高岡の路面電車 '94夏

県都・富山市とは呉羽山をはさんで西側。
普通電車でも２０分くらい。でも、特急もすべて停車する規模の駅。
その駅前から、路面電車が伸びている。富山新港ができるまでは
富山湾に沿って富山市まで結んでいたというが、自分が知るのは
越の潟止まりとなり、加越能電車と呼ばれたオレンジ色の路面電車の時代から。

……　　……

富山のすぐ隣町だから、結構、写真を撮りに訪れた。
いや、鉄道写真だけではない。氷見に行くにも、
城端を経て合掌造の集落を訪れるときも、その拠点となるのは高岡だった。
その高岡の町自体、銅の町として栄えた歴史ある街並みがいまも残っており、
千本格子の家並みの撮影に挑戦したこともある。
（雰囲気のある風景写真ってのも、難しい...）

８月最初の一週間、高岡駅周辺の商店街は七夕祭りで賑わいを見せる。
七夕飾りの中をゆく路面電車を、本の中で見つけて「これを撮りたい」と、
思った。実現したのは、高校２年生の夏、１９９４年８月のこと。

【1994年8月】　加越能鉄道（当時）・高岡駅前－片原町

スキャナーで取り込んだネガを見ると
新潟駅のホームで「ムーンライト号」をスナップした次が高岡の写真なので、
青春１８きっぷで富山市の祖母の家を訪れる途中の“寄り道”のはず。

高岡駅前の電車通りの商店街を歩き回りながら何枚か撮影。
自動車に被られたり、中途半端な構図だったり、ロクな写真がないけれど...

【1994年8月】　加越能鉄道（当時）・高岡駅前電停付近

写真を見ていて記憶が甦ってきた。通りの中央を走る電車を強調すると
七夕飾りが小さくなり、七夕飾りを目立たせると電車がうまく写らない...
構図を決めるのに、かなり時間をかけて歩き回った気がする。
今なら、七夕飾りにピントを合わせたり、とか、もう少し工夫できそうだが...

あと、これを撮った後、歩いていて意識が朦朧としてきたんだったっけ。
８月の暑さの中、夜行列車の座席で一夜を過ごした寝不足はこたえた。
高校生の貧乏旅行、“超緊縮財政”で「缶ジュースは１日３本まで」とか決めてたと思う。
このときは薄れゆく意識の中、コンビニを発見。スポーツ飲料を購入、事なきを得たはず。

……　　……

加越能鉄道から万葉線にかわり、車両もオレンジ色の路面電車から
最新鋭の真っ赤な超低床車に変わった。停留所も増設されたはず。
七夕飾りは変わっていないはず。この夏、また撮りに行こうか...

でも、その玄関口・高岡駅舎は取り壊されるとのこと。
この光景も、過去のものになる。

【2009年8月14日15時55分】　万葉線・高岡駅前電停
＜撮影データ＞
Canon PowerShot SX100 IS
焦点距離　9.1 mm　露出　F6.3　1/500秒　ISO200　WBオート


（※）撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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コメント 4

私も大好き・万葉線の旧塗装。そしてさらに七夕祭り。いいですね＾＾

行事や季節を織り交ぜた写真は、あまり撮影したことが無いので今後どんどん挑戦していきたいところです。

そういえば、1枚目の写真に写っている7071号の今の姿が、3枚目の「八五郎」広告車なんですよね。時代が変わって冷房も搭載されましたが、釣り掛けのモーター音は今でも健在です。
by ＠赤坂 (2012-01-28 14:06) 

@赤坂さん

こんばんは。いつもコメントありがとうございます。
立山連峰だけでなく富山には四季折々の美しい情景がありますね。自分もそういったものを織り交ぜながら撮っていきたいと思います。

さて、ご指摘いただいた点、１枚目と３枚目が同一車だったということ、撮った本人は全く気付いておりませんでした。鋭い観察眼、恐れ入りました。
by あるまーき (2012-01-28 23:01) 

高岡の路面電車・・・いいですね。
私は2010年に訪れましたが、
同じタイプの旧型が走っていましたが、
標準色の車両はもう動いていないとのことでした。

気動車色のような市電と、
派手な七夕飾りのマッチングがすばらしいと思います。


by やぶお (2012-01-31 20:11) 

やぶおさん

こんばんは。コメントありがとうございます。
高岡の電車ですが、加越能から第３セクターに移管されて以来、真っ赤な超低床車に置換され、（運用両数の少なさもあり）ほとんど見かけないこともあるくらいです。
経営が変わって、鮮やかな黄色の電車になりましたが、でも、七夕飾りの中を行く姿は、じゅうぶん魅力的です。
by あるまーき (2012-02-01 01:13)