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ちてつ電車フェスティバル2014(6)念願の回送シーンは!? [雷鳥色の電車たち[富山地鉄]]

いわゆる、<撮り鉄>。写真を撮るまでが長い。
線路際でカメラを構えて待つ時間は、長いときで数時間に及ぶことも。

もちろん、一般の営業列車なら、時刻表などで通過予定時刻がわかるわけだから、
場所取りの必要があるような、多くの“同業者さん”で賑わうときは別だが、
大抵は、お目当ての列車の1本前の列車で試し撮りできるタイミングで撮影地へ。

しかし、時には“いつ来るか、本当に来るのか??”、それすらわからない列車も。
鉄道会社内部の関係者から情報を入手できる「非公式なルート」でも持っていないと
回送列車の正確な運転情報を知ることは極めて難しいのである。
(もちろん、こんな<変態野郎>が、そんな人間関係を構築できるはずもない)

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運用の都合上、毎日必ず運転される列車ならまだしも、車両検査や今回のような
イベント展示などで設定される回送列車は、“いつ来るか、本当に来るのか??”
もしかしたら、すぐにやってくるかも知れないし、あるいは、深夜になってからの
回送なのかも知れない。そう思うと、カメラを構えたままジュースを買いに行くことも
トイレに行くことすらできない。
……  ……


もしかしたら、撮影可能時間帯に来ないかも知れない、その列車を
ずーーっと待ち続けるのは、穏やかな天気ならまだしも、
真夏の炎天下、真冬の寒さ、そうでなくても、雨風の中で待ち続けるとき...

「なんで、こんな苦労をしているんだろう??」

と、自分でも、自分がしていることがイヤになるくらい。

実は、<撮り鉄>とは“忍耐”なのかも知れない。

この日も、雨の中で、いつ来るかわからない回送列車を待ち続けた。

……  ……

2014年11月2日(日)曇り一時雨

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【2014年11月2日14時21分】 富山地鉄・稲荷町テクニカルセンター

イベント終了後、稲荷町 15:15発の「かぼちゃ電車」でやって来たのは2つ目、大泉駅。
この日は日曜日、観光列車「アルプスエキスプレス」「ダブルデッカーエキスプレス」は
どちらも通常運用に入っていた訳で、その代わりに(?)、イベントにやって来ていたのが
軌道線の「レトロ電車」と「トッキュージャー」ラッピング車。

明日の運用に備えて、これらの南富山への回送が、この日のうちに実施されるのでは...
というのは、ご一緒させていただいたT_sagaさん。翌日の予定があるとのことで、
先に戻られたT_sagaさんと別れて自分は、その回送シーンを捉えようと...

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【2014年11月2日15時32分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅

「午後からは雨・風が強まり、夜にかけて荒れた天気に...」と言っていた天気予報。
こういうときに限って当たってしまうモノで、大泉駅に着いてまもなく、
雨・風ともに強まってきた。当初は、大泉駅から少し不二越側に戻った線路際で
待ち構えようと思っていたのだが、ホーム端から撮ろうにも、ホームのベンチで待つのも
イヤになるような状況。カメラに雨用のカバーを被せて、駅の待合室へ。

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【2014年11月2日15時40分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅

地鉄上滝不二越線は単線。稲荷町を出ると南富山まで上下列車は交換できない。
その中間に位置する大泉駅は、片面ホームの無人駅。
ということで、回送列車が来るとすれば、上下の営業列車が発着する隙間の時間帯。

大泉駅の出口は、県道3号線の踏切に面した1箇所。でも、駅前に踏切があるのは
こういう撮影には大変ありがたい存在。そう、踏切警報機の音がしてから
カメラを構えれば良い。それまで安心してベンチで休んでいられるのだ。

陽の短い季節、しかも雨。16時を過ぎると急速に薄暗くなっていった。
そんな中、来るか来ないかわからない回送列車を待ち続ける...、なかなか辛い時間。

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【2014年11月2日16時16分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅

まずは、試し撮り。16:08発の岩峅寺ゆきは、14760形「だいこん電車」。
薄暗い中、ヘッドライトの光が当たると、わが廉価版のレンズではゴーストが出るのは
避けられないところ。レール面にヘッドライトの光が反射して光っていることからも
雨の中での撮影だとわかる写真なのだが...

それにしても、刻一刻と撮影のコンディションは悪くなる一方。
禁断の4桁ISO値でも、シャッター速度が稼げなさそうで...嗚呼。

……  ……

そんなとき、岩峅寺ゆきが行ってしまって、ちょうど10分後。
時刻表には該当する列車がない時間に、突然、踏切機の警報音が...
カメラを片手にホーム端に走った。

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【2014年11月2日16時27分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅

「来たぁ!!!!」
不二越側からやって来た回送列車。小型の黄色いディーゼル機関車に牽かれた
トッキュージャーの「サントラム」。ヘッドライトは何故だか片目だけ。
それも、それほど“煌々と”という訳でもなく、ゴーストもなく。

しかも、列車の速度もゆっくり。カメラの方は、被写体ブレ覚悟の1/80秒だが
この距離だと何とか止まってくれたというか...

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【2014年11月2日16時28分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅

県道の踏切をゆっくりと通過。ホームで待ち受ける自分のすぐ横を通って...

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【2014年11月2日16時28分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅

鉄道線ホームを通過する超低床トラム。こう見ると低さが際立っていて...

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【2014年11月2日16時28分】 富山地鉄上滝不二越線・大泉駅

最徐行で南富山へ向かっていった。

……  ……

もう1両の稲荷町で展示されたトラム「レトロ電車」も回送される可能性が高かったが...
いつ来るかわからない回送列車を待つよりも、トッキュージャーを追いかけようと。

もちろん、いくらゆっくり走る回送列車でも、徒歩で追いかけるのは無理。
上滝不二越線は約1時間間隔、列車で追うのも無理。でも...、と、そのときは
“Good Idea!!!!”と思ったのである。

駅を出て、線路を離れて、兎に角、西の方へ。
少し歩けば、市内軌道線の小泉電停だと思っていたのである。
そう、市電で南富山に行けば、回送列車の走行シーンは無理でも稲荷町から帰った
“トッキュージャー”の切り離し・入庫作業くらいは見られるのでは...と。

し・か・し...

思いの外、大泉から小泉までは遠かった。2つ目の交差点、急ぎ足で10分以上。
しかも、大泉駅を出た直後、強い風に煽られて、さしていた折り畳み傘が
あえなく逝ってしまったのである。寒い中、ずぶ濡れでたどり着いた小泉電停。

すぐにやって来た南富山駅前ゆき。
南富山駅前に着くと、すぐに不二越上滝線の改札口へ。
「ホームで写真を撮りたいのですが...」とお願いしてみたものの、
「改札開始まで待って下さい」。あえなく、撃沈。

ちなみに電鉄富山駅なども列車別改札制だが、入場券や切符を持っていれば
写真を撮るために先にホームに入るのを断られることは、まずない。

地鉄の駅でこれを断られるのは、自分にとっては初めて。
でも、「写真を撮るためにホームへ」は、本来、目的外。
それを駅員さんのご厚意で認められることがあるだけなので、
やはり、ダメなものはダメ。無理を言っても仕方ない。

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【2014年11月2日16時53分】 富山地鉄上滝不二越線・南富山駅付近

それならば...と、駅舎兼研修施設のビルの横を抜けて、駅の朝菜町側へ。
駐輪場付近からカメラを向けると、正面に、トラムを切り離した後のDLが居た。

でも、まさにこれを撮った瞬間。黄色い機関車は単機で走り出した。

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【2014年11月2日16時53分】 富山地鉄上滝不二越線・南富山駅付近

てっきり、DLは、稲荷町に帰るか、南富山で留置になると思っていたが、
加速しながら上滝方向に去っていったのだった。

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【2014年11月2日16時57分】 富山地鉄上滝不二越線・南富山駅付近

ちょうど目の前に踏切があり、軌道線の基地を一望できる。早速、そちらへ。
右隅に見えるのが...

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【2014年11月2日16時55分】 富山地鉄市内軌道線・南富山駅前付近

稲荷町から帰ってきたサントラム、トッキュージャーのラッピング車である。
何事もなかったように、翌日の運用に備えて休んでいた。

ちなみに、この時点では南富山構内に「レトロ電車」の姿を確認することが
できなかった。ということで、多分、このあと、もう1本、回送列車があったと
思われる。デ7000形の回送シーンは、またいつか撮ってみたいと思う。

さて、さきほど、市電の車庫を一望した踏切。
同じ場所に立って、振り返れば、当然ながら南富山駅構内が一望できるわけで...

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【2014年11月2日16時58分】 富山地鉄市内軌道線・南富山駅前付近

左に見える灰色の3階建てが南富山駅舎、自分の立ち位置の正面は市電の車庫線、
右に見えるのが鉄道線(上滝不二越線)の南富山駅。市電の洗車機の手前に
軌道線と鉄道線を結ぶ分岐器が見られる。

1970年(昭和50年)に廃止されたのが、この駅から大沢野地区を経て
高山本線の笹津を結んだ地鉄笹津線、その“痕跡”が残るこの駅。
そんなことも、いつか探索してみたいと思っている。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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T_saga

レトロ電車は、真っ暗になってから回送されたらしいですよ。
渾身のV、お疲れ様でした。
by T_saga (2014-11-20 12:11) 

あるまーき

T_sagaさん

コメントありがとうございます。当日、T_sagaさんに教えていただいたのが非常に役立ちました。結局、大泉駅では1時間ほど待っていたのですが、「トッキュージャー」の時点で、露出条件はすでに限界でした。
この回送は狙って撮れるものではないでしょうが、次は、明るいときにもっと見晴らしの良い場所で撮ってみたいと思います。

by あるまーき (2014-11-20 23:02) 

風旅記

こんばんは。
稲荷町まで、市内線の路面電車を回送することがあると聞いたことがあり、どのようにしているのかと思っていました。
機関車で牽引して行くのですね。
古びた機関車にも味があり、新しい路面電車との対比が面白いですね。
鉄道線のホームから見れば、車両が随分下の方に見えるのではないでしょうか。
また一つ、地鉄への興味が深まりました。
狙って出会える光景でもなく、大変貴重なお写真を拝見でき嬉しく思います。
ありがとうございました。
by 風旅記 (2024-10-16 04:06) 

ferrum_queserasera

風旅記さん

コメントありがとうございます。
おっしゃるとおり、黄色い小型ディーゼル機関車が牽引して回送しています。平日の日中に設定されていることが多いようで、何度か目撃しています。
日中の回送のため、この黄色い「機関車」、ちゃんと機関車としての車籍があって、他社のような「保線用モーターカー」のような扱いになっていないのも特徴でしょうか。
自分が撮るようになる以前に、イベントでこの回送列車に招待客を乗せるというのを企画したそうなのですが...(以下、自粛)。
by ferrum_queserasera (2024-10-21 11:23) 

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