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34. 新しい駅には長い歴史が刻まれていた<後編>(本線・中滑川駅) [探訪!! ちてつ百景]

富山県滑川市と言えば、常願寺川を挟んで富山市の東側。
ホタルイカの町としても知られている。

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【2014年4月9日9時33分】 富山地鉄・電鉄富山駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 50.0 mm 露出 F7.1 1/125秒 +1/3段補正 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

そのキャラクター“キラリン”のヘッドマークを付き電車が、
地鉄でも運転されている。この滑川市の中心駅とも言えるのが地鉄の中滑川駅。
農協会館と一体の駅舎にはスーパーマーケットを含めた多くのお店が入り、
かつては華やかな時代もあったのだろうけれど...

……  ……

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【2014年4月9日13時25分】 富山地鉄本線・中滑川駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 60.0 mm 露出 F11.0 1/400秒 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

時代がかわり、人の流れの中心も鉄道の駅から、少し離れたバイパス道路沿いに。
店舗の閉店、ビル自体の老朽化...
すでに廃墟と化していた駅が解体され、かわりに平屋建て、瓦葺きの駅舎が
新築されたのはこの春のこと。

正直、「どうせ、簡易建築の安っぽい駅舎になるんだろう...」と思っていたが、
訪れてみて、ビックリ。
この駅、前の駅舎からの“伝統”を受け継いでいた。う~ん、堪らん。
昨日はプラットホーム周辺の様子を紹介したが、今日はその続編。
まだ“新築のかほり”が残っていた駅舎内をご紹介したい。

という訳で、電車を降りて、構内踏切を渡って駅舎へ。

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【2014年4月9日13時28分】 富山地鉄本線・中滑川駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 50.0 mm 露出 F5.6 1/60秒 +1段補正 ISO400
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

出迎えてくれたのは、ICカード“ecomyca”用の改札機。
当然ながら、壁はまだピカピカ、天井が高く、清潔感と明るさのある駅舎になった。

嘱託の方だろうか、窓口に居た初老の駅員さんに許可をいただき、駅舎内を撮影開始。

<変態鉄>として、この駅の第一の注目点は...

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【2014年4月9日13時28分】 富山地鉄本線・中滑川駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 50.0 mm 露出 F8.0 1/125秒 +1段補正 ISO3200
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

駅内に掲示されている「中滑川駅の歴史」。
以前、訪れた農協会館と一体の、改札口が地下にある駅舎になる以前の写真。

駅前広場の様子は、この当時からあまり変化がなかったような...
そして、2階建ての先々代の駅舎。(白黒写真で見づらいですが...)

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【2014年4月9日13時31分】 富山地鉄本線・中滑川駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 60.0 mm 露出 F8.0 1/200秒 +2/3段補正 ISO200
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

これと、新駅舎の駅前広場側から見た、つまり正面の外観。
土色の壁に白のライン、縦書きの「中滑川駅」。
この駅舎をデザインした人が意識していたかどうかは定かではないが、
先々代の駅舎の、2階部分に並んだ窓の様子と新駅舎正面のデザインが似ているような...

“プレハブ倉庫”っぽい簡易建築の駅舎でなかっただけでも<変態鉄>としては
嬉しかったが、先々代の駅舎のDNAが受け継がれていた(隔世遺伝??)ような
気がするのも、何とも言えず嬉しかったのである。

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【2014年4月9日13時30分】 富山地鉄本線・中滑川駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 28.0 mm 露出 F8.0 1/160秒 +1段補正 ISO3200
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

外観は2階建て風だが、内部は平屋建て。何と言っても天井が高いのが気持ちいい。
もちろん、右隅にチラッと見えるトイレの内部も、イマ風になっていた。

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【2014年4月9日13時29分】 富山地鉄本線・中滑川駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 28.0 mm 露出 F10.0 1/250秒 +1段補正 ISO3200
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

振り返れば、待合室。中滑川駅に発着する電車は上下とも1時間あたり各1~2本、
ホーム上にも待合室はあるが、暑い時期、寒い時期には、これが重宝しそう。

ちなみに、中央部に置かれた丸いストーブが何とも懐かしい。
列車を待つ間、駅の待合室でストーブを囲む光景も最近では見なくなった。

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【2014年4月9日13時29分】 富山地鉄本線・中滑川駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 60.0 mm 露出 F7.1 1/160秒 +1段補正 ISO3200
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

待合室部分の壁の掲示板は地鉄からと市役所からのお知らせが中心。
その中には、もちろん、キラリンの紹介も。

……  ……

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【2014年4月9日13時46分】 富山地鉄本線・中滑川駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 60.0 mm 露出 F8.0 1/160秒 +1/3段補正 ISO1600
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

地鉄の有人駅、いくつかの駅には自動券売機も設置されているが、
基本的には、隣の駅までの切符でも窓口の駅員さんに発行してもらう。

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JRの駅の窓口のようにプリンターから出力される乗車券ではない。
いわゆる“常備券”と呼ばれるタイプのもの。

「浜加積まで1枚!!」

窓口で告げると駅員さんは、手元にある200区間の切符を1枚、ミシン目に沿って
切り離し、日付印を捺して渡してくれる。これも東京では見られなくなって久しい光景。

常備券を記念に買い求めるとき、駅員さんに
「以前の駅の、あの雰囲気、好きだったんですよね...」と一言。

駅員さん、ちょっと驚いた様子で
「えぇ~っ?? あんな寒くて、暗くて...」、何とも不思議そうな感じ。

いまの駅窓口は、その「寒くて暗い駅」の入口付近にある。

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【2012年10月7日17時01分】 富山地鉄本線・中滑川駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 60.0 mm 露出 F5.0 1/60秒 +1段補正 ISO1600
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

以前は、ここから、“駅ナカ”の商店の間を通り抜けて...

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【2012年10月7日16時59分】 富山地鉄本線・中滑川駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 35.0 mm 露出 F3.5 1/30秒 +1段補正 ISO1600
プログラムAE AIフォーカスAF WB白色蛍光灯

階段を下りたところに改札窓口があった。タイル貼りの改札ラッチが懐かしい。

確かに、以前の駅は薄暗かったのだが...
訪れたのが休日の夕方だったためか、その広い駅の中にホームレスが1人いただけ。
通路部分を除いて、旧店舗部分などは一部照明が落とされ、廃墟感満載だったが...
でも、そんな雰囲気が好きだったのが<変態鉄>。

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【2014年4月9日13時25分】 富山地鉄本線・中滑川駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 60.0 mm 露出 F8.0 1/200秒 ISO200
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

その旧駅舎は、解体工事中だった。

しかししかし、新しくなった、明るくなった駅窓口の内部に、見つけてしまった。

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【2014年4月9日13時47分】 富山地鉄本線・中滑川駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 80.0 mm 露出 F5.6 1/100秒 +2/3段補正 ISO1600
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

窓口の奥には何とも懐かしい信号機器の制御装置。
「すみませ~ん、アレ、写真に撮っても良いですかぁ...」
そんな<変態鉄>の申し出に、駅員さんは快諾、窓口のガラス戸を全開にしてくれた。

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【2014年4月9日13時47分】 富山地鉄本線・中滑川駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 110.0 mm 露出 F5.6 1/125秒 +2/3段補正 ISO1600
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

古めかしい事務机、紙がすっかり日に焼けてしまった「指差確認」の文字。
よく見ると、配線図には線路が3本あるような...、ここにも海岸線の残影!?

ズームを望遠側にして連写する<変態鉄>。

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【2014年4月9日13時48分】 富山地鉄本線・中滑川駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 80.0 mm 露出 F5.6 1/100秒 ISO1600
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

「これも、なかなか、アンティークでしょう!?」
駅員さんは釣り銭用のケースを示しながら、改札側のガラス戸を開けてくれた。
「ここから撮れば良いよ!!」
窮屈な構図だ...なんて贅沢は言っていられない。夢中でシャッターを押した。

13_0Y6C7088.JPG
【2014年4月9日13時48分】 富山地鉄本線・中滑川駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 35.0 mm 露出 F5.6 1/80秒 ISO1600
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

前述の常備券の束がある。その奥の手帳のようなものは、上下列車の発車時刻が
書かれている。1時間毎にページをめくりながら発車案内を行えるのだ。

14_0Y6C7053.JPG
【2014年4月9日13時35分】 富山地鉄本線・中滑川駅
<撮影データ>
Canon EOS 5D Mark III/EF28-300mm f/3.5-5.6L IS USM
焦点距離 40.0 mm 露出 F11.0 1/250秒 ISO200
プログラムAE AIフォーカスAF WBオート

駅舎は新しくなって、海岸線のレールは姿を消した。
でも、ここには昔ながらの駅の鉄道情景が息づいていたのである。
駅員さんに御礼を言って、再びホームへ戻った。(おわり)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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