(番外).もちろん、<録り鉄>も。 [飛越ゴハチを追った日々]
拙ブログ、開設当初から続くシリーズ「飛越ゴハチを追った日々」。
<変態鉄>が大好きだった形式、キハ58系急行型ディーゼル動車、
その“最後の”活躍の舞台となったのは高山本線の富山市内を走る区間。
富山市が実施した高山線増発社会実験で大幅な増発が行われ、車両不足が生じたため
隣の高岡で廃車予定だったキハ28・58形4両が急遽富山に転入、
ラッシュ時を中心に運行されたのだった。
その社会実験終了の日は2011年3月11日、それは、つまり半世紀間に渡った
キハ58系急行型ディーゼル動車の定期運行がJR線上から消滅することを意味した。
【2011年2月9日7時46分】 高山本線・越中八尾駅
2008年冬に雪の“千里カーブ”で、このゴハチニハチを撮って以来、
休みの度に富山に駆けつけては撮り続けてきた。
さて、ゴハチニハチの運用、朝夜ラッシュ時を中心とした運用だったが、
…… ……
夜運用の最後の1便、
第893D列車 越中八尾 20:01 → 富山 20:33
だけは、東京なら20時でもまだまだ多くの人が乗っているが、富山では...
部活で帰宅が遅くなった八尾の高校生と、富山に戻る人がわずかに利用する程度。
ボックスシートに陣取れば、のんびりとキハの旅を楽しめるのだった。
もちろん、最初は、駅ホームのバルブ(長時間露光)撮影に挑戦していた。
真っ暗なホームでの撮影、キハのヘッドライトやテールライトの光がレンズ内で
乱反射してしまい、いわゆるレンズフレアが頻発、撃沈の山を築いたのだった。
【2011年1月10日20時32分】 高山本線・西富山駅
「バルブは、もうダメか!?」と思っていた頃、別の撮影中にレンズを地面に落として破損、
型式の古いレンズだったので、修理不能となって、新しいモデルに交換となった。
これが“ケガの功名”。2011年1月10日、ようやく20時半の西富山駅で
“納得の1枚”を残すことが出来たのだった。
さて、そうなれば気になるのは“音”。
車内は通勤型改造されていたが足回りは生粋のゴハチニハチ、DMH17Hエンジンの
音を楽しみたいと思ったのである。
それまでにも何度か録音は試みていたのだが...
【2010年7月22日19時59分】 高山本線・越中八尾駅
「2両ワンマン」「わずかな乗客」、ドア扱いのない後部車両で録れば簡単に
良いサウンドが残せるだろう、そう思っていたら、これが甘かった。
乗客の動きの少ない後部のキハ58車内は、常連さんの八尾高校の部活帰りのメンバー。
ロングシートに座って、楽しそうに談笑していて...
マイクをもってキハの車内を「放浪」しはじめた<変態鉄>。
許可を得て、後部運転台にマイクを置かせてもらってもノイズが酷くて“撃沈”。
ボックスシートでマイクをセットすれば、その日に限って“同業者さんたち”が
車内で大声で<鉄談義>をはじめて失敗...などなど。
【2010年7月22日19時45分】 高山本線・越中八尾駅
2011年1月11日、夜の帳がおりて人通りも疎らになった越中八尾駅で発車を待つ
キハ58 477の洗面所の床にマイクをセットした<変態鉄>。
運転士さんに録音許可をお願いして...、ついでに...
仕切り扉は撤去されていたが、洗面所スペースにマイクを置けば、客室内の
乗客の会話は、やはり入ってこなかった。
出発直後から録音したうち、婦中鵜坂駅から西富山駅到着までを貼っておこう。
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
片面ホームの臨時駅(現在は駅に格上げ)を出発、企業団地の中を進んで
加速しながら、あのいつも撮影した築堤に躍り出て、井田川鉄橋を渡り、
新興住宅地を進めば、まもなく西富山駅に到着。その間のDMH17Hエンジンの咆哮、
でも、それだけではない。この録音データ、最後まで聞けば...
893D列車は上り列車と交換のため、西富山駅では6分ほど停車する。
その旨、西富山駅に到着後、運転士さんがマイクを通して車内放送を入れる。
そう、特別にお願いして、その冒頭に“アルプスの牧場”チャイムを入れてもらった。
鳴らしてもらえただけでもラッキーだが、しかも、この運転士さん、
1コーラスきれいに鳴らし切るために、途中で少しだけゼンマイを巻き直すという
高度な技まで使って下さったのだ。
もちろん、すぐさま、先頭のキハ28 2360の運転士さんのところへ
御礼を言いに行ったのは言うまでもない。
【2011年1月10日20時32分】 高山本線・西富山駅
その6分停車が終わると、まず、猪谷ゆきキハ120が出発、続いてこちらも発車。
旧国道8号線の下を潜り、右に曲がると左手から北陸本線の線路が近づいてくる。
合流すれば神通川鉄橋、これを渡り終えるとそこは富山駅の構内である。
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
今日は、西富山 → 富山間の分も貼っておこう。
「北陸本線、高岡・金沢方面、魚津・糸魚川方面は乗り換えです。」
当たり前に聞いた、このテープ放送も、まもなく過去のものとなろうとしている。
いまもこの録音ファイルをPCで再生して聴くと、この老兵たちを追った日々が
ありありと思い出されるのである。
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
あなたの「ポチッ!」こそが、励みになります。あっ、あと、「nice!」も。
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<非鉄>ネタで気楽につくるサブブログ「金失いの道すがら」も
少しずつ再開していきます。こちらのリンクよりお越し下さい。
こちら → http://moha14722since1962.blog.so-net.ne.jp
<変態鉄>が大好きだった形式、キハ58系急行型ディーゼル動車、
その“最後の”活躍の舞台となったのは高山本線の富山市内を走る区間。
富山市が実施した高山線増発社会実験で大幅な増発が行われ、車両不足が生じたため
隣の高岡で廃車予定だったキハ28・58形4両が急遽富山に転入、
ラッシュ時を中心に運行されたのだった。
その社会実験終了の日は2011年3月11日、それは、つまり半世紀間に渡った
キハ58系急行型ディーゼル動車の定期運行がJR線上から消滅することを意味した。
【2011年2月9日7時46分】 高山本線・越中八尾駅
2008年冬に雪の“千里カーブ”で、このゴハチニハチを撮って以来、
休みの度に富山に駆けつけては撮り続けてきた。
さて、ゴハチニハチの運用、朝夜ラッシュ時を中心とした運用だったが、
…… ……
夜運用の最後の1便、
第893D列車 越中八尾 20:01 → 富山 20:33
だけは、東京なら20時でもまだまだ多くの人が乗っているが、富山では...
部活で帰宅が遅くなった八尾の高校生と、富山に戻る人がわずかに利用する程度。
ボックスシートに陣取れば、のんびりとキハの旅を楽しめるのだった。
もちろん、最初は、駅ホームのバルブ(長時間露光)撮影に挑戦していた。
真っ暗なホームでの撮影、キハのヘッドライトやテールライトの光がレンズ内で
乱反射してしまい、いわゆるレンズフレアが頻発、撃沈の山を築いたのだった。
【2011年1月10日20時32分】 高山本線・西富山駅
「バルブは、もうダメか!?」と思っていた頃、別の撮影中にレンズを地面に落として破損、
型式の古いレンズだったので、修理不能となって、新しいモデルに交換となった。
これが“ケガの功名”。2011年1月10日、ようやく20時半の西富山駅で
“納得の1枚”を残すことが出来たのだった。
さて、そうなれば気になるのは“音”。
車内は通勤型改造されていたが足回りは生粋のゴハチニハチ、DMH17Hエンジンの
音を楽しみたいと思ったのである。
それまでにも何度か録音は試みていたのだが...
【2010年7月22日19時59分】 高山本線・越中八尾駅
「2両ワンマン」「わずかな乗客」、ドア扱いのない後部車両で録れば簡単に
良いサウンドが残せるだろう、そう思っていたら、これが甘かった。
乗客の動きの少ない後部のキハ58車内は、常連さんの八尾高校の部活帰りのメンバー。
ロングシートに座って、楽しそうに談笑していて...
マイクをもってキハの車内を「放浪」しはじめた<変態鉄>。
許可を得て、後部運転台にマイクを置かせてもらってもノイズが酷くて“撃沈”。
ボックスシートでマイクをセットすれば、その日に限って“同業者さんたち”が
車内で大声で<鉄談義>をはじめて失敗...などなど。
【2010年7月22日19時45分】 高山本線・越中八尾駅
2011年1月11日、夜の帳がおりて人通りも疎らになった越中八尾駅で発車を待つ
キハ58 477の洗面所の床にマイクをセットした<変態鉄>。
運転士さんに録音許可をお願いして...、ついでに...
仕切り扉は撤去されていたが、洗面所スペースにマイクを置けば、客室内の
乗客の会話は、やはり入ってこなかった。
出発直後から録音したうち、婦中鵜坂駅から西富山駅到着までを貼っておこう。
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
片面ホームの臨時駅(現在は駅に格上げ)を出発、企業団地の中を進んで
加速しながら、あのいつも撮影した築堤に躍り出て、井田川鉄橋を渡り、
新興住宅地を進めば、まもなく西富山駅に到着。その間のDMH17Hエンジンの咆哮、
でも、それだけではない。この録音データ、最後まで聞けば...
893D列車は上り列車と交換のため、西富山駅では6分ほど停車する。
その旨、西富山駅に到着後、運転士さんがマイクを通して車内放送を入れる。
そう、特別にお願いして、その冒頭に“アルプスの牧場”チャイムを入れてもらった。
鳴らしてもらえただけでもラッキーだが、しかも、この運転士さん、
1コーラスきれいに鳴らし切るために、途中で少しだけゼンマイを巻き直すという
高度な技まで使って下さったのだ。
もちろん、すぐさま、先頭のキハ28 2360の運転士さんのところへ
御礼を言いに行ったのは言うまでもない。
【2011年1月10日20時32分】 高山本線・西富山駅
その6分停車が終わると、まず、猪谷ゆきキハ120が出発、続いてこちらも発車。
旧国道8号線の下を潜り、右に曲がると左手から北陸本線の線路が近づいてくる。
合流すれば神通川鉄橋、これを渡り終えるとそこは富山駅の構内である。
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今日は、西富山 → 富山間の分も貼っておこう。
「北陸本線、高岡・金沢方面、魚津・糸魚川方面は乗り換えです。」
当たり前に聞いた、このテープ放送も、まもなく過去のものとなろうとしている。
いまもこの録音ファイルをPCで再生して聴くと、この老兵たちを追った日々が
ありありと思い出されるのである。
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。
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あるまーきさん、こんにちは。
富山のキハ58拝見です。
最末期には富山~越中八尾間だけに運転されていたキハ58の列車ですが、富山近郊にしてはたくさんの撮影ポイントが点在していて、
アルバムを拝見しても飽きませんでした。
また季節によっての変化も出せて、夏に行けばつぎは冬に行きたくなるし・・・国鉄ファンにはかっこうの線区だったのですね。
by やぶお (2015-01-17 07:55)
やぶおさん
コメントありがとうございます。
水田地帯あり、住宅街ありと短い区間にいろいろなポイントがあり、季節ごとに楽しめました。この区間で4年前まで、毎日のようにキハ58系が撮れていたというのは、何とも幸せなことではありましたが、当時としてはそんなことを考える余裕も無く、必死になって撮っていた気がします。
いま、当時の写真を見ながら、当時、そういう気持ちの余裕があれば、もうちょっと違った撮り方も出来たのかなぁ...と考えつつ、思い出しています。
by あるまーき (2015-01-17 10:31)
お久しぶりです。
録音の失敗談に思わずうなずきながら読ませて頂きました。
見事なアルプスの牧場...素晴らしい!
何度も通われただけあってバッチリですね~
by でぃーえむえいち (2015-01-17 19:11)
でぃーえむえいちさん
コメントありがとうございます。車内録音の場合、一瞬を切り取る写真撮影とは違った意味での難しさがあります。結局、ここに貼ったデータを得るまでには、何度となく失敗を繰り返しました。
その分、録音がうまくいったときの嬉しさは格別なものです。
by あるまーき (2015-01-19 02:18)