標準仕様”。
「給食・寝具あり」というのも何となく懐かしい表現。昭和の香りが漂っている。
さらに...
【2014年11月2日15時32分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅
おっと、こちらは食事中の方には申し訳ありませんでした。
でも、他の駅でも思うのだが、地鉄の無人駅というのはなぜか荒廃した感じがない。
どこの駅も駅舎内は管理が行き届いている。
同じ富山県内の駅でも、Jで始まる鉄道の無人駅は、結構荒れているような...
…… ……
無人だった駅舎で、自分が夢中で写真を撮っているうちに数人の乗客がやって来た。
【2014年11月2日15時48分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅
慌ててホームに向かうと電鉄富山ゆきがやって来た。
ちなみにこの日は午後から激しい雨となった。沿線撮りを諦めて駅撮りにしようと
やって来たのがここだったのだ。
【2014年11月2日15時51分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅
激しい雨の中、駅名板を撮りに行くのが精一杯だった。
【2014年11月2日15時49分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅
電車が発車していけば、再び、この小さな駅には周囲から忘れ去られたかのような
静寂が戻ってくるのである。
【2014年11月2日15時49分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅
この「危険物御注意」と下車前途無効の注意書きも地鉄の駅の必須アイテムである。
これらを見ながら、寒くて暗い待合室のベンチに座って、お目当ての列車がくるのを
待っていたのだった。
…… ……
ちょっと話を脱線させよう。
【2014年11月2日15時49分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅
この駅の裏には、雑草が生い茂った空き地が。
【2014年11月2日15時44分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅
そして、駅の中には今もこのポスター。
現職警官が殺人で逮捕されるという衝撃的な事件があったのがココ、
その後、その逮捕された警官が不起訴になるという異例の展開。謎の事件である。
…… ……
さて、11月の冷たい雨が降る午後。16時になると外はだいぶ暗くなってきた。
「もう無理かなぁ...」、そう思っていたとき、時刻表に書かれていない時間に
突然、駅前の踏切機の音が。
慌ててカメラを持って飛び出したのだった。
【2014年11月2日16時27分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅
稲荷町の車両基地で開かれたイベント、そこで展示された市内軌道線の連接車
「トッキュージャー」のラッピング塗装の“サントラム”が黄色いディーゼル機関車に
エスコートされながら回送されてきた。
【2014年11月2日16時28分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅
折から降りしきる冷たい雨、ズブ濡れになりながら、でも、そんなことも忘れて
ズームリングを回しながら必死でシャッターを切っていた。
【2014年11月2日16時28分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅
電車用のホームを通過する路面電車。その姿が撮りたくて、雨の中、誰も居ない
ホーム上を全力で走ったのだった。
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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降雪地の皆さんは驚かれようが、でも、東京では積雪1センチでも大混乱になる。
富山の街と違って東京の歩道は結構表面が滑らかなタイルのような舗装面が多い気がする。
雪が降ることを想定して、滑りにくい仕様になっているわけではない分、
思いっきり滑る...、そんな気がする。
受験シーズンを迎えても、拙ブログは「滑る、滑る」と連発している訳だが...
何度か書いたように、何だかんだで仕事が多忙を極めており、実は今日で10連勤に
なってしまった。ということで水曜こそは休みをとると固く誓ったのだった。
【2014年12月10日15時05分】 京王線・明大前駅(後追い)
そう、つまり、拙ブログはいまネタ切れ警報発令中なのである。
撮りに行かないと書くことがなくなってしまう。冒頭写真も何にしようか迷って...
本文とは殆ど関係のない、いや全く関係のないDAXの写真で。
だから、明日は絶対にカメラを持ってお出かけ!!
でも、今夜は...、過去の写真を漁って、何か書くことは...と探してみたら...
…… ……
久々のこのシリーズ。小さな無人駅をご紹介したい。
地鉄不二越線は、稲荷町-南富山を結ぶ短距離路線。
拙ブログでは、「上滝・不二越線」としてまとめて書くようにしているが、
運転系統もその通り。すべての列車が「南富山経由岩峅寺ゆき」として、
不二越線だけという運転系統は存在せず、上滝線と一体になっている。
【2014年11月2日13時29分】 富山地鉄上滝不二越線・岩峅寺駅
いまの上滝線は立山を目指して敷設された富山県営鉄道の流れを汲む。
一方、この不二越線の前身は、富山軽便鉄道の手により1914年(大正3年)に敷設された
富山-笹津間の路線。その結節点だったのが、「堀川新」駅、いまの南富山駅である。
この笹津への路線、富山軽便鉄道自体が国鉄高山本線のルートとして国に買収される
ことを意図して建設されたなどとも言われているが、まもなく国鉄高山本線が、
大沢野経由ではなく神通川の対岸、八尾経由で開業すると乗客数は伸び悩み、
1933年には富山鉄道(富山軽便鉄道から改称されていた)は解散、南富山-笹津は
廃止となり、いまの不二越線となる区間が富南鉄道に移管された。
さらに富山電気鉄道に譲渡され、1943年(昭和18年)に戦時統合で富山地方鉄道が
発足すると、その路線となって、この年に電化も行われた。
不二越線の「不二越」とは不二越駅(旧名は山室駅)のすぐそばの産業機器メーカーの
社名からとったもの。
【2014年11月2日12時40分】 富山地鉄上滝不二越線・不二越-大泉
そんな経緯もあって地鉄不二越線は稲荷町-南富山間のわずか3キロの路線。
笹津線なき今、途中駅での接続もなく、実質的には上滝線と一体化しているのは冒頭の通り。
その地鉄不二越線、稲荷町駅を出ると、その不二越、大泉、そして南富山駅に至る。
沿線は富山市街地の東の縁にあたり、住宅と町工場が混在した下町風情の区間である。
【2014年11月2日15時30分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅
さて、前フリが長くなったが、今日は2014年の「ちてつ電車フェスティバル」の後
訪れた、この駅の様子をご紹介したい。
…… ……
そんな大泉駅、県道3号線の踏切の南側にある小さな無人駅である。
付近は住宅街。高いビルはないが住宅が建ち並び、県道沿いには大型店舗も。
そんな中にある。棒線構造、行き違い設備もなくホーム一面の小さな駅である。
【2014年11月2日15時40分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅
それにしても、何と言っても細長いのがこの駅の特徴だろうか。
県道の踏切横にガラス戸がある。これを開ければ駅舎内へ。
そこから、長~い通路を歩いた先にホームがある。
【2014年11月2日15時30分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅
中に入ればこんな感じである。
広くなったところにはベンチが並べられており、待合室になっている。
ワンマン電車の乗降方法を示した「乗車のしかた」のポスターが貼られたところは
かつては出札窓口だった部分。
【2014年11月2日15時44分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅
いまではカウンターに花瓶が置かれ、窓口はベニヤ板で塞がれてしまっている...
のは、地鉄の他の多くの無人駅と同じ。
かつては、列車の発着に合わせて駅員さんが、ここで切符を切ったのだろう。
窓口横をよく見れば鉄製の可動柵が見える。
さて、このままホームに向かって歩いて行こう。
【2014年11月2日15時30分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅
かつての駅事務室は正面、出札窓口側はベニヤ板で塞がれていても、通路に面した側面は
そのままになっており、中を覗き込むことができる。
よく見れば、ベニヤ板の裏には「出札口」の標記がそのまま残されている。
パイプ椅子に机、電話機が残っているのは、無人化後も冬期の除雪要員の休憩室に
使われるからだろうか。それにしても狭い!! 駅員さんの執務スペースの幅は
実質的に1メートル程度だろうか。
【2014年11月2日15時32分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅
その横の壁面に近くの病院の広告看板が掲出されているのも地鉄の駅の“標準仕様”。
「給食・寝具あり」というのも何となく懐かしい表現。昭和の香りが漂っている。
さらに...
【2014年11月2日15時32分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅
おっと、こちらは食事中の方には申し訳ありませんでした。
でも、他の駅でも思うのだが、地鉄の無人駅というのはなぜか荒廃した感じがない。
どこの駅も駅舎内は管理が行き届いている。
同じ富山県内の駅でも、Jで始まる鉄道の無人駅は、結構荒れているような...
…… ……
無人だった駅舎で、自分が夢中で写真を撮っているうちに数人の乗客がやって来た。
【2014年11月2日15時48分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅
慌ててホームに向かうと電鉄富山ゆきがやって来た。
ちなみにこの日は午後から激しい雨となった。沿線撮りを諦めて駅撮りにしようと
やって来たのがここだったのだ。
【2014年11月2日15時51分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅
激しい雨の中、駅名板を撮りに行くのが精一杯だった。
【2014年11月2日15時49分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅
電車が発車していけば、再び、この小さな駅には周囲から忘れ去られたかのような
静寂が戻ってくるのである。
【2014年11月2日15時49分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅
この「危険物御注意」と下車前途無効の注意書きも地鉄の駅の必須アイテムである。
これらを見ながら、寒くて暗い待合室のベンチに座って、お目当ての列車がくるのを
待っていたのだった。
…… ……
ちょっと話を脱線させよう。
【2014年11月2日15時49分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅
この駅の裏には、雑草が生い茂った空き地が。
【2014年11月2日15時44分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅
そして、駅の中には今もこのポスター。
現職警官が殺人で逮捕されるという衝撃的な事件があったのがココ、
その後、その逮捕された警官が不起訴になるという異例の展開。謎の事件である。
…… ……
さて、11月の冷たい雨が降る午後。16時になると外はだいぶ暗くなってきた。
「もう無理かなぁ...」、そう思っていたとき、時刻表に書かれていない時間に
突然、駅前の踏切機の音が。
慌ててカメラを持って飛び出したのだった。
【2014年11月2日16時27分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅
稲荷町の車両基地で開かれたイベント、そこで展示された市内軌道線の連接車
「トッキュージャー」のラッピング塗装の“サントラム”が黄色いディーゼル機関車に
エスコートされながら回送されてきた。
【2014年11月2日16時28分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅
折から降りしきる冷たい雨、ズブ濡れになりながら、でも、そんなことも忘れて
ズームリングを回しながら必死でシャッターを切っていた。
【2014年11月2日16時28分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅
電車用のホームを通過する路面電車。その姿が撮りたくて、雨の中、誰も居ない
ホーム上を全力で走ったのだった。
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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